--- 直リンクでのご来訪の方々も居られますので、以後カウンタを本コーナー各頁にも。


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○2週間ぶりの火星(2003/08/05夜。データ化は2003/08/09。)


前のページの2003/07/21の夜以降、風邪の症状のない夏風邪なのか、まだ暑くなかったのにもう夏バテ
だったのか、どうも不思議な感じの疲労と消化器系のひどい不順で重い銀次をベランダまで運んで撮影する
気力が至りませんでした。模様も今ひとつ地味な地方が見えている期間でもありましたので。

しかしその間にも本HPのアクセスカウンタは500近くアップしてました。つい先日5000を超えて
驚いていましたら、もう5000台後半に至ってました。アクセスありがとうございました。
更新のご期待に添えませんで大変申し訳ありませんでしたが、また体調復帰しましたので再開致します。
もう最接近日は今月後半です。観測好機どっぷりですからね。模様だの地方だの言ってる場合じゃないですね。






前ページ冒頭の2003/07/02とほぼ同じ地方が写ってます。子午線湾からオーロラ湾あたりですね。
でも違いは火星の形です。もうほぼ満月状態で太陽からみて地球と火星がそれぞれ軌道の同じ位相に揃って
来ているということで、最接近日が近いことがわかります。南極冠も小さくなって季節の経過を感じます。

左上から右下に順に、目視での175枚選別、257枚選別、310枚選別、408枚でのRegistax多数枚合成です。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)、火星像の大きさの差はビデオカメラのズームレンズの拡大率の差です。
ビデオカメラは毎度同様、ドブソニアン経緯台の重量バランスを配慮しての手持ちコリメート法での撮影です。

今回は模様が少ししっかり出ていません。これは気流のせいです。
線香花火(松葉ボタン)の後半の芯の状態みたいに火星の輪郭は暴れてました。眼視でも模様は薄く撮影結果に
期待は持てそうにないかも、と想いながらできるだけ多くのフレーム記録を心がけました。
ドブソニアン経緯台での手持ち撮影下で視野ケラレを極力減らして、これだけの合成枚数をかせぐのは
結構骨が折れます。

でもほんと、慣れてきました。ビデオのズームを含めた拡大倍率を考えると本来、手持ち撮影が可能なのが
不思議なくらいですが、日周運動で火星が視野を流れていく1シーケンスあたり300以上のフレームがケラレ
やブレもなく採用できるようになって来ている訳です。
その一方、画像の精度については、進歩は止まってきているようです。
(それはやがて後々、下のほうで詳しく触れることになります。)


○翌日の火星(2003/08/06夜。データ化は2003/08/09。)


翌日の夜も晴れていました。また撮りました。両日ともビデオでの火星撮影は既に2003/07/02で、よい
撮影ができている地方だったので、メインの目的ではなく、ToUCamを経緯台と高倍率でもやっぱり
試してみたかったのですが、やっぱりうまく行きませんでした。
ビデオ撮影10分。ToUCam50分といった感じで翌朝の仕事を気にしながらの作業でしたが、ToUCam
に関しては、いまだ公開できる成果はなしです。

まず月がいないので間接撮影のピント合わせが大変です。まずピント位置が眼視と全然違うのとToUCamの
輝度設定がまだまだしっかりしてないために、視野導入しても画面は真っ暗みたいな状態から始めないと
いけません。遠くの大阪平野の夜景でおおよそのピント出しをして、それから輝度を最大(ノイズもたっぷり)
にして、ファインダーで火星を導入して、あとはカンで鏡筒を少し左右に振って火星を捉えるものの、
ベストシーイングの見極めどころの余裕はなく、視野導入してキャプチャスタート(確認動作があり2動作必要)
した瞬間には、もう火星はほとんど視野から消えてます。

またToUCamの撮り込みソフトのモニタ輝度が明るすぎるのか、せっかくそうやって取得したデータを後で
確認したら、模様も輪郭もはっきりしないほど、輝度が低く使えませんでした。
やっぱりそのあたりの確認もできるには赤道儀が必要ですね。でももう現時点では、気になっていたMeadeの
ETX-125ECJや105ECJは在庫切れらしく、入荷は9月以降だそうです。まあ9月でも全然まだまだ間に合う
訳ですが、「趣味のローンも満杯なのに、もう借金してでも買う!」という勢いは消えました。
却ってよかったかも?今年は銀次とビデオで火星を見送ることにしました。

