このコーナーは「紀元前55537年以来の超接近」という超絶好条件の火星大接近にむけて、30年ぶりに望遠鏡を
導入した顛末記を、他コーナー同様の雑文でまとめたコーナーです。以下、時系列に下方に展開して行きたいと思います。
天文マニアでないと読み進むのが(くどくて)つらいかもしれません(マニアにもくどい?)。

※2003/11/08追記:火星超接近も一段落した後、切望していたサブ機、Nexstar5が我が家にやってきました。
 その顛末は「銀次の部屋10」以降でどうぞ!下記の2003/11/08以降のページがそれに該当します。

※2004/06/22追記:続いて、Nexstar8iが我が家にやってきました。
 その顛末は「銀次の部屋18」以降でどうぞ!下記の2004/06/19以降のページがそれに該当します。

※2004/12/29追記:2005/01以降は「銀次の部屋II」以降の各コーナーで。


--- 直リンクでのご来訪の方々も居られますので、以後カウンタを本コーナー各頁にも。


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○待ちに待った「銀次」到着!!(2003/04/13朝)

2003/03/14発注から丸1ヶ月、ついに大口径25cmの反射望遠鏡「GINJI-250D」が到着しました!
著名な東京の笠井トレーディング社扱いの台湾新竹市GS社製「GS-880」です。
本来、在庫があれば即納品の商品だと聞きましたが、間の悪いことでは誰にも負けない
私のことです。納期打診の電話では「2日前に最後の在庫が出て行ってしまいました。
3月中の配送は無理だと思います。」とのことでした。
で、4月に入ってから何度かご多忙の笠井社長に電話フォロー致しましたが、なかなか
製造元から国内に到着しないようでした。笠井トレーディング社に届いてからは、その週末に
発送いただくという迅速対応で、ついに念願のブツが届いた次第です。

国内の光学メーカの製品では、このクラスの大口径望遠鏡には、それに見合う超高価
な赤道儀が付属していて、価格もこの製品と比較にならない高額となります。
惑星を眺めたり、撮影したり、星雲のあちこちを眺めたりするなら、このようなドブソニアン
経緯台式の望遠鏡が便利です。うちのベランダからは北極星も見えませんので、
赤道儀での自動追尾の設定も大変でしょうし。
(実は機種選定の際には、星雲写真の可能性についても欲張っていたので、20cm反射
赤道儀との二者択一にものすごく揺れましたが....。)

国内でもこういう製品を作ればもっと星見は普及するのに。本当に割り切りのよい製品です。

ちなみにこの製品は笠井トレーディング社の専売品で、よその望遠鏡量販店にある
「GS-880」はこの製品の中国コピー商品だそうです。中国は欧米や日本の製品のコピーを
作るだけでなく台湾製品のコピーも作ってしまうそうです。機種選択で相談に乗って戴いた
掲示板上で笠井社長からじきじきのコメントを戴きました。
どうりで既に使っていらっしゃるユーザでも評価が2つに分かれると思いました。

笠井トレーディング社から本機を購入されたユーザ様のホームページでは「求めていた
画像はこれだった(かも)」と他の超高価な機種も保有の方なのに激ホメ!でした。
一方「通販で○○社から買いました。笠井トレーディング社の銀次と同じものです」と
説明されているユーザ様のホームページでは、結局、鏡面の精度がご不満で、主鏡を
別業者で再研磨してもらって「更に見えるようになった」とのイマイチな評価でしたから。
(どちらも個人ホームページですのでURLは公開記載しませんが、googleから「銀次」
と入力して検索したら容易に検索が可能です。)

○開梱と組み立て(2003/04/13朝)

おりしも中国、香港、台湾などでは新型肺炎SARSが猛威をふるっている最中(ほんとに
間が悪いな)、光学系の梱包箱は笠井トレーディング社で検品されて一度開封されているものの
架台の梱包箱はどうやら未開封のようでしたので、ベランダで開封して(全くの気休め^^;)
組み立てました。

設計図では台座の下板は三角のようですが(以前、参考にさせて戴いたユーザ様の
ホームページでもそうでした)、届いた製品は真円形状でした。
また、架台前面の取っ手はなくなって、架台側板にくりぬきが設けられるようになり
ました。(ちょっとこの部分の表面貼りこみ仕上げが雑で今にもはがれそう。)

   
   架台の底は真円       図面上では丸三角      ただ今組み立て中    ほぼ完成。あら接眼鏡立ての取付穴は?

