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○最も見映えのする火星地方がまた到来(2003/09/18。データ作成は2003/09/19-20。)


火星の模様が最も見映えする時期がまたやって来ました。特に東向きベランダ観望という制約のある
私には観測時間帯が狭いために特にそれが言えます。
早い時間帯に火星も昇ってくるようになり、観測可能時間帯は21:00-23:00あたりです。

既に掲載の6/5、7/15、(悪天候のために少しずれてますが)8/19に続く撮影の好機です。
もう来月この地方が巡って来る時には7/15時点より火星は小さくなっているのでしょうね(寂)。
この前後の日々から天候をうかがって来ましたが、ついにこの夜、薄雲があまりない状況になり、久々に
入魂100シーケンス超のビデオ収録をしました。
既に7/15の火星と比較して、満月状態を越して逆側が大きく翳って来ているのが分かります。

全部で7画像を選出して掲載します。
最初の6画像は左上から右下へ順に349枚、266枚、289枚、301枚、355枚、312枚のビデオからの
多数枚合成(Registax1.1b+Photoshop7使用)です。
時系列に並んでいますので、火星の日周運動の効果で、画像の右端の欠け際に伸びる腕状の先に、
徐々に子午線湾(アリュンの爪)が見えてきてます。
ヘラス盆地、大シュルチス、子午線湾が揃ったショットはやはり見映えがしますよね。

画像の大きさの差異は主にビデオのズームレンズのズーム比によります。当夜も大きい画像が必ずしも詳細が
写っているという感じではないですね。それよりもその瞬間の気流や透明度の差が大きく影響している訳です。







主観によって優劣は違ってきますが、当夜のベストは私は次の1枚です。
時系列としては最後のほうに撮影しました。318枚合成のものです。
当夜は撮影技術的にも気流的にも安定(低め安定ですが)して、取得/採用フレーム数と各フレーム
の質は割合安定してましたので、いつもながらの物量でもRegistaxでの目検選別はいつもよりラクでした。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)。手持ちコリメート法でのビデオ撮影からの画像です。





私の銀次火星画像の中で最も美しい仕上がりかも知れません。いかがですか?

ネット上の識者様各位の最近の画像を拝見しますともっと詳細が写り込んでいます。
撮影には苦労も多いので、比較して自分の成果が乏しいと思った時期もありましたが、
今は、この絵画調のこの仕上がりも独特で悪くないかなあ、と思ったりします。

でもなぜ絵画調になるのでしょうね?

光学系の解像度が甘いことはないと思っています。眼視の一瞬ではこの撮影結果より更に
詳細が見える瞬間もありました。
ビデオの液晶モニタでも気流の揺らぎが見えるくらいですので、ビデオや望遠鏡のピントの
問題もありません。

室外機や生活廃熱が豊富なベランダ観望と、経緯台での固定撮影で写野中央に火星を固定
できない(周辺部では少し火星が膨れるのを感じます)などの技術要因があるのかも
知れません。

科学写真の価値の論議はさておき、私はこの独特の絵画調火星の仕上がりも悪くないと思える
ようになってきました。
(実は裏でETX-125やNexStar5の比較検討などを進めていたのですが、またビョーキは小康
状態に戻りつつあります。依然、両機とも即納にはほど遠い状況らしいですし、近い将来導入する
にしても火星撮影のためではなく、星雲星野の自動導入がメインの目的になるでしょう。)

あと、最近、Windows液晶ノートPCでこのページなどを見る機会があったのですが、
Windows機はMacintoshやTV、ビデオ、デジカメなどが採用している色空間バランスと
少し違う独自の色空間マップを使っている(PCの世界ではWindowsがスタンダードでしょうが
ビデオやデジカメなど非Windows色空間機器のことも考えるとそのあり方は疑問です。)ために
私が意図した火星画像の階調や濃度よりWindowsでは、濃く汚く映っているようですね。
今回からはそれも意識した仕上がりにしてみました。過去掲載分はまた機会をみつけて補正して
みたいと思います。

