[2004/12/30最終追加。以降「銀次の部屋II」以降の各コーナーへ。]




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○12月に入ってからの2つの流星群。(画像なし。2004/12/24記。)


最近、この「銀次の部屋」が新しいページに替わるたびに冒頭部に「衝撃巨大画像」(^^;)を飾ることができてましたが、
このページは久々に地味な始まりです(^^;)。
2004/12/14の双子座流星群は月の影響もなく、光害下の空でも1~2分の間に1つ程度ちょろちょろっと流星が落ちて
ました。光害下でも1つ1つの流星も比較的明るかったと感じました。出現ぶりは派手ではなかったですけど、数年前の
しし座流星群大出現を見逃した私としては、私が見た流星群の中では一番活発だった印象でした。

でも画像には残せませんでした(^^;)。
ベランダに出てからE5000のバルブ露出のやり方(マニュアル露出モードで設定可能なのは覚えていたが、どうやって1つの
操作ダイヤルで絞り設定とシャッタースピード設定を切り替えるかを思い出せなかったです)を忘れてしまい、シャッター速度
優先露出モードで、最大値の8秒露出刻みで流星出現と同時にレリーズしましたが、E5000クラスの反応速度で間に合う筈が
ありません。バルブ露出をしていたらきっと何発かは撮れたかと思うと残念です。今思えばバカなことをしました。
子を起こさないように一度ベランダから自分の部屋に戻って操作マニュアルを見るべきでした。

当夜も全ての用事を終えてベランダに出たときにはなんだか気分が疲れていました。なんか気分が一杯一杯でリカバリをする
気力がなかったです。仕事のストレス等がたまった時に天体観望や撮影は、癒しになる人もいらっしゃるでしょう。私の場合は
観望や撮影にそういう効果はありません。手間や苦労をあまりしないで目覚ましい成果を得た時(つまりまぐれ当たりの大成功)
などには、気分も爽快になりますが、大抵の夜はその逆に期待以下の結果しか出ません。そうなると観望や撮影でますます
鬱屈してしまう感じです。最近職場内で少し環境が変わることがあって、今までのように自分の良いところを発揮することが
あまり出来ずに、自分の足らないところを気にしないといけない局面が増えたことが、結構気持ちの重荷になっているようにも
思えます。ちょっとのんびりしたいものです。先日20年勤続休暇を貰ったばかりなんですが(^^;)。

バルブ露出のやり方をおさらいして、2004/12/15のオリオン座流星群にもトライしようとしましたが、曇天でした。
なぜこのおさらいを双子座流星群の手前でやっておかなかったものか.....(^^;)。まあ巡り合わせとはそういうものですね。



○設営してみると薄雲が...。(2004/12/21夜半前。2004/12/24記。)


上で述べたような重い気分の中、結構な日数の好条件の夜を無為に流してしまったりしていました。
最初はそれでも勢いよく昇っていくアクセスカウンタに申し訳なく思っていましたが、そのうちアクセスカウンタの勢いも
ようやく収まってきて、申し訳なさも一段落という気分になりました。(その間もアクセスを頂戴した方、感謝致します。)

この夜以降、関西の気温はかなり急速に下がることが週間天気予報で分かっていましたので、当夜は予想外の晴天に久々に
やる気を出して帰宅後に設営してみました。が、準備オッケーになってからよく見ると薄雲が結構土星周辺にからんでました。
翌日も仕事があるので、もう何もせずに撤収しようかと思いましたが、中高倍率で輪を見ると、透明度や解像感はないものの、
詳細部にビリつきは少なく、カッシニ空隙はかろうじて見えたので、懸案のフレームレートを落としての撮像テストをとりあえず
やりました。でもまあ雲の中の土星なので、高い解像感の成果は期待しませんでした。







10fpsの撮像です。それ以外の条件はいつもと変えていません。1/25秒のシャッター速度、アイピースはVixen LV8-24mmZoom
(24mm位置)。NexStar8iとToUCamProIIです。上が1491フレーム、下が1308フレーム合成です。
1秒間あたりのフレーム数が落ちた分、約2分の間に撮影できるフレーム数が減りました。1フレームごとの粒状性は1秒間あたりの
フレーム数が落ちた分、幾分緻密になったのだとしたら、総フレーム数が減っても仕上がりが落ちることなく、むしろ向上することを
狙うのが、フレームレートを落としての撮像テスト本来の目的です。

結果はいまいちよく分かりません(^^;)。
何度も撮影のやり直し(毎度同様、現場でデータを消去するのは忍びない気分でしたが)をして、薄雲が土星像を揺らがせる回数を
できるだけ減らすようにしましたが、やはりその悪影響は排除できませんで、カッシニ空隙も拡散してしまってます。
ピントはかなり厳密に追い込んだつもりでしたが、頻繁にピント面が動く気もしました。雲の通過で光線の屈折率などに変化がある
のでしょう。結果、甘い画像になってしまいました。

ただ撮影対象が揺らいでいても、撮像の粒状性が改善されていれば、テストの成果はあったと言えるので、まあこの夜テストをした
意味は全く無かった訳ではありません。まあそれも「粒状性の改善」が確認できてこその言ですが....。