  
 ギャー!側板が裏向け!   ほぼ最初からやり直して完成  光学系もいよいよ開梱

途中、接眼鏡立ての取り付け穴が見あたらず、よく見ると架台側板の内側に。そこで全てを悟った次第(遅い!)。
架台側板のとりつけが逆(裏)向き(当然左右も反対)だということに気づいて、一から組み立てを
やり直ししましたが、開封から2時間弱(時間かけすぎ)、ようやく光学系を乗せて完成!

私の狭い部屋にはデカすぎる.....(^^;)。





で、夕方まで部屋のレイアウト改造にかかりました。(部屋の雑然とした背景が恥ずかしい。)
このままでは寝る場所もなくなります。なので苦肉の策で壁面の天井突っ張り棚2つの間をつないでいた
オプション部分を外して、もぐりこませました。架台底板の円が一部入りません。「頭隠して尻隠さず」状態
はご愛敬。古いPowerMacintosh5500/225(今やCD-Rコピーとスキャナ入力専用でメインはその前のペラペラ
なスチール机にあるiBook/600)を脇にどかせました。
その影響で大量に棚から吐き出された古資料は写真の写野の外にあります。当面それらの整理が大変そうです。





○いよいよ初稼動!まずは月。(2003/04/13夕方)

ようやく、ベランダから初稼動です。



昔には無かった言葉で「ファーストライト」というのですかね。よく天文系の掲示板
に記載されてます。
一般量販店のおもちゃクラスでなく、光学製品として立派な望遠鏡を買ったのは、小学5年の
冬の口径6cm屈折経緯台以来ですから、30年以上ぶりの感動の一瞬です(あー歳がバレる)。

空の状態は、あいにく黄砂というより、はっきり言って薄曇でしたが、それでもぼんやり見える
月から見始めました。すごすぎ....。
小さい望遠鏡でしか見たことのない私は、月のクレーターは欠け際の部分しかあまり見えないもの
だと思って来ました。満月ではクレーターはほとんど見えないと。ところが見えるではないですか!
しかも高倍率だと隕石が衝突してクレーターができた、ということが生々しく分かりますね。
低倍率の月程度なら小望遠鏡との差はそれほど出ないのかと思ってましたが全然違いますね....(驚)

写真はデジカメNikon Coolpix5000(以降、E5000と記す)を目の代わりにデジカメのレンズを
接眼鏡に押し当てて、手持ち撮影したものです。(手持ちコリメート法と昔は呼びました。)
眼視での先鋭さに比べてはあまりにボケた(ブレ?)写真で不本意なんですが、本日記述の末尾に
サンプルをつけますね。(写真ではまるで小望遠鏡の眼視程度ですな。)
接眼鏡は2例ともVixen LV 8mm-24mmズームです。

○次に土星!(2003/04/13夜)

いくら花曇でも木星くらい見えないのか?とその後、ベランダからの狭い天空を探しましたら
なんともう天頂にありました。月を見ている間、きっと雲が正確に木星をトレースして隠して
いたのでしょう。月食観望の夜などによくやられる現象です。(ご経験ないですか?私は毎度です。)

さすがに天頂部分はベランダからは見えません。時間がたつのを待って、近所の恥を忍んで
通路廊下側で観望を始めました。まずは土星です。既に西の空に十分傾き、近所のマンションの
上昇気流下の悪条件でしたが、眼視では輪のカッシニ空隙も見え、本体の明暗模様もわかり大感激。
過去の小望遠鏡では輪は本体からくっきり分離しましたが、空隙や色合いは見えませんでした。
また手持ち撮影でのサンプルを末尾につけます。気流の影響もあり、さすがに写真では細部は見えませんが
色彩の雰囲気は出てます。デジカメはE5000です。
画像はphotoshopで若干レベル補正をかけていますが、複数枚合成などテクニカルなことはやっていません。

○最後に木星!(2003/04/13夜)

