--- 直リンクでのご来訪の方々も居られますので、以後カウンタを本コーナー各頁にも。


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○満月。久々に出撃するも.....。(2007/05/31。2007/06/02記。)


「銀次の部屋」も「50」です。HPアクセスはそろそろ100000の大台に近くなり、去年秋からの新掲示板のアクセスも30000
(旧掲示板からの通算で約15万)に至ります。いつもお目通り、ご支援ありがとうございます。

その一方、最近、出張や社外対応が続き、なかなか日々ゆとりを持てません。
この日は久々に仕事に区切りをつけて夕方定時に退社し帰宅しました。ベランダから見える東の空に大阪平野の夜景の
上に満月が昇ってきてました。家族が買い物で不在だったのを良いことに(^^)、銀次をベランダで温度順応開始しました。
夜景が奇麗だったので、EOS20Dで撮りました。ついでに200mm(35mmフィルム画角換算で320mm)で月面も撮ってみました。

常にスカイパトロールIIに接続されてスタンバイ(使われなければ延々待機も虚しかろうが....^^;)状態なので三脚が逆に使えず、
ベランダの手すりにEOS20Dを置いての手持ち撮影です。お手軽撮影の極みですが、ブレによるハズレ写真を回避するために
何枚もテストして結果を見ながら撮影することを思えば、三脚やミニボーグ+スカイパトロールIIを使ってきちんと撮影すれば
よかったところです。






と、言うのは、この後、結局全天ベタ曇りになって、久々の銀次の出番はなかったのでした。
(翌日は全日快晴との天気予報もあって設営する気になったのですが、翌日も昼過ぎまでは晴れ間なしでした。)
温度順応中に撮影はできませんでした。何故なら銀次がおチビなので月の仰角が小さい時間帯にはベランダの手すりより上に
銀次の顔(鏡筒先端)が出ません(^^;)。

手持ち望遠での月面はピントが少し甘い感じでした。なのでかなり縮小仕上げにしました。
月面の模様に見える「女性の横顔」はこの位の解像度と大きさのほうがわかりやすいですね。普段、月面全景を撮影していても
詳細の検出ばかりを気にかけているので、そんな月面模様に見える印象は忘れていました。
昔は裸眼で充分それを楽しめたものでしたが、今では眼鏡のお世話が必要です.....。

4月に入り、出張や社外対応が増えました。移動中の車窓風景は気分がなごみ、職務の過緊張から解放されるひとときです。
5月初旬の東京出張時の富士山は霞んでました。春霞のせいもあるでしょうが、今年は中国からの大気汚染(黄砂などと言ってる
場合ではないです。砂だけでなく重金属や亜硫酸ガスも垂れ流しです。)もますます酷くなり、西日本だけの問題でなくなって
来ているのでしょう。何枚か撮りましたが一瞬全貌が見えた感じの時の一枚を掲載します。(見えますか?.....^^;)





その後の夕景も印象的でした。この出張は1泊2日行程でしたが、帰阪時には職場に戻って受注直前見込みの案件対応が待っており、
夕方移動となりました。移動後の残務対応はさすがに疲れましたが、夕方移動のおかげで心象風景を残せてよかったです。






沈む前の太陽は力無く小さい存在に見えます。でもこの天体が太陽系中の全ての対象にエネルギーを提供してくれているのです。
この天体がなければ、多くの自然現象は凍結して、恐らく全ての無数にある生命化学反応は存在しません。
その雄々しさと裏腹な寂しげな夕暮れの印象のギャップを、私は新幹線車窓からの、のどかな風景の中で見るのが昔から好きです。
最近特にそれに惹かれるのは、勿論それを老い始めた自分に重ね合わせるからに違いありません....(寂)。

出張風景の最後は名古屋出張時の「味噌煮込みうどん」です。以前にも食べたことがありますが、帰路の新幹線の時刻間際に頼んで
食べるメニューではありませんね。充分待ったあげく出てきたものは、まだまだうどんが堅く、時間をかけてゆっくり味わうものだと
思います。仲良しと楽しくおしゃべりしながら、おつゆを味わいながら、だんだん食べ頃に行くのを楽しむものかなあ、と思いました。
新幹線の時間が迫っている時に、しかも駅から離れた店で、慌てて食べるには、熱いし堅いし、で、今の胃には結構酷な食べ物
でした(^^;)。でも大阪で「名古屋本場」をうたうお店で食べるそれとは、やはりかなり品が違う印象はありました。