もう何度か同じことを書いてますけどね。だってネット上ではToUCamによる、従来の口径クラスの概念で
理解不能なほど、ものすごく素晴らしい惑星写真が最近増えてきましたので、どうしても私もチャレンジ
したくなってしまう訳です。ToUCam持ってますしね。改造も大変でしたし愛着はあります。
また2年後の中大接近には、小遣い貯めてETXシリーズ(重いのは銀次で充分です)とToUCamで
迎えたいと思います。





これらは昨夜同様ビデオからの画像です。ToUCamではありません。
左から順に、目視での46枚選別、256枚選別でのRegistax多数枚合成です。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)、火星像の大きさの差はビデオカメラのズームレンズの拡大率の差で
手持ちコリメート法での撮影です。気流状態は前日より更に悪く、画像としては以前のものよりかなり
悪いですね。ちょっとがっかりです。
一晩明け方まで待ってたら気流のよい瞬間もあるだろう、という見方もありますが、翌日に仕事がある夜は、
なかなかそこまで徹底できるものじゃあないですね。ベランダの影に隠れてしまうということもあります。
機動性のあるETXシリーズなら...また言ってますね(^^;)。

昨日の写真もそうですが、北極あたりが明るいです。以前にもそう思ったときには、まだ北極冠形成の話は
どこにも報告はなかったです。今回もそうですかね。南極冠も小さくなってきましたね。
画像処理のアヤとはちょっと違う感じもします。アイピースとビデオレンズの色収差かも知れませんが。

翌日も晴れました。ToUCamをテストしたく銀次を温度順応させて、ベランダ手すり以上に火星が上がってくるのを
待ちましたが、それまで快晴だったにもかかわらず、ベランダ手すりの高さにあがった瞬間から帯状の雲が火星の
高さをキープして流れて行き、後から後からその高さだけ雲がどんどん西から補充されて行きました。
台風も近づいており(結局それはめずらしく京阪神直撃コースでやってきました。)、翌朝の仕事を気にしながら
1時間ほど待ちましたが、その火星だけ目隠し帯状態はかわらずその夜は断念しました。


○追記[2003/08/10早朝追記]


上記、2夜分の画像ですが、当初、RegistaxではスタックとWavelet処理だけを行い、トーンカーブ処理などは
iBookのPhotoshopに持って来てまとめてやったものを掲載してました。
が、今ひとつ模様がいつもより鮮明でないのが気流のせいだけなのか、Registaxに戻って、コントラスト調整
とトーンカーブ処理をしながら並行にWavelet処理を調整してみました。(それがいつものやり方でした。)
結果はもう少しましになったようにも思えたので、後日上記を差し替えました。

まあ気流の影響は否めませんので、劇的な改善が6枚全部にある訳ではありませんでしたが、Wavelet処理は
トーンカーブ処理やコントラスト調整と並行に行うのが一つの勘所のようです。
相補し合って細かい模様をたたき出すという感じなのかも知れません。
Registaxは保存しておいたプロジェクトファイルの再呼び出しで作業を再開できるのでこういう場合に便利です。



○今シーズン初の土星(2003/08/10早朝。データ作成は2003/08/12。)


上記の追記を書いてネットにアップして、寝ようと思ったらようやく台風一過の晴天になってました。
4時前あたりです。火星は既にベランダの影に入ってしまってましたが、東の空に冬の星座と一緒に土星が
あがって来てました。(写真は薄明の様子。土星撮影強行終了時の手持ち撮影で土星は写ってませんが。)





どうしようか迷っているうちに東の空の薄明が始まってしまって、ベランダの手すりの上の高さに土星があがる
のを待っているゆとりはないと判断し、家族が実家に戻っていることもあって、それからドタバタと銀次をベランダに
出しました。外気温順応をするゆとりもなく、ベランダの縁台におチビの銀次を無理矢理乗せて、撮影を強行しました。