最後に木星です。ちょうど衛星同士の相互食があったのでしょうか?途中、木星の左一列に4つ
並んだガリレオ衛星が、観望途中で個数が少なくなったように思いました。本体の縞模様の先鋭さに
目を奪われていましたが。
手持ち撮影でのサンプルは2枚です。これもE5000での撮影です。本日記述の末尾に掲載してます。
接眼鏡は小さいほうが上記と同じズームアイピースで、大きいほうがVixen LV4mm(312倍)です。
画像は若干レベル補正をかけていますが、複数枚合成などテクニカルなことはやっていません。
眼視では中央の2本の縞以外に数本、きれぎれの縞も見えました。「おー天文ガイドの写真みたいだ」
と思いました。口径を考えれば当然なんですが初めて体験したものですから....。

天文掲示板でLV5mmをお勧め戴いたこともあるのですが、鏡の精度を信じて、口径mm以上の
倍率(250倍)を望んで正解でした。月面でも土星、木星でも画像がボケることはありません。
その位、価格度外視的に良い主鏡だと思います。翌日営業日に笠井社長にお礼のお電話をしましたが
「いい鏡でしょ?」とおっしゃってました。全くそう思います。正価9万弱の価格設定を思えば、
これは本当にお勧めの製品です。

写真ですが、手持ちでこの倍率で(デジカメのズーム倍率も掛け算になる筈)手ぶれもなく
1/30秒露出で手軽に模様が写ること自体、私自身が仰天してます(が、これは事実です)。

上記のような撮影も私にとっては小学校、中学校以来の30年ぶりくらいの出来事です。
当時は勿論、フィルムでの撮影で、結果はDPE店での調整待ちで、ネガ数本全滅なんてことの
ほうが多かった(小遣いも少ないのに)ことを考えると、結果を即、確認でき、後で画像の調整まで
できるこの時代はものすごく便利になったと思います。

当時の失敗の経験は今も生きていて、とても気軽に撮影ができました。
でも撮影の水準をこれ以上に上げて行くのは、きっと難しいのでしょうね。
土星、木星に比べても月の画像の先鋭度が不足なのがなぜなのかはこれから
考えてみたいですが。倍率を考えれば、木星で手ブレしてないのに月でブレて
ない画像が1枚もないのは解せません。月の地球に対する公転速度を考えるのも
倍率の低さや1/500秒を含めた高速シャッターでのテスト撮影を考えれば、ちょっと....。
また好条件の空を狙って挑戦してみたいと思います。

ムービーを使った多数枚合成の世界は30年前には無かった技術ですので、また入念に研究して
実施したいと思います。それに月が細くなったらDeepSkyも体験してみます。

月、土星、木星が高倍率の視野から外れていくたび、その周辺の視野を探したりするのですが
このくらいの口径の望遠鏡になると、目では何も見えない空間に実に星が詰まっているものだ
ということも感じます。私の住む宝塚は大阪平野一望=大阪の光害をモロに受け、またなおかつ薄曇
の状況での初稼動を考えれば、実に驚異的なことだと思います。
やっぱり望遠鏡はこのくらいのサイズがないと威力を感じられませんね。(過去30年、特に小中学生
時代に毎晩熱心に私が見てきた世界はなんだったの....。)

この日の文章の最後に、機種選択について本当に懇切丁寧な相談応対をして戴いた
「星空観望 掲示板」「初心者親子天文同好会 掲示板」の皆様にこの場で御礼申し上げます。
ありがとうございました。この2サイトは公開掲示板ですのでURLを以下に紹介致します。

「星空観望 掲示板」URL:

http://www2s.biglobe.ne.jp/~leopon/ir/ir.cgi (注:2004/01/18改変済。名称変更アリ。)

「初心者親子天文同好会 掲示板」URL:

http://6210.teacup.com/kouheimimura/bbs


○GINJI到着当夜のベスト写真サンプルです(2003/04/13夜。月2枚、土星2枚、木星2枚) :





○再び月の撮影を。(2003/04/16夜)