「旨けれど 一人じゃ侘びしき 味噌煮込み」.....お粗末川柳でございました(失爆笑^^;)。





さて、梅雨間近なのか天候が安定しません。5月末広島出張の朝はどしゃぶりでした。関東ではちょっとした洪水なみの雷雨の上に雹まで
降ったそう。今年の梅雨や夏もダイナミックに荒れそうですね。ゆとりを持って天体撮影できる機会の到来はいつのことか....。



○おっとあまりに御粗末なので忘れてました。超悪気流下の木星。(2007/05/27。2007/06/02記。)


あまりに御粗末な出来だったので、掲示板に速報を上げた後、全く忘れてしまってました。前週末の木星像です。
(本来、インデックスや構成上から「銀次の部屋49」末尾に追加すべきですが、大した記事でないので、ここに追記します。)
日曜の夜に大赤班がこっちを向く予想だったので、金曜の夜に超安定気流の報告をご常連様から掲示板に戴いていたものの、深夜から
の出撃は集合住宅ではなかなか難しく、この夜に狙いを定めてました。

設営中の眼視の印象では、そこそこ安定しているように見えました。が、夕方から季節外れにかなり冷たい北風が強く吹き始めていた
のが気にかかってました。全ての準備ができた頃には(例によっての雲の集結はなかったものの^^;)、気流の谷間がちょうど木星の
仰角の空気の層と重なっているかのように、木星像は急速に不安定になり、PCのモニタ上で強烈な変形が止まらなくなりました。

1シーケンス撮影した後、もうその変形が「原型を留めないほど」クラスの攪乱となり、撮影はあきらめて撤収しました。
ジェット気流予想では比較的安定していたものの、突発的な温度低下は北からの寒気の流入で起こるものなので、あてになりません。
そういう時は出撃しても無駄です。一度このパターンは2005年の火星でやられたことがありました(^^;)。
(「銀次の部屋37」2005/11/07:この夜はまだ成果がしっかりしてました。木星の最悪気流は「銀次の部屋16」2004/04/04ですかね。)

当倍では全く絵になりませんでした。どれだけ酷い状態だったかを示すために、逆にあえて画像縮小はしません。
過去これだけ酷い状態(これでも随分後処理で補正はしましたが)は滅多に無かったのではないかと思います。
(画像の向きを整える気力もなし、という感じの出来です^^;)





ただまあそれだけではあんまりなので、50%縮小化とレイヤー合成を使って眼視確認できていた3衛星のうちの1つを最終画像に
まとめてみました。先日掲示板に公開した速報画像が実は後処理を頑張った最終画像だったのでした。
当面、気温低下などに注意しながらの出撃判断が必要ですね。実質的に週末しか出撃ができない日常なのに厳しい話です。





画像はC8、LVZoom8-24mm(24mm位置)、ToUCamProII、低速PCでの撮影です。Registax3でWavelet処理はLinear[1:1]、
同一AVIシーケンスからの処理で、当倍像が1410フレーム選別、最終仕上げは1662フレーム選別です。

今年は2本の縞の間が攪乱して、境目が分からないほど濃厚だという印象がありましたが、この画像はそんな印象ではありません。
むしろ例年同様に下(北)側の縞1本だけが鮮明な印象です。地上の大気の不安定は木星表面の形状詳細を飛ばしてしまうばかりか、
色情報、階調などにも大きな影響を及ぼすのか、と推察できそうです。
そんな中にあって、近年淡化が進む一方だった大赤班が今年はこんな悪条件画像でもしっかり記録されています。大赤班が今年は
濃化に転じたという話も、むしろこの悪条件画像で確認できた感じですね。



○FinepixF31fdを買いました(^^)。そのテストレポートです。(2007/06/10記。)


またデジカメを買ってしまいました。...と言う言い方は、どこか後ろめたい感じがしますかな....(^^;)。
恐らく当面もうこれでデジカメは何も要らないでしょう(と過去にも言ってきたという噂はなくもないですが.....^^;)。
もうそろそろ時期的には後継機が出るとの市場観測のためにネット通販で価格が急降下しているフジフィルム製のFinepixF31fdを
長期間検討の上、買いました。いつも買う判断をする時には同じ事情なんですが、せっかくの週末の時間をネット上にアップされている
実画像での機種比較や仕様検討に膨大な時間を使ってしまい(それはそれで楽しいので余計に時間を浪費します)、その状態から
抜け出すためには、半分やむなしというニュアンスで購入を決めます。なぜ「やむなし」かと言えば、購入の負荷により昼食や
交際費に多大な犠牲が出るからであります。週末の時間を浪費しないために、平日はいつも以上に質素になってしまうという訳です(^^;)。