外気温が少し下がってきたこの時期になってようやく分かってきたのですが、シーイングが
悪いとか薄雲の影響がひどい、と思う以上に、火星像はベランダのエアコン室外機の影響を
直接に受けているという事実があります。

前夜、やはり薄雲中を撮影強行したのですが、温度順応を済ませて各種セットアップ
を終え、いざビデオの録画ボタンを押し込もうとしたその瞬間に、エアコンが送風モード
から再度冷房にスイッチングしたらしく、火星はその瞬間に2倍以上の火の玉に膨れあがって
ました。夏場は気温も高くずっと冷房モードになっているので室外機の廃熱が急に高温に
なることはないのでしょう。今までこんなに激烈な影響は感じませんでしたので。
で、その前夜はそれからベランダの場所をあちこち変えたりしましたが、回避できず、
また一旦鏡筒内にこもった暖気が逃げず撮影を断念して早々に撤収をしました。

そしてこの夜は室外機の望遠鏡側を傘と扇風機でガードしつつ、あまり影響がひどくなると
扇風機の風を鏡筒筒先から流し込みつつ、エアコンを家族に止めて貰って撮影しました。
(常々あまり天文に理解のない家族ですが、当夜の協力には感謝。)

その撮影風景は一種名人芸みたいな、オモシロ滑稽の世界かもしれません(^^;)。
傘の向きや扇風機の方向をあちこち変えたり、扇風機で鏡筒先から風を流し込んだりしつつ
眼視で火星を眼視野中央少し右に手動導入して、ビデオを接眼鏡に押し当てて、地球の日周運動で
312倍+ビデオズーム拡大の写野に火星が登場するのを写野を探りつつ待ち伏せし、火星が
狭い写野に入ったら気流状態など確認のゆとりもなく録画スタート、気流状態や後処理での
採用可能性はそのままビデオのマイクに、ブツブツささやき声で音声収録する....(^^;)。
ほとんどが「あー録画直前まで気流よかったのに。あーあかん。またモケモケか。」ばっかり。
それを100シーケンス以上繰り返す訳です。大汗かいてね。
どこかのんびり牧歌的な仕上がりの火星像とは裏腹の一人戦場状態です。なんか滑稽ですなー(^^;)(^^;)。

でも、その間だけ、きっと私は遠い昔の小学生時代に6cm屈折経緯台で満足には見えない火星を見ながら
自分をきっと待つ無限の未来の可能性に想いをはせていた頃に戻って、その続きを味わっているのでしょう。

最近ふと、そのことに気づきました。
だから、きっといい歳してもやっぱり惑星、特に多感な時に見た火星にこうまで執着するのです。
人生も秋に入ったからこその執着と考えると、なんか、しみじみ...。


○ 火星そしてM31(2003/09/22。データ化は2003/09/22-23。)


2003/9/20に台風が過ぎました。太平洋岸を通り関西はコースを外れましたが、雲の流れの速さはものすごく、
翌晩2003/09/21には透明度が高い晴れ間も見えましたので、銀次をベランダに出して火星を見ました。
でもまるで早い流れの川の水の上から川底の石を見るように、火星は揺れ、その表面は川の字のような縦線
が火星の上に見えるくらいの早い気流で撮影・観望は断念しました。

翌晩2003/09/22は少しましでしたが、肉眼で見る透明度の高さに比べて、やはり火星は銀次視野で落ち着き
無く暴れていました。でもほんの時々、詳細模様が見えたかなあ、錯覚か?とか思える瞬間もあり、とりあえず
撮影してみました。DCR-PC3の液晶ファインダーで見ると結果はさんざんで、早々に切り上げました。
ましな2例を掲載します。2003/09/18の美しい結果とは比較になりません。
でもまああのビデオ状態からここまでよく出たなあ、という感じもします。

画像が流れているのは手ブレではなく(手ブレフレームは画像選別時にほぼカットしてます)、やはり気流の
強さが見えているということでしょう。
もう夏の透明度は悪いが安定した気流の時期は終わって、急に冬の乱気流が始まってるのでしょうか。

左から順に、目視での104枚選別、147枚選別でのRegistax多数枚合成です。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)。手持ちコリメート法でのビデオ撮影からの画像です。