初日の月の撮影において、土星や木星に比べてピントが甘い理由がつかめなかったので、再度できるだけピント面に
気を配りながらいろいろ試してみました。
E5000は一眼レフタイプのデジカメではないですが、液晶モニタ上でピントの当たった部分のコントラストを際だたせて
表示させる「ピーク機能」というのがありまして、それが今回、意外に役に立ったようです。
前回は眼視で望遠鏡のピントを出し、E5000は無限遠モード固定で撮影してました。
今回もそれもやってみましたが、やはり前回と同じような、ややピン甘な画像ばかりになってしまいます。
これだけの視直径と光量があり、模様にコントラストがあるのだから、と思い、オートフォーカスで撮ってみました。
結果的にそのほうがいい結果を得られたようです。E5000のテレコンバータを使用するときにMFが使えないのと似て、
合成焦点系ではカメラ側の無限遠位置がずれるのかも知れませんね。
(と言いつつ、木星、土星は無限遠モードでそこそこの結果が出ている事との理屈上の整合はまだ私の中でとれてません。
もしかしたら無追尾かつ手持ちコリメート法なのに木星も土星ももっと眼視に肉薄するほどシャープに撮影できる???)

眼視に比べたら質感的にはまだまだですが、それでも少しはぴりっとした月面になって来ましたね。
小望遠鏡ではなかなか手軽にはここまでのシャープネスは出ないかなあ、と自分で思ったりもできる程度になって来ました。
勿論、ベテランさんの写真ではもっと立派なものを仕上げられるのだとは思いますが...。(年齢だけベテランな私です。^^;)





ときに、GINJIで月を眺めてから気になっていたのですが、今まで過去には長時間月を眺めていても、気づかなかったか
体験しなかったことに、「月の前をよく鳥が飛ぶ」というのがあります。
「そりゃあ月と望遠鏡の間を横切れば、鳥も見えるだろう。」というのは勿論なんですが、やたらと多いです。
それにやたら小さい....つまりものすごく高空を飛んでる訳ですね。そうすると「月と望遠鏡の間を横切る」確率は
とても小さいものになると思えます。
......でもやたら目に入って来るんですよ。これが。渡り鳥の飛ぶコースの下に居るのかな(^^;)?
今まで長時間月を見ながら想いにふけることは何度もありましたが、鳥が視野に入って驚くという体験はしたことが
なかったです。解像度があがった効果もあるのですかね?





○その他(2003/04/20 今日は雨の午後)

拙HPの「掲示板のコーナー」のほうに「岩井会員」HPの作者様から書き込みを戴きました。
(2003/04/18 22:01 ご来訪番号[74])

詳細はそちらをご覧戴きたいのですが、先日このコーナーの03/04/16の記述で『一方「通販で○○社から買いました。
笠井トレーディング社の銀次と同じものです」と説明されているユーザ様のホームページでは』と、うろ覚えのまま
乱暴に紹介してしまったことについて、ご丁寧なご挨拶とともに、導入と鏡面精度向上の経緯を教えて頂きました。
手塩にかけられ『「天文ガイド」私の愛機』にも掲載されたことのあるご立派な御愛機でしたのに、乱暴な紹介を
間接的な引用ながらしてしまい、申し訳なく思っております。

掲示板でもお詫びを致しましたが、やはりこのコーナーでも一筆訂正をしたいと思い、ここに記載致しました。
(個人掲示板ですので、直接のURL紹介は致しません。ご興味のある各位は、google検索から上記キーワード経由で
参照なさって下さいね。鏡面改造に関するレポートが記載されており、私も導入検討時によく参考に致しました。)


ムービーを使った惑星の多数枚コンポジットの世界は、E5000の動画撮影を使ってテスト中です。
DVムービーのほうが画素面積的に4倍(縦横2倍)とれるので、よい結果を出せるのは分かってますが
今は最初からMOVファイルに仕上がる利点を活かしてE5000の動画データでテストしています。
でも使っているソフトツールの自動位置調整が、いまいちうまく効きませんで、難航しています。
いい結果が出たら、またこのコーナーで作例とともに公開を致したいと思います。


○木星のムービー撮影による多数枚合成に初挑戦!(2003/04/27)

このところずっと雨ばかりです。土曜の夜も天気予報が外れて晴れ間はありませんでした。
日曜日2003/04/27は朝から晴天で、そろそろ月も下弦を越して細くなったので、ベランダ観望では
ありますが、メシエ天体観望でもしたいなあ、と思ってました。
ですが今の見どころの乙女座銀河団のところだけ、高層の層雲でずっと隠れていて断念。
(昨夜の予定外の曇天といい、日ごろの行いが悪い?または何かのたたり?)