 



購入した後は、選んだポイントが確かに問題なく満足の動作をするかを確認します。これもお楽しみの1つとなります。
(OptioSVの時には選択ポイント、待機後10秒間隔からのインターバル撮影で、露出制御の不良を見つけてしまい、それをメーカに
認知・対策を戴くための資料作成や対応依頼の往復もあって、満足に至るまで結構紆余曲折がありました。)

従来、私は銀塩カメラの模倣としてのデジカメに興味がなく、ライカ親爺連中が、大枚はたくことにステータスを感じるような機種には
全く反応なしで(買えないですしね。興味を持つのも時間の無駄です。なんだ結局負け惜しみか^^;)銀塩カメラに真似できない機能を
デジカメに求める傾向が強くありました。超小型で高精細、かつインターバル撮影や長時間録音機能がついていることがその主な
ポイントでした。今までの全ての保有機種にその機能が実装されています。撮影アングルを銀塩カメラと比較にならないほど自由に
解放する可動液晶モニタもその大きなポイントの1つなのですが、これは実装している保有機種は一部に留まります。(筐体容積
が大きくなることが不可避で、常時携行性と相反するポイントでもあるからです。)

今までそのような基準で機種選定をしてきて、それらがまだ現役で動いていることもあって、今回のFinepixF31fdは、そのような
「銀塩カメラには真似できない」機能への固執は一旦棚上げにして「常用」=「他の機種を持って来ていたらよかったと後悔しない画質」
一点バリで機能を選定しました。それがFinepixF31fdでした。

「デジタルカメラマガジン」を発行しているインプレス社のサイト「デジカメWatch」には毎月リリースされる主要デジカメの試用速報と
レビューが実写画像で掲載されます。また「kakaku.com」にはネット通販での最安店情報や、購入ユーザ様がその店や機種の当たり外れを
克明に報告して下さいますので、それを参考に機種選定をしました。(リンク許可を戴く手間を割愛するために、直接リンクはしませんが、
検索サイトからすぐに探せます。)

今回、CanonのIXY900isも最後まで比較対象に残りました。光学式手ブレ補正とDIGICIIIでのローノイズに加え28mm広角からのズームは
魅力的だったからです。ですがISO400、ISO800での暗部ノイズの少なさにおいてFinepixF31fdの画像が圧倒的に美しかったのでした。

光学式手ブレ補正では被写体ブレは防げません。被写体ブレを意識的に出し動感を表現するジャンルの撮影を目的にするならコンパクト
デジカメを使うのもどうか、と思うことから、結局、コンパクトデジカメクラスでのブレ補正というのは「手ブレと被写体ブレを同時に
抑える」=「超高感度でのノイズが極めて小さく速いシャッター速度が使えること」が「実は正解」だと私は思うのでした。

フジフィルム製のコンパクトデジカメのラインアップにはFinepixF40fdもあります。型名と価格から最上位機種のように思えますが、
市場動向を配慮しての高画素化(630→830万画素:CCDサイズを1/1.7→1/1.6インチにしたものの)が災いしてか、折角の高感度時の
ノイズ性能が若干F31fdに劣ります。また被写体ブレ防止モードもF31fdのISO3200までの設定が、F40fdではISO2000止まりとなり、
切れるシャッター速度の最高速度(被写体ブレ・手ブレの抑え込み能力)が落ちます。より良い画質追求をカメラ任せにしないための
絞り/シャッター速度優先撮影などの機能もF40fdにはありません。

それらのこともあってか、ネットでのF40fdの評判は「F20の後継であってF30、F31fdの後継ではない」とのことです。
今後は他メーカ動向に影響されて、どうしても高画素化や光学式手ブレ防止を搭載せざるを得なくなるだろうという「kakaku.com」での
観測もあり、それらが上記考察から「弊害ばかり増える改悪」となるのを同サイトでの識者各位同様に私も見切り、なおかつ後継機登場の
直前らしいという状況で、品薄かつ価格が急落している中、本機種を選んだ顛末となりました。