ベランダ観望とはいえ、透明度の高い久々の夜です。大阪平野の光害はありますが、銀次の8×50mmファインダー
でもM31がなんとか追えました。初めてのDeepSkyです。期待して覗きました。

綿ぼこりのような、接眼鏡の曇みたいな淡い感じでした。小学校時代に高槻の長屋から6cm屈折経緯台で見た記憶
のほうが、もっと見えてました。当時は街灯の脇で見たのですが、今のほうが空が明るいということでしょうね。

でもDCR-PC3を視野のM31に向けてみたら何と写るんですよ!!
「ビデオじゃあどうしても写らないなら何か専用のCCDカメラが必要かなあ、ということを確認しておこう」と
思って試したのですが。勿論できるだけ感度を上げる工夫はしました。露出プリセットは「キャンドル」。これで
シャッタースピード最低速、絞り開放+増感状態になります。さらにSONYの家庭用ビデオカメラ独自の「NightShot」
をON、モードは「2」にします。これでシャッターはさらに遅くなります。勿論、赤外発光部は黒ビニルテープで
塞ぎます。つまりこの画像は超高感度優先にするために赤外像になっているということです。色情報はありません。






こういう対象には機能拡張したRegistax2がいいですね。サチュレーション調整、Wavelet処理のAnti-Ringフィルタ
などは、Photoshopでは調整困難です。星雲の腕などはさすがに写りませんでしたが、昔の眼視での記憶の通りには
写りました。DCR-PC3での手持ちコリメート法撮影、1分露出です。
Registaxがなければこんなこと、想像もできなかったですね。1842枚および1946枚合成です。
低倍率なのでドブソニアンでも多数枚のスタックができます。斜鏡の影が映りこんでますね。

で、これはほんとにM31なのか?とずっと思ってました。
記憶と星図を頼りに見たのですが、25cmドブをもってしても光害下ではこの程度か、と最初見たとき随分落ち込み
ました。25cmでこれなら12cmクラスの自動導入望遠鏡なんか要らないなとか。暗いM33とかを見てるのだったら
いいな、とか思ったり...。でも何度かファインダーで追跡してみましたらどうやらM31のようでした。
「星空観望 掲示板」に画像を掲載してましたら、識者様から神野山遠征時のM31画像の掲載があり、周囲の星の
並びからこれがM31であることが確認できました。
ビデオで写る対象であると確認できてからは、急速に落ち込みは改善して、おもしろくなってきました。
遠征ができれば銀次も12cmクラスの自動導入望遠鏡もやはり有用なんでしょう。

使ったアイピースはLV8-24mmZoomの24mm側でした。52倍。ビデオのズームレンズでの拡大もありますが、
もう少し長い単焦点のアイピースが欲しいところです。もし今後も手持ちビデオで星雲を大まじめに狙うなら、ですが(^^)。


○火星(2003/09/26。データは10/02作成。)


最近、急に寒くなりました。冬の気流のようで火星像が安定しません。
エアコンの室外機排気に悩まされながらも安定していた時期が懐かしいというか、もっと好機に努力して
おけばよかった、と後悔しきりです。

南極冠、すごく小さくなりました。でもまだなんとか残ってますね。眼視ではよく分かりませんでした。

左から順に、目視での108枚選別、173枚選別でのRegistax1多数枚合成です。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)。手持ちコリメート法でのビデオ撮影からの画像です。






○「星空観望掲示板」阪神支部結成(?)と初観望会:手持ちビデオでM57&火星の3鏡筒撮り比べ(2003/09/27。10/02作成。)


「星空観望掲示板」で私が銀次を選定する際に、いろいろアイピース選定などの相談に乗って頂いた夙川在住の
ハンドル名「星のマイケル」さんこと、江川さんと今年の4月末ごろから何度も観望会の予定を調整してました。
ところがその予定日に限って雨天曇天になり延期続きでした。
ようやくこの夜、晴天に恵まれ、決行となりました。私が夜間の山道の運転に自信がないため、大阪の光害をモロに
受ける宝塚市中山の斜面に江川さんに来て頂きました。
(下はベランダからE5000で撮影した光害。当夜ではありません。最初の1枚は曇天なので光害の感じは強調されています。)