がっしりと地面に設置した銀次の架台は、マウントのテフロン部のネバリや抵抗による揺り戻しもなく非常にスムーズに
動きますが、このような縁台の上のフラフラでは、事情が全く変わってしまい、揺り戻し大会状態でした。
逆にちょっと力を余分に入れるととんでもない向きに筒先が動いてしまいます。視野導入だけでとても骨が折れました。

後で考えたんですが、これは銀次の架台が悪いのではなく、きっと縁台がネジレと揺り戻しをするのが銀次の動きとして
増幅される訳です。でもこれをしないとこの日はベランダの手すり以上に土星が昇る前に薄明で土星が消えてました。





左から順に、目視での90枚選別、40枚選別でのRegistax多数枚合成です。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)。手持ちコリメート法での撮影です。

外気温順応もしなかったですが、外気流も筒内気流もとても安定しており、もっと高解像を得られるかと期待
しましたが、土星が縁台の揺れでフラフラした状態では、なかなか連続して良好のフレームを得ることが
できなかったようです。眼視ではカッシニ空隙は全周くっきり、本体の縞模様もかなり安定して見えましたが、
画像としてはそのあたりがはっきりせず今ひとつですね。
個々に見ると悪くないのですが、こう並べてみると輪の若干歪んだ感じもまちまちで、コマ数をかせぐことと
不良フレームの破棄の二律背反の検討は、もう少し試行錯誤の価値がありそうです。

かなり眼視の印象からは画像は悪いです。火星はその逆でしたが。
今年の春に銀次が到着した時点では、土星のシーズンは過ぎつつあり、観望や撮影を満足にできなかったので
性能確認の意味でちょっと安心しました。

今回はそろそろネット上の各観測者様のサイトでも報告のあった「今シーズン初土星」を私もトライしてみました、
ということで、またしっかり観望シーズンに土星は狙ってみたいと思います。


○火星(2003/08/19-21。データ作成は2003/08/22-23。)


本当は先週、8/11-8/17の週が、東向きベランダから観望・撮影できる時間帯(23:00-01:00)に大シュルチスや
ヘラス盆地、子午線湾などが見える大接近前の最後の好機だったのですが、台風やその後の荒天など天候に恵まれず
結局この週になりました。
観測時間帯にまだ大シュルチスとヘラス盆地は見えてます。深夜にマンションの廊下側に回れば、子午線湾も
火星の日周運動のおかげで見える筈ですが、深夜に廊下側に銀次を運び出すのは断念しました。
(マンションの管理組合の副理事長として生活騒音の低減などを指導させて頂いたりする立場でもありまして...。)

まずは、2003/08/19の夜の火星です。
ヘラス盆地、大シュルチス、チュレニー海、キンメリア人の海が見えてます。
今回一連の撮影では先日のようにキンメリア人の海の爪構造は分離できていません。
(左上と右下ではぼんやり判別できるような、できないような...まあ気のせい程度ですが。)
左上から右下に順に、目視での305枚選別、226枚選別、261枚選別、310枚選別でのRegistax多数枚合成です。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)。手持ちコリメート法でのビデオ撮影からの画像です。






それぞれは時系列に並んでます。徐々に子午線湾に至る腕の部分が火星の日周運動のせいで見えて来てますね。
大きさの違いはビデオのズーム倍率の違いです。左下またはサイズが小さいですが左上が今回のベストです。

恐らく先日の2003/07/15の真ん中の火星像を超えて、私のベスト火星像の記録を更新したのではないかと思います。
ただ、天文掲示板での最近の識者様の写真に比べると、解像度の点で見劣りします。
私の掲示板コーナーには「何が凄いってやっぱりGINJIで撮影しているところですよね。」と感想を頂けることもあり、
とても光栄に感じますが、科学記録としての価値を考えると「やはり25cm口径でもドブソニアン固定撮影では、この精度
止まりか」と自分でつい思ってしまうのは、最近とても残念です。

また愚痴になりますが(^^;)、赤道儀だと視野中心に火星をキープでき、シーイングがよくなった瞬間に録画を集中したり
できるのでしょうから、収録データにあまりハズレはないんでしょうね。
ドブソニアン経緯台固定での高倍率撮影では、火星が視野から流れて行きますので、まずは視野に残っている間に
とにかく撮影をして後日膨大なデータの中からヒットしたフレームを積み上げる作業が必須となります。