モノが届いて1週間、職務や出張の帰路、週末などにテストをしてみましたが、想像以上に美しい画像を得ることができます。
量販店での価格は高いままですが、ネットではもう2万円くらいになっています。メディアがxDカードなのでその追加出費が痛いですが
この画質を見れば、後悔は全くありません。「NeatImage」を使って暗部ノイズを後処理で除去することが今まで多かったですが、
その時にも感じていたことは「デジカメ画像から暗部のカラーノイズ、輝度ノイズを除去・調整してやれば、被写体は急に輝きを増す」
ということです。このカメラには「NeatImage」は要らないです。それだけで後処理にどれだけの工数削減があるかということです。

「仕事じゃないんだから趣味にいくら工数をかけてもそれも楽しみじゃないか」とのご意見もあるかと思います。
しかし本来、デジカメ画像の後処理は「無いほうが良い手続き」であり、プライベートの時間も職務多忙のために無尽蔵にある訳では
ないと思えば、その作業量削減は重要なことです。むしろプライベートこそ作業量削減に血道をあげ、その分「お楽しみ」の時間を長く
味わうべき、とも言えるでしょう(^^)。

またレンズの出来もかなり良さそうです。28mm画角からの広角ズームではないものの、レンズの質が良いことは上掲の「常用」の
資質にはとても重要です。本格撮影にはEOS20Dを使いますが、巨大なそれを四六時中携行する訳にも行きません(^^;)。

風景写真や人物の背景が重要な観光写真では28mm画角は威力発揮するでしょう。ですが、昔は標準レンズは50~55mmだったのです。
それは人物や被写体だけを歪み変形なく撮り、背景には眼もくれない、という撮影姿勢の場合は、45~85mmくらいの画角のほうが
写る範囲や変形の度合いも眼視の印象に近く望ましいと考えられたからで、それは今も変わりません。そして「背景が重要な観光写真」
と「被写体一点バリが重要」のどちらが撮影頻度が多いかと言えば、「普通のサラリーマン」たる私の場合、圧倒的に後者ではないか、
と考えます。つまり「撮影は旅行の時だけ」という普通の方には「28mm広角は良いもの」は真実ながら、それは全ての人に真実か、
については、無条件に皆が右習え右、は如何なものか、と私は思います。


 



各メーカが現行主力販売モデルとして世に出している機種のネット上の実画像比較は上記「デジカメWatch」のレポートを見て頂く
のが良いでしょう。私としては今回導入した新機種が今まで所有していた機種と比べて暗部ノイズがどれだけ違うか、というところ
を比較して「良い買い物をした」と確認することが重要ですし、ご覧になられる各位のご参考になるでしょう。

前説が長くなりましたのは「なぜいまどきフジフィルム製なのか」というところでした。量販店でも地味な存在に見えます。
「光学式手ブレ補正と電子系のノイズ除去の両方があって当然なのに」というトレンドにあって、後者だけを追求する独自路線に
対して世の中の理解は十分に為されていないのではないかと思ったからでした。本当は「低照度においてノイズが酷くならない理想
を実現できるなら、静止画には光学式手ブレ補正は要らない。」という、これまでのフジフィルムの考え方が正解なのです。
これからの同社が他社の影響を受けて、どう出るか、はまた別の話と言えましょう。恐らくは今後はその正解が他社との営業戦略の
ために崩れて行き「5年後に振り返ると、あの時期のF31fdは名機だった。」と伝説化するのでは、との話も「kakaku.com」での
識者各位は為さっていたようですし、私もそれに同感します。


それでは以下、レポートします。左が単純縮小画像、右がその一部を切り出した等倍画像(周囲カット)です。

現行機種を含め、多くのコンパクトデジカメが、実用的な画像にならないISO400での比較をします。縮小画像ではノイズまで印象が
薄れてしまいます。大延ばしでなければ、細部を比較する意味はないだろうという考えは、当たっていません。
銀塩時代には大延ばし印画にしないと画像の細部はあまり気にならなかったのです。しかし画像をPCで見る今は、等倍近くでの画質も
頻繁に見るようになり、また縮小画像でも「どこか汚いザラザラした感じ」となってノイズは全体画像に影響を現します。



●フジフィルム FinepixF31fd (ISO400):今回導入。このサイズクラスでの暗部ノイズの少なさが驚異的。


 



●ペンタックス OptioSV (ISO400):今までの常用機種。ISO400での画質以外は機能的に何も不満はありませんでした。


 