光害を少しでも和らげようと住宅内の空き地に入り、光害の光が目に飛び込んでこない場所での設営となりました。
よくこの近所でこんなに光害の影響が少ない場所を江川さんは見つけられたものだ、と感心しました。
でもその土地、もう宅地として売却済みの看板が出てましたので、次の観望会には家が建ってるかも....。

ものすごい強風で銀次の鏡筒が立ち上がる瞬間もありました。私はブルゾンを着てましたが、江川さんは半袖。
お風邪を召さないか心配でした(^^;)。
江川さんはMeadeのLXD55-NS10とVixenのR200SSを笠井トレーディング扱いのGR-3経緯台に、高橋のSKY90を
国際光器扱いのHF経緯台にセットされました。私はいつもの銀次250Dだけです(^^)。







沢山の星雲星団を導入して頂き、名称を忘れましたが、江川さんは「星空観望掲示板」に記録されていました(すごい)。
(それを参考にしまして)M57、M11、M15、M2、M31&M32、M34、M36、M37、M38、hχ、そして火星、土星でした。
久々に透明度がよかったので星雲星団は良く見えました。銀次が他の望遠鏡と遜色なく見えたのは嬉しかったです。

特に印象深かったのは、最初に導入して頂いたM57でした。hχもよかったです。(hχは後日ベランダから自分でも
導入できるようになりました。)

で、また銀次+手持ちビデオで撮ってみました。M57を!
「写るかなあ」と不安でしたが、先日のM31より輪郭のはっきりした天体ですので、思ったよりしっかり液晶モニタ
に出ていました。

勿論本格撮影の画像には比べくもないですが、当夜に江川さんに導入して頂いて初めて見た感動が、私としてはこの画像
に残っていると思ってます。(改めて江川さんに感謝です。)
手持ち1分ちょっと。1512フレームのRegistax2での合成です。Anti-Ring処理などRegistaxは2のほうが、この種の
画像には向いてますね。先日のM31と同じく、DCR-PC3の赤外低照度撮影での撮影です。
倍率が低いので(LV8-24mmの24mm側)ドブ固定でも多数枚のスタックが可能でした。





火星も撮影してみました。
でも強風で鏡筒は振動し、気流大暴れの影響は特に反射式には強く出てました。
なぜ反射式にそれが強く出るのか、が私は今も何となく分かっていませんけれど....。

逆にそんな状況でも屈折は画像処理したような高いコントラストで比較的安定した火星を見せてくれました。
軽量90mmなのに...。銀次の250mmが泣くよな...と思いましたが、そういうものなんだそうです。
MeadeのNS10でも同じような見え方だったので、納得しました。
SKY90もNS10も銀次が2台は買える機種です。負けていても納得のところです。
安定した好条件では差が出るのかも知れません。この夜の透明度、気流では銀次は善戦してました。
価格を考えるとやっぱりものすごくお得で立派な性能の望遠鏡だった、と思い直せる結果が当夜、実は一番
嬉しかったことかもしれません。

各機種での火星画像の比較です。眼視ではSKY90が安定度、階調、解像度全てにダントツでした。
画像でも小さくなった南極冠が一番しっかり出ていますね。
LXD55-NS10と銀次の差は眼視ではあまり私には分かりませんでした。
画像では少し銀次が甘いですかね?撮影した時の気流の差かも知れませんが、2枚とも同じ傾向ですね。
ピントの問題かもしれません。当夜は銀次が強風で起きあがるほどで、できるだけじっくり調整はしたものの
合焦が完全だったかと言われれば、その度合いは怪しいかも知れません。

強風で鏡筒が揺れるため、いつものような高倍率での撮影はできませんでした。
そのため合成枚数は多く稼げているものもあります。気流が暴れて捨てるコマが増えれば別ですが、倍率が
低い分、地球の日周運動で写野から火星が消えるまで時間がかかるからです。