....という訳で、またご近所の迷惑覚悟で廊下通路側で天頂を過ぎた木星を観望開始しました。
衛星の影がに木星本体中央やや右に落ちていて、気流が収まった瞬間には黒々と影が見えました。
おー感動!小望遠鏡では体験できなかった世界です。
(でもソフトツールで出現を確認済で登場を期待した大赤班は眼視、画像とも認識できませんでした。)
そのうち、今まで木星による食状態だった衛星が木星の視野左から現れました。

それらをDVムービーカメラ(SONY DCR-PC3)で連続撮影しておいて後でよい画像のフレームだけを抽出していよいよ
多数枚合成に挑戦しようと思い立ちました。なんせ1秒30コマですからデジカメのスチル撮影がその記録枚数におよぶ
筈がありません。
でも手持ち撮影ではなかなか光軸が合わないのか画像写野に木星が収まりませんね(^^;)。デジカメの時より苦戦しました。

結局、5分弱のデータからベストのフレームを探したのが、これです。(およそ2003/04/27 21:20ごろ)
木星本体に落ちている衛星の影は写りこんでます。(2本の縞模様に挟まれた白い中央帯の中のやや右より)





先日のE5000による木星画像より詳細が写ってます。なぜ35万画素相当のムービー経由スチル記録のほうが(しかも
NTSC/PALなどの走査線記録では単一フレームでの縦解像度が半分になる筈)500万画素スチルより詳細に写るのか、
いまだに私はその原理的な納得ができていません。(多数枚合成で解像度の低さが埋められるとは思ってましたが、1フレーム
スチル記録でもムービーがよい結果を出すとなると、これはまた頭を悩まさせられる話です。)

木星による食から脱した衛星が写りこんでいるフレームや、影がはっきり見えているフレームもありましたが
望遠鏡とDVムービーカメラレンズの光軸がずれるせいか、木星全体が写っておらず、どこか一部分が
望遠鏡の視野でカットされてました。
そこで、それらのフレームを使って多数枚合成をしてみました。
多数枚合成の位置合わせを自動で行う市販ソフトツールは持っておりません(使用PCはiBook/600)ので
Photoshopでフレーム合成を手動で行いました。

6枚重ね焼き状態の合成結果はこれです。あんまり上記のベストフレーム単品と変わらないですかね(^^;)?
若干、粒状性と階調が改善されていますよね(同意の強制?^^;)。でも合成によって細部が更に見えてきたという
ほどの効果は、この程度の合成枚数と手動位置合わせでは出ないのかも知れません。
ちなみに各フレームは合成前にアンシャープマスク処理をしていませんので、そのあたり改善の余地が
あるでしょう。合成後にアンシャープマスク処理とレベル調整を若干かけています。





結局、木星本体による食状態を脱した衛星は多数枚合成のうちに消失するようです。
なので、木星全体が欠けて写ってしまってるものも気にせず、衛星や影が出ているフレームだけで
専用に2フレームを手動フレーム合成して1枚にしてみました。衛星の影についても同様2フレームを合成しました。
それらがこの2種類の画像です。

       



木星の左にぼんやり衛星が、また木星の太い縞2本に挟まれて、やや右よりに影が見えてますね。
特に左の衛星画像はベストフレームや全体が写りこんだ上記の多数枚合成結果よりはっきりと効果が出ています。
画像ではこれが現在のベストですが、眼視ではこれらは気流の安定した瞬間にとてもシャープに見えました。

しかし、子どもの成長記録用みたいな民生用のDVムービーカメラを目の代わりに押し当てて手持ちで
撮影する、『お気楽手持ちコリメート法&ドブソニアン無追尾撮影』でここまで記録できるとは、思っても
見ませんでした。勿論、もっと上手に画像記録されているベテラン様各位もいらっしゃるかと思います。
私はDV記録と多数枚合成については本日が初めてですので、まあよい出来だと思って頂ければ幸いです。


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