●ニコン Coolpix5000 (ISO400):OptioSVに常用役を譲る。2/3インチCCD時代のローノイズ王者。可動液晶で撮影アングルが自由。


 



●リコー CaplioG4Wide (ISO400):安価ながら28mm広角とインターバル撮影、長時間録音が可能な機種。単3電池駆動も利点。


 



●サンヨー DMX-C4 (ISO400):2GBのSDカードに80分の動画が撮れるのが素晴らしい。ただ静止画はノイズ以前に多発するブレに....。


 



●キヤノン EOS20D + シグマ18-200mm (ISO400):流石に別格。携行には気合い要。カバンからの出現で周囲が引く難点も大....(^^;)。


 



Coolpix5000についても長い期間、選択をしました。2/3インチCCDクラスで最もローノイズであることと、専用有線リモコンをつける
ことで、2分間隔ながらインターバル撮影ができることが、当時はとても魅力的でしたし、多くの写真や天体画像をこれで撮影しました。
今もミニボーグ45EDに接続して、シャッターショックの少ない軽量さが月面全景撮影にとても役だってます。しかし常用役をOptioSV
に譲り、普段の携行は随分ラクになったのも事実でした。しかし画質で言えばOptioSVはCoolpix5000に勝ることはなかったのです。
CCDが2/3インチと1/2.5インチでは1画素のサイズが全然違います。帯電できる電荷量が違い、そこから多くの情報を切り出す際に
ノイズも増幅される宿命は回避できませんでした。
ですが、私は撮影を本職にする訳ではありませんから、日の職務によってはOptioSVの携行性、使いこなせないほどのカスタマイズ性
をありがたく思うケースも多かったのです。若干、黄色に色転びする傾向があり、それを後処理で補正すると画像が汚くなる難点も
実はありましたが、それは他機種との比較において気になる程度のことでした。

私のような「普通のサラリーマン」ではデジカメを使うシーンは、日中の太陽光下よりは飲食店などでの暗めの人工燈火下が多いです。
その時の画像が想い出や記憶と違うようでは、結局撮影の意味もなくなります。暗部ノイズの少なさに徐々にこだわるようになった
のは、そのような事情によるものでした。この一点だけを満たせないためにOptioSVには徐々に不満が蓄積し始めました。

CaplioG4Wideは300万画素機種で、一見ノイズも多いのですが、上記の通り、素直なカラーノイズが主体なので「NeatImage」
での後処理を通せば、かなりノイズ改善が可能でした。30秒刻みでのインターバル撮影可能、28mm広角レンズなどの特徴も
あって、常用性を期待しての導入でしたが、露出制御がフルオートのみなので、手ブレ防止を意識してのシャッター速度調整には、
露出(EV値)補正機能での調整が必要で、撮影が難しい場合も多かったのです。「NeatImage」必須というのも、常用機として、
不満足に思う時もありました。今は10秒刻みのインターバル撮影が可能なOptioSVと同時併用して、違った角度からの自動撮影
(自然観察など)に使っています。2007年の初日の出はOptioSVの自動撮影画像を採用しましたが、あのような用途です。

DMX-C4は動画撮影中に静止画も撮れるという離れ業もできる機種ですが、露出制御がフルオートのみの上に、撮影時のシャッター速度
表示も(所有機種の中では唯一)出せない機種なのと、シャッターのクリックが固いために、撮影テクニックで手ブレ防止をする上で
全く無配慮と言え(機能追加の意見を送って無視された話は以前書きましたね^^;)、日中のような明るい場面でないと、静止画は
使えません。しかし使える明るさにおいては、なかなかきめ細やかな画像を得られます。動画は静止画の4画素情報を1画素に纏める
仕様によって、かなり暗いシーンでも美しいMPEG4動画が82分も撮れます。
動画にだけは電子式手ブレ防止制御も付いてます。小型機種ながら液晶はCoolpix5000同様に可動です。

このような「帯に短く襷に長い」一長一短が各機種にあり、複数の機種を携行し併用する時期が長く続きました。それでは折角の
「超小型で高精細」の利点が半分損なうことにもなります。そのためインターバル撮影などの特殊機能が必要な場合には従来保有機種を
携行すると割り切り、1台だけで「他の機種を持ってくればよかった」的な後悔が出ない「低照度での画質」一点追求の機種にこだわる
ようになったのでした。