同じ銀次で今までもっと詳細な画像が撮影できていたのは、この頁や他の今までの頁でも明らかで、
それゆえ銀次も好条件ではもっとよく撮れる・見える/他の2機種も同様に好条件ではもっとよく見える・
撮れる、となると結局、1夜では機種間との差異が明確にできていない、とも言えます。

逆に言えばそのことは、どの望遠鏡は買ったら明らかに損だった、というような差は実はそれほどないという
ことを明快に示しているとも言えます。
まあ当夜の印象を主観だけで語るなら「小型軽量なのにしっかり見える。でも高価。」が「安価だが重い。
でも結構見える。」を少し上回っているという感じでした。
人によって重視するファクタとふところ事情は違いますから、「価格差なりの性能差がある」と見る方も、
「価格差ほどの性能差はない」と見る方も両方おられることでしょう。

ただ惑星に限れば、屈折なら小口径でも、しっかり高コントラストで模様を眼視・撮影できるのは事実です。
遙か昔、無名メーカの60mm屈折経緯台で1971年の火星大接近を見た記憶でも、見える日には結構見えたという
印象だったのとも符合する訳でした。


・高橋SKY90 (538枚、379枚、407枚合成:比較のため天頂プリズム撮影でも倒立像に直しました。)





・Meade LXD55-NS10 (188枚、420枚合成)




・銀次250D (101枚、255枚合成)





あら?そういえばR200SSで撮影しなかったな。眼視では火星見たのだっけ...。銀次を購入する際に最後まで
比較競合していた機種なので、興味があった筈だったのに....(^^;)。



○その後の火星.....オリンパス山は結局??(2003/09/28-10/08。データ作成は2003/10/12。)


その後も晴天が続きました。風は少しましにはなりましたが、以前のような高温の日々は嘘のようになくなり、
安定した気流の夜もありませんでした。また火星の出現・南中時刻が早まり、仕事から帰ってきた時点でももう
火星がベランダの屋根にかかっていることも多く、撮影のための有効時間は日に日に少なくなって行きました。
夜半過ぎに廊下側に出して撮影すればいいのでしょうが、マンションのような集合住宅ではやはり気がひけます。

そうは言っても、もう今月が詳細模様を手持ちビデオと固定撮影でゲットできる最後かなあ、と思うと夏の最接近
のときにもっとがんばっておくべきだったかと悔やまれます。まだオリンパス(オリュンポス)山、撮れてないん
ですよねー....心残りです。2年2ヶ月後の中接近時には望めないかも...。

以下、接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)。手持ちコリメート法でのビデオ撮影からの画像です。
まずは、2003/09/28分。左から順に、目視での229枚選別、289枚選別でのRegistax1多数枚合成です。





次は2003/10/01分。目視での213枚選別でのRegistax1多数枚合成です。





次は2003/10/02分。まず、左から目視での158枚、200枚選別でのRegistax1多数枚合成です。





次の2枚ですが、火星像、左下の輪郭線上に太陽系最大の火山、オリンパス(オリュンポス)山[標高25000m]が
ある筈なんです。(勿論、上の2枚にもある筈ですが検出はできませんでした。)
このところ、撮りだめして後処理を今日(2003/10/12夜)までできなかったのですが、処理してみますと意外とどうやら....。
同じデータで、彩度、コントラスト等を強調した画像も下に並べてみます。それとおぼしき場所に矢印を添えました。
気のせいかなー。小さくなった南極冠と同じ程度の輝度の白斑があるような、ないような....。

同じムービーデータからの114枚選別と、もう少し目視選抜が甘い202枚選別で様子を比較しましたが、
何か見えます。本当に輪郭線上ぎりぎりのところにある筈なんです....んーやっぱり錯覚かな???
特に左は私のiBookでは何とか見えています。色空間の異なったWindowsPCの画面でも見えますでしょうか...。
(追記:後日、WindowsノートPCでこの頁を見てみましたが、うーん。ほとんどでっち上げに近いほど淡くて
怪しいですね。Macintoshでは実在感のある色相差に見えるのですが...。)

それはさておき、この悪条件下で最近、なかなかよい火星像を得られませんでしたが、次の2枚の左側は
なかなかうまく撮れたと思います。(それだけに予想位置に写っていて欲しいとも思えますが...。)