今回も2003/08/19-21の3夜で、およそ500フレーム(312倍+ビデオズームでは15秒弱で写野から火星は逃げます)
程度の1シーケンス撮影を100シーケンス以上撮影してます。
それをまずiMac/400(家内がWindowsを使い出して、誰も使わなくなったものでビデオ取り込み専用機になりました)
のiMovieでデータ化して、ブレや薄雲などであまりに詳細が見えないムービーはその時点でMOV化をあきらめます。
結局、約50シーケンスほどを選抜してMOV化した後、Windowsで読めるように一旦MoviePlayer2.0で読み込んで
Windows互換のMOVに再変換します。
それをUSBスティックメモリ経由でWindowsノート機に持って行き、RadTool.exeで音声データのカットと輝度調整の上
AVIに再変換します。
それをようやくRegistaxにかける訳です。そうやって選別したデータですが、手持ちのブレや突然のシーイング劣化による
不明瞭フレームはまだたくさんあり、各50シーケンスの各1つ1つの500フレームから目検で排除しないといけない
フレームは1シーケンスあたりでも200-300にもなります。
まずは全フレームで処理して、脈がありそうなデータは更に不良フレームを排除して精度を上げるという作業です。
結果、およそ30シーケンスぐらいが不良フレーム排除、Wavelet処理、トーンカーブ調整など最後の調整まで残ります。
その調整にもパラメタの試行錯誤があり、生成されるBMPデータは約50枚程度になります。

その後、再度USBスティックメモリ経由でiBook/600のフル仕様版Photoshopに、その生成BMP約50枚を持っていき、
まずレベル調整でにじみやネムさをカットし、再度トーンカーブ処理やサイズ・解像度調整をして最後にアンシャープマスク
処理をします。あまりに眼視と色彩の印象が違う場合、彩度と色相や明るさ・コントラストなどの調整も行います。
最後にそうして30シーケンス分(50枚のBMP)から後処理で試行錯誤と絞り込み選抜をした約30枚くらいのJPEG画像群を生成し、
あとは美人オーディションのように(?)、最終的な採用画像を数枚にまで絞り込んで行きます。

最終的に残った画像にどうしても不満がある場合は、その当該データに関して再度RadToolsでの輝度調整の段階に戻って
一から処理をやり直したりRegistaxでのフレーム選別に戻って再処理することも多々あります。
特に最近は他の識者様の同口径クラスや半分以下の口径クラスでのToUcamやWebcamでの圧倒画像のあまりに精細な
画像に私の目も自然に肥えてしまい、この「脈アリデータを対象にした一からのやり直し」の頻度は増えました。

こう振り返ってみると、作業量はものすごい量に昇ります。でも結果にはだんだん満足がいかなくなって来ました(泣)。

きっと今の機材では性能限界まで追求できているのでしょう。ですが最近のネット上での識者様の火星画像の高精度化を
見るにつけ、「20cm超級ではここまでの画像が残せる筈なのだ」とか「10.5cmなのにここまで素晴らしく詳細が記録
できるのだ」と思うと、自分の画像精度もわずかながらでも向上しているにも関わらず、何だか情けない気分も
芽生えてきて、特に仕事で疲れた夜は銀次の26kgが、例え自室からベランダまでの距離でも身に染みます(^^;)。

また上記のような作業量で最終的に採用する画像を決めますので、ネット上の識者様各位のようになかなか「今夜の
撮って出し」的速報を公開するには至りません。
撮影時に精度の見極めをしながら安定して撮影できれば、もう少し作業は効率的になれるのですが....。

長い愚痴ですなー。しかも何度か似たようなことを言ってますな(ほとんど老人の繰り言^^;)。
でも銀次、価格は8万円そこそこです。その分上記のような根気と体力勝負は不可避ですが、がんばってると思いますよ。
あ、私がではなく、銀次が、です(^^)/。

次は翌日2003/08/20の火星です。
火星は25時間弱で自転してますので、若干前日より同時刻でも見える模様がズレている訳です。
逆回りだったら、私が写したい構図になるのですが....。
左から順に、目視での159枚選別、91枚選別でのRegistax多数枚合成です。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)。手持ちコリメート法でのビデオ撮影からの画像です。