上記の過去機種間での比較で流石の別格だった巨大CCD搭載機種のEOS20Dですが、以下の通りISO1600ではFinepixF31fdよりも
優位となります。それが星野撮影もできる妥協のない性能ということで2006年春に導入した理由でもあり、これからも有効です。
しかし普段それを常時携行するとなると、今や街中では「プロ写真家」か「怪しい人」のどちらかの印象を買うでしょう。恐らく
多くの場合、後者です。いい歳して自分がどう周囲に見られているかも考えねばなりません(^^;)。

FinepixF31fdが左列、EOS20D + シグマ18-200mmが右列でISO800とISO1600の細部比較をします。


●ISO800(合焦感の違いもあって単純比較は難しいが、なんと両者、ほぼ互角か。)


 



●ISO1600(流石にEOS20Dに軍配が。)


 



なお拡大画像においてEOS20D画像が甘い印象があるのは、優秀なレンズで後ろボケ味が豊富である一方で、拡大部がその
ボケ味部分にかかっているためです。合焦ポイントでのシャープ感は勿論十二分にあり、それもEOS20Dでの画像の持ち味です。

さすがにISO1600下では惜敗の感があるFinpixF31fdですが、大きさや重さ、CCDサイズ、携行性、出現時の周囲のドン引き度(^^)を
加味して考えるべきでしょう。それにEOS20Dや保有機種全てが対応不能なISO3200感度においても、縮小画像なら以下のように
ここまで安定した画像を得られるというのも常用機にとって重要なことです。

銀塩写真のISO3200感度の画像と比較をするとしたら、そのノイズ、濃淡階調、色再現など全てにおいて、比較にならないほど
銀塩写真が劣勢でありましょう。この際「ノイズに味わいがあるんだ」などと言うひねくれ意見は無視します(^^;)。

これも「銀塩カメラの模倣でない新しいデバイスの特質」なんですね。ビデオ用のCCDが比較的、低照度に強いのに何故デジカメは
いつまでたっても低照度に弱いのか?と長年困惑して来ましたが、他メーカを後目にフジフィルムは独自技術でその「銀塩写真に真似
できない世界」に到達してしまっていたのです。過去、銀塩写真文化を支えてきた代表メーカなればこそ、逆にその到達に至った
と考えると、何やら感慨深いものを感じてしまいます。





超小型機でISO400を常用、輝度的にシャッター速度条件が厳しい時にはISO800も躊躇無く使えるというのは、凄いことです。
xDカードはどうせならと思い、2GBを買いました。そのことでVGAモードでのMotionJPEG動画も28分撮影できます。DMX-C4の
VGAモードMPEG4動画82分に及ばずとも、多くの場合、動画に関しても「DMX-C4を持って来るべきだった」と後悔せずに済みます。
サイズから想像できない恐るべき機種と言って過言でないでしょう(^^)。

多くの方にとって、上記のデジカメ機種名は文字だけではどんな機種かわからないかもしれません。
一同に集めての記念撮影となりました。(この画像はWillcomのPHS/Windows Mobile 5端末、W-Zero3[es]の内蔵カメラで撮りました。)
前列左からFinepixF31fd、DMX-C4、EOS20D+18-200mm、後列左からOptioSV、CaplioG4Wide、Coolpix5000です。





巨大で重量のあるEOS20Dに肉迫するISO400/800画像を得られるFinepixF31fdの小ささを見て下さい。それが後者の導入理由です。
携行性がよく、機能豊富なOptioSVでもよかったじゃないか、と大きさ重さでは言えるかもしれません。しかしほぼ同サイズの
大きさの筐体(画像では遠近法のためか大きさに差があるように見えますが、ほぼ同サイズです)から得られる画像の質に
ついては、流石に「時代の流れは大きい」と感じさせるものでした。

もうこれできっとデジカメを買うことはないでしょう。なぜなら本当にもう全ての用途にフィットできるだけの機種を持ってしまった
感がありますから。(「まあせいぜい言っておけ」....って^^;?)