で、「粒状性の改善」もいまいち分かりません(なんなんだよ^^;)。
薄雲やその周辺の大気密度の変動などで拡散した土星像の詳細をWavelet処理で起こそうとするあまり、どうしても硬調な仕上がり
になってしまうようで、その時に滑らかだった筈の画像の粒子を荒らしているのかもしれません。
まあ前回の「超々々巨大土星像」などの粒子の粗さよりは、ましな結果とも言えますが、画像のエッジが眠いようでは痛し痒しです。

やはりこの夜は薄雲を確認した時点で、何もしないでさっさと撤収するべきだったのかもしれません。
ムービーデータを取得するモニタ画面で「あー今日は絶対良い成果は出ない」と見極められたらいいのですが、Registaxの全処理を
一通り終えるまでは、なかなかその判断もつかず、結局設営したらすぐ撤収の勇気もなく、だらだら失敗作への時間の浪費に至って
しまう訳です。遅いPCではますますそれに拍車がかかります(ん?拍車がかからず、ますます減速するというべきか?)。
こんなことではいけません。ますますストレスがたまってしまいます(T_^;)。



○本年最後の公開。土星。(2004/12/26夜半前。2004/12/29記。)


できるだけ早いうちに上記のモヤモヤとした気分に対してリカバリショットを出したいと思っていましたが、ようやくこの夜
機会を得てベランダ設営しました。「ジェット気流予想」によれば前夜のほうが条件は良かったようでしたが、夕方からずっと
雲がちだったので、油断してましたら天候も回復していたようでした。気づいたときには土星はベランダの屋根にかかってしまって
逃してしまいました。この夜は前の夜よりは気流条件が悪いのですが、それでも天候を含めこの夜以降はますます条件が悪くなります
から、踏ん張りどころです。

温度順応完了でベランダに出ましたら、一面雲でこの夜はもうあっさり決断して撤収を一旦かけましたが、撤収終了とともに
雲が消えました。雲がち程度の晴れではもうやらないと前回以来決めていましたが、この夜は近くに月があり薄雲の存在は余計に
はっきりしますので影響なしと判断できました。迷惑な雲の登場と退散でしたが、再度設営をして撮像に入りました。

画像は10fpsと15fpsの2通りでその差を見ました。若干のゲイン調整はfps値の変更で必要ですが、それ以外は大きく変えて
いません。光学系やソフト処理は毎回同様です。Wavelet処理はLinear[2:2]です。

まずは10fps。1448フレーム合成。




同一倍率で15fps。撮像時のモニタ像やムービー再生ではこちらのほうが階調は豊かでした。1515フレーム合成。




同一データでWavelet処理を深めにしてみましたら、本体縞が何本も浮き出て来ました。この本数は私にとっては記録ものです。
当夜のベストはこれですかね(^^)?1515フレーム合成。




倍率を替えて10fps。1583フレーム合成。




同一条件下で15fps。2011フレーム合成。




これも同一条件下で15fps。1628フレーム合成。この画像も本体の詳細がよく出ていますね(^^)。




土星が屋根にかかる直前でオマケの拡大倍率。これは15fpsのみ。少し甘いですね。2318フレーム合成。





結局、fps値の違いはよく分かりません。ムービーや撮像モニタでの像の階調は15fpsのほうが豊かに見えました。
でも仕上がりは後処理のニュアンス付け次第で差はなくなる感じもします。
ピント合わせは以外に15fpsのほうが容易でした。5fpsや10fpsでは当然フレームのリフレッシュ速度(本の端で作ったパラパラ
アニメのめくり速度ですね)が遅く、じっくり合わせて行く合焦の瞬間を逃して行き過ぎることも多く、慣れが必要だと感じました。
輝度は上がるので今回は試していないものの、口径絞りでのピント追い込みには5-10fpsは有利かもしれませんね。でも最後の
追い込みは結局、口径絞りを外しての調整になるような気もします。

fpsが低いほうが合成フレーム枚数が少なくて済むなら、遅いPCかつHDD残量が少ない状況では、現場で捨てないといけない
シーケンス数が減って(=より多く撮影できて)有り難いという側面もあったのですが、今回公開していない没データの評価
も含めて考えても、そ今のところ差はよくわからない感じがします。

結局今のところ、ピントを合わせるには15fpsのほうが階調が豊かな分良さそうに思え、それ以外の要素の効果を検討するよりは、
撮像瞬間の気流安定度とやはりWavelet処理の深さと三色分解合成処理のニュアンスのかみ合いがうまく行くかどうかの方が
最終結果に大きな影響を与えていると判断します。

もしかしたら普段25fpsくらいの早いレートでの処理をしていて輝度が伴わず不当にゲインを上げて撮影しているのを10fps
くらいに落としてゲインもなだらかにすれば効果は出たのかもしれません。今は遅いPCを使っているので普段から15fpsで
撮影しているので、差がわかりにくいのかも知れません。