本日を含めたこの3連休に最後の撮影のチャンスかと思ってましたが、天候がよくなく断念してました。
真偽は私自身疑わしいと思っていますが、恐らくこれが今年の火星超接近でのオリンパス山を捉えた私なりのベストになる
のではないか、と思います。悪条件の気流下、ドブソニアン固定、手持ちビデオでのコリメート法撮影、まあそれを
考えて、私はまあオッケーとします。2年2ヶ月後の中接近では、撮れるほどの距離になるか分かりません。
それゆえ今年、結局取り逃がしたなら、夏の好機にもっと精進すべきだったと大いに悔いが残った訳ですが、
でもまあこれで満足することにします。


次は2003/10/08分。まず、左から目視での107枚、297枚選別でのRegistax1多数枚合成です。
解像度は2003/10/02分が一番まともですね。この夜はもうあんまり画像がしっかりしてません。
眼視でも模様は揺らぎにかき消されていました。でも思ったより南極冠はしっかり出てますね。
ほんとは真正面やや下方にオリンパス山がある筈なんですが、それどころか以前は目玉状に詳細が写った
太陽湖(火星像左上にある筈)さえ、おぼろげにしか検出できていません。





すでに火星も小さくなり、最盛期のように詳細模様が叩き出せなくなって来ました。もっと小さい仕上がりにしたほうが
にじみも少ないかも知れませんね。気流の問題以上に火星自体の大きさが小さくなってしまったということです。

今シーズンの火星超接近、おおよそこのあたりで集中撮影は一段落を向かえることになるのかと思います。
ドブソニアン経緯台での撮影ということでの重量バランスを考えた、WebCamでなく家庭用ビデオを用いた手持ち
コリメート法撮影での奮闘、お楽しみ頂けたでしょうか(^^)?

私の掲示板や天文掲示板での多くのはげまし、技術情報の提供、誠にありがとうございました。
この節目において、改めて御礼申し上げます。

さて、去って行った火星を惜しむ間もなく、土星のシーズンです。今まで1度しかトライしてません(「銀次の部屋7」参照。)
木星ももうじきです。どちらも先シーズンが技術習得段階のうちに終わってしまい、満足な仕上がりを得ていません。
なので、やはりまずはこの銀次250Dで再び迎え撃つのが正しいですね。サブ望遠鏡は星雲星団探訪の道具として
またゆっくり考えたいと思います。納期もまだ即納ではないらしく、また欲しい病は火星が去るのと共に小康状態です(^^;)。


○追記:嬉しいお便り(^^)。(2003/10/13)


「掲示板のコーナー」でいろいろな情報を戴いているハンドル名じゃみろさんこと東京都国分寺市の中村様から
嬉しいメールを戴きました。中村様はjazzyotokoのハンドル名で天体画像をネット公開されている方で、私と同じく
ドブソニアン固定撮影での惑星撮影を頑張っておられる方です。
メールは上記の2003/10/08分の左側画像にも、オリンパス山が写っているとの内容でした。
ソフトツールでの予報位置に完全に合致する場所にそのご指摘があります。私のiBookでははっきり判明しません
でしたが、きっとWindowsPCでは判別できるのでしょう。わざわざ画像をメール添付で送って頂きありがとう
ございます(^^)/。
添付画像に書き込んで戴いた、位置を示す線はそのままに、手書きして戴いた文字だけフォントに置きかえまして
掲載します。(手書き文字も味がありましたので、そのまま掲載するのもいいかな、と思いましたが。^^)

皆様はどう見えますか?確かに輪染みのような輪郭線があるようです。2003/10/02の画像強調処理による白斑としての
叩き出し結果よりもリアルかも知れません。そちらの画像は火星の周辺部なので、色相差で検出するしかなかった訳です。
輪郭は周辺部では曖昧になりますから。この夜の画像は太陽湖もはっきりしなかったので私は最初から検出をあきらめてました。
ご指摘頂きまして撮影した甲斐はとてもありました。ありがとうございました。いやー何だか楽しいですねー(^^)/。






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