○当然、そのデジカメで星野撮影テストする流れとなります。そこで驚天動地の事態が....。(2007/06/10。2007/06/16記。)


上記レポートを公開した夜遅く、久々に晴れてきました。気温はまだ低く、屋上設営での木星撮影は甲斐が無さそうにも思えました。
ジェット気流予想が安定していても、低空と高空の気温差が大きい場合、上昇気流による像攪乱のため、惑星撮影には向きません。
先日の悪気流下での撮影に懲りた訳ではないですが、日曜深夜の撮影は翌日以降平日の職務に影響しますので、結局見送りました。

上記レポートを書いて「星バカ」なる私の頭にあったのは、当然このカメラを星野撮影に使えばどうか、ということでした。
最大15秒露出までの機種(それでもシリーズ最長です)なので、赤道儀による追尾は却って不要です。高感度撮影での低ノイズを
活かし、最適な感度設定と撮影条件を試行錯誤して15秒でどこまでの光を蓄積できるかだけで、成果は決まると言えるのです。

「長時間露光(即ち通電)でのCCD発熱によるノイズ発生は、通常露光時間レンジでの低ノイズ化の概念とはまた違った技術要素の
問題である(つまり後者に最適化をする余り、前者に無策となる可能性も最悪の場合ありえる)」という理解は、私の頭に当然あった
ものの、トライの価値はあるかと思いました。既に就寝前でしたが、玄関廊下側に出て、三脚とFinepixF31fdだけで山側のマンション
とうちのマンションの間の空を夜景モード(長時間露光オプション設定)で5コマずつ3構図ほど撮ってみました。

撮影直後の液晶モニタには、星が沢山写っているかのように既に見えました。が、それはCCDが発熱してノイズが写り込んでいるだけ
かもしれません。(以前所有していたリコーのDC-4Uがそんな感じでした。「存在しない架空の星空」ノイズだらけだったのです。)
はやる気持ちを抑えながらデータをiBookに移し、Photoshop5.5で後処理を始めました。

元画像です。サイズ縮小だけしました。15秒露出でダーク減算処理(露光時間と同じだけ余分に時間がかかるノイズ減算処理)も
ないのに、恐ろしくローノイズです。北斗七星の持ち手の部分が写っています。確かに光害下での肉眼での印象はこんなものでしたが、
撮影直後の液晶モニタでの印象よりかなり地味でした。(画面右下には国際線か?深夜に軌跡を描く飛行機の光跡も。)ところが....。





レベル補正処理[23:1:82]をかけ、若干のアンシャープマスク処理(48%)をかけました。すると、なんと.....。





肉眼での印象からは想像を絶する「降るような星」です。この結果には素人より玄人が腰を抜かすのではないでしょうか(^^;)?
ぜひ色・階調を調整された機器でご覧戴きたいのですが、階調強調した画像らしくなく、輝星の印象など画像自体もとても
美しいことも特筆ものかと感じています。

別のコマから同様の処理をしたもの(周囲カット)を掲載します。輝星周辺の微細な星の位置を確認して下さい。全く同じです。





つまりそれらはCCDノイズではない、ということです。CCDノイズならその瞬間のCCD上の熱分布次第で、コマごとにランダムな発生
をするので位置がここまで完全一致することはないでしょう。星図と照合するまでもなく、それは紛れもなく星が写っていると
いうことを意味します。
2つのマンションの人工燈火による巨大なゴーストも数カ所写りこんでますね。そんな悪条件下でここまで星が15秒露出で写る、
そんな「ワイシャツの胸ポケットに入る小さなデジカメ」がある.....。EOS20D+スカイパトロールIIでの数分の自動追尾に匹敵する
像が、お手軽極致と言える小さなデジカメでの無追尾固定撮影で得られる.......まさに驚天動地の出来事です。

上記テスト画像はISO400感度で行ったものです。もしかしたらその感度においてはFinepixF31fdのほうがEOS20Dより格段にノイズが
少ないのかもしれません。2006年春に光害下でのEOS20Dでの彗星検出の後処理で階調を今回のように切りつめて行った時の印象と
比べてもノイズ感が少ないように思えるのは、彗星検出画像では部分拡大をしているということもあるのでしょうが、FinepixF31fdは
かなり善戦しているように感じます。

「無理に後処理でノイズを潰して、のっぺりとした画像になるので良し悪し」などと以前はデジカメ雑誌(「デジタルカメラマガジン」
ではありません。雑誌名が上記で出ているので短絡なさる方もいらっしゃるかと思いますので念のため。そのように主観だけで
マイナス評の記事を書くようなことは、厳密な比較批評を持ち前とする同誌ではあり得ません)に誤解を書かれていたこともあった
Finepixのローノイズ処理ですが、CCDそのものからの長い年月に渡る独自設計によるローノイズ化は、そのような「お化粧直し」とは
随分趣を異にする、紛れもない