何だか労多くして平々凡々な結果しか得られていませんが(^^;)、まあそれを実際に見極めただけでも以後の精神衛生上良いかも
しれませんね。「もしかしたら5fpsで撮影していたらもっと良い結果を得たかも」とか「5fpsで口径絞りをもっと使えば
解像感はもっと出たかも」とか以後はあまり気にせず、合焦感が甘い結果になれば「あー思ったほど気流がよくなかった」と
割り切ることができそうですから(^^)。

先日撤収時にNexStar8iを自分の部屋に持ち帰った際、ソフトケースの開口の向きが悪く、収納に手間取っているうちに、
ほんの数センチ(最も高さがあるところで)ですが、ソフトケースの中詰めの上にNexStar8iを落としてしまいました。
高さ的には大したことはありませんでしたが、中詰めの端にあった2インチ天頂プリズムとNexStar8iの主鏡セル部の間で
小さい打撃音もありました。NexStar5でも一度やりましたが、ケース中詰めへの着地寸前に架台と鏡筒がぐにゃりと曲がって
しまい手から離れてしまったのでした。鏡筒と架台を持って運ぶとその危険があるのは承知していましたが、一旦NexStar8iを
床においてソフトケースの向きを直せばよかったものを、そのままソフトケースの向きに合わせて無理にNexStar8iを置こうとした
際につい持ち替えた訳です。

部品の破損はなかったものの副鏡の光軸はガタガタかもしれないと思っていましたが、この夜の画像を見る限り影響はなかった
のにも安心しました。光軸調整は結構手間がかかりましたけど(^^;)。
最初光軸を確認した時にはほとんど問題なかったのでした。で、倍率を上げて詳細を念のため追い込もうとしたら、調整不能で
一旦全部のネジを締め上げてそれからまた全部を一定量繰り出して、微調整していくわけですが、それがなかなか収束できませんで、
先に書いた雲のロスタイムとこの調整でかなりの時間を流してしまいました。そのロスタイムのせいで撮像最後にはまた土星が
ベランダの屋根にかかっていました。

前回より画像が少しはぴりっとしっかりして、初めて「前回の軟調は雲のせいだった」と自分でも確認できる訳です。
そう言えてよかったです。最大拡大の画像は少し画像の芯が甘いですが、概ね天候と気流条件が揃えば、きちんとしっかりした
画像を安定して得られるようになり、ようやく安心です。

今回の土星像をよく見ると本体の影が輪に落ちる位置が以前と変わって来ているのが分かります。
以前は倒立像左側だけに濃い本体の影が輪に落ちていました。今は本体の左右均等に影が落ちています。
土星に比べて内側を回る地球が、ゆっくり公転する土星に追いつき、今ちょうど並んでいる頃だということですね。
これからだんだんシーズン終了に従って逆側(倒立像右側)に影が濃く出てくるようになるのでしょうね。

更によく画像を見ると「当夜のベスト」画像などには土星の右側(倒立像)に衛星がうっすら写ってました。
上の「当夜のベスト」のBMP原画像を元に、衛星周辺の階調を狭くしてコントラスト強調したものとレイヤー合成して、
衛星の位置をはっきりさせてみました。土星の中で最も明るいタイタンでしょうか。「天文年鑑」で見ますと位置は合っている
ようです。土星の衛星が写っていたのは、私は初めてです(^^)。






○追記:K&Rさんから。(2004/12/30追記。)


NexStar8iをお譲り頂いた「掲示板のコーナー」ご常連様のK&Rさんから画像をメールで頂戴しました。
「RGB 毎にレベル調整とトーンカーブの調整を行なってみると・・・」とのことでした。上で掲載した私の土星像の色調、
階調を整えて頂いたものでした。実は密かに三色分解調整と再合成に関して、ちょっと思い通りの結果にならず困っていたのを
お見通しになられたかのようでした(^^;)。
倍率をあげて10fpsと15fpsで比較した2画像を再調整して頂いたものです。K&Rさんのご許可を頂戴して順に掲載します。
K&Rさん、いつもありがとうございます。







うーん。見違えるほどビビッドな解像感と階調です。ここまで解像感が出るのなら、Wavelet処理はもう少し浅めにするともっと
滑らかな画像になったかもしれませんね。同じ三色分解調整・再合成処理をしておりますのに、私はその塩梅の調整に徹底が
足らなかったようでした(^^;)。本体縞や輪の空隙などなかなか凄い画像だったんですねー(おいおい^^;)。




--◇--◇--◇--◇--    



2004年は沢山土星を撮りました。気象条件を問わずNexStar8iでの撮影の勘所もようやく安定して掴めたように思えます。
まだ出現時刻は遅いですが、近々木星も撮影したいものです。今年の公開はこれで最後になるでしょう。
ご覧戴いた皆様や「掲示板のコーナー」のご常連様、ありがとうございました。
インデックスもたくさんとなり、最近ページの新規追加の際のインデックス変更が大変手間となったので、一旦この
「銀次の部屋」を閉じ、以降「銀次の部屋II」に内容を引き継ごうと考えています。また継続して宜しくお願いします。






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