今回更新の最後は2003/08/21の火星です。
更に私の見たい地方の中心は裏面との境界線あたりに追いやられました。先週晴れていればなあ...。
仕事の都合やご近所迷惑を考えると深夜にがんばるということはなかなかできません。
キンメリア人の海の爪構造はやはり分離できていません。
まるで少しピンボケのようで不満が残ります。大気のゆらぎは相当なもので撮影時のビデオの液晶モニターでも火星の
輪郭のアバレは確認できてましたので、逆に言えばピントはばっちりだったと言えるでしょう。

光軸がズレて来てる?と思い、一応チェックをしましたが焦点内外像は同心円をキープしてました。
気流のせいだということでしょう。急激に夏の暑さが戻ってきてマンションの壁面を昇る上昇気流、水蒸気、エアコンの
室外機の排熱など、観望・撮影の大敵はいくらでもあります。やっぱり銀次を外に出さないといい写真は無理ですかな...。

左から順に、目視での289枚選別、279枚選別でのRegistax多数枚合成です。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)。手持ちコリメート法でのビデオ撮影からの画像です。
しかし、毎度ながら各コマの選別枚数が安定しません。まちまちです。
いかにシーケンスごとに手ブレやシーイング悪化によるフレームの発生がランダムで、その排除に私が悩んでいるかが
数字になって出ているようです(^^;)。
模様が薄かったせいかトーンカーブ処理を強めにしたために輪郭が少し際だち過ぎましたか。ジャガイモみたいですね。
(後日、再処理して、少し効果が弱めの画像に差し替えました。)





北極(画像は倒立像なので最下部)あたりがやはり処理の加減か白いです。極冠生成の報告はまだ聞いてませんので、
画像処理の副産物なんでしょうね....。

考えてみれば、火星面で反射した太陽の光子(光の粒子または波)が、超大接近とはいえ数千万kmの距離を旅して、
地上で消える直前の1m程度のところで私の銀次250の筒中に飛び込み、私が手持ちで接眼鏡に押し当てているビデオの
CCDにそれが記録される....。なんか壮大なロマンみたいですね。
そしてCCD経由で磁気記録上に残った微量の光子をたくさんの記録枚数かき集めて重ね合わせると、おぼろげだった
光子たちがまた生き生きと輝き出す。

そんな作業をこれまた台湾からはるばる東京経由で私のところにやってきた銀次250の力を借りて行ってる訳ですよね。
画像の出来不出来で不本意な気分になるなんて、本来そぐわない素晴らしい体験である筈なんですね......。

Registaxは2.0Beta(Free)版が先日出ました。使ってみましたが、Wavelet処理のプレビューが1.1のほうが処理のイメージが
つかみやすく、また後処理に結局Photoshopを私は使いますので、当面、火星にはRegistax1.1Beta(Free)版を使います。
火星の低コントラストの模様をたたき出すには、私は1.1が向いていると思いました。

一方、コントラストがはっきりしている土星には、2.0がいいと思えました。先日のデータでラフに検証してみましたが
1.1の処理結果よりシャープな結果を得ています。それについては近日画像を掲載します。

このページの冒頭でアクセス件数があっという間に5000台後半と書きましたが、もう現在6000を超えてます。
ありがとうございます。上記事情で頻繁に更新できずにごめんなさい。これからもどうぞ宜しくお願いします。
(音楽作品関連のコーナーもぜひご覧下さいね。こっちも全然、更新してませんけど^^;)


○ついに火星超大接近日....でも....。(2003/08/27)


先日来、天候がよくありませんでした。特に超大接近日だけが特別に大きい訳ではありませんでしたので、
最接近日前後や当日に天気が悪くても、それほど気にしてませんでした。
が、やはり明日からは遠ざかる一方で、今夜がその転換日だと思うと惜しくなり、雲間からちらっと火星が
見えたわずかな時間、火星を見ました。写真、ビデオで記録する時間はありませんでした。

それからも晴れても肝心の観望可能時間帯に火星の回りだけ雲がからむか、雲だらけの日が続き、そのうち
ネット上で公開される圧倒的に立派な火星写真を拝見するだけの毎日が続きました。


○火星が月に接近(2003/09/09。データ作成は2003/09/09-10。)


最接近日を過ぎて、もうニュースでは火星の話題もないかなあ、と思っていると、その夜、月と火星が見かけ上
接近するということで、最接近日よりもニュースが盛り上がってました。実況もやり易いのでしょうね。
ベランダでも時々歓声があがってました。
夕方まではその日、めずらしく抜けるような青空でしたが(記憶ではそんな快晴は今年無かったような?)、
また観測可能時刻帯になるにつれて、薄い雲がからんで来ました。

火星と月が望遠鏡の同一視野内に見えるだろうという特別な事情がなければ、この天候ではまず重い銀次を
ベランダまで運ばなかったかもしれません。
どうせ苦労多く撮影してもネット上の識者様各位の圧倒画像と比較にもならないしなあ、とか思うと最近尚更、
そんな気分で居ます。

まあそれでも気をとりなおして、火星の模様詳細は雲で潰れるかも知れないので、月と火星のランデブーだけ
でも銀次とE5000で撮っておこうと思いました。
接眼鏡はVixen LV8-24mm(24mm位置:52倍)。手持ちコリメート法での撮影です。
下の画像は解像度調整前の別の原画像をトリミングすることで部分拡大に見せたものです。
望遠鏡での撮影なので倒立像です。撮影した時刻において、実際は月の右下に火星は見えました。







これでは目で見た感じがわかりませんので、銀次の8×50mmファインダーとE5000でコリメート撮影したものも添えます。
目で見た感じを見せるために銀次のファインダーも倒立像ですが、ここは画像を天地ひっくり返して正立像にして
みました。





うーん。これでも見た感じは出ませんね。
単なる風景写真ですが、添えます。左下に部分拡大があり、雲間から上がってきた月の横に火星があります。
これは早い時間帯の撮影なので、まだ月が火星を東に追い越してませんね。なので火星は月の左下にあります。
左の雲が光ってるのはこの入道雲の中で雷が鳴っていたからでした。
うちのベランダからみた大阪平野の夜景半分、伊丹空港から飛び立つ飛行機の直線の光跡、その雷雲、その上に
顔を出したランデブー中の月と火星。なかなか贅沢なショットです。
(いかに天体観測向きでないベランダか、ということも分かりますね。遠くに生駒がかすんでます。
その雷雲ではっきりは見えませんが。)





これで撮影を終えようと思ったのですが、雲間にもかかわらず、案外火星の模様も見えるではないですか。
ひどい瞬間には火星の輪郭も怪しかったですが、一瞬、オーロラ湾、太陽湖(ソリス・ラクス)の詳細がふっと
見えて結局、ビデオでの記録もしました。
経緯台固定撮影ではベストの瞬間だけを選択収録するゆとりはありません。とにかく写野に火星がある間に
ビデオを回さないといけません。結果、一瞬のすごい解像の瞬間も膨大な悪い瞬間と一緒に記録することに
なり、後でビデオデータをつぎはぎしても、その一瞬のものすごい解像を記録として残すことはできませんでした。

この夜はビデオ+Registaxの下記成果より眼視での一瞬のほうが、よく見えました。

左上、右上、下へと順に、目視での273枚選別、105枚選別、267枚選別でのRegistax1.1(Beta)多数枚合成です。
今回はRegistax2.0(Beta)でも並行作業しましたが、セーブした画像の色パレットがPhotoshopでは
再現せず、結局、1.1(Beta)版でやり直しました。PCハードの問題かもしれません。
接眼鏡はVixen LV4mm(312倍)。手持ちコリメート法でのビデオ撮影からの画像です。






今年はソリス・ラクスの目玉状模様が妙に目立ちませんか?上記画像では火星の右半分に見えてます。
本当に目玉のように見えます。大シュルチス、ヘラス盆地より興味深い感じがします。

後日、天文ガイド2003/10月号で記事を読みましたら、目立つどころか薄くなっているそうです。
私が目立つと思ったのは、遙か昔、6cm屈折経緯台でほとんど何も模様が見えなかった時代からの
印象でしょうか。また「カエル」と評される方が何をおっしゃっているのかも、初めてその天文ガイド
記事を見て分かりました。高精細に撮影するとソリス湖の「目玉」は、その周辺部を含めて、カエルが
張り付いて干からびたように見えます。


(このページは長すぎたので、ここで改ページするように改訂しました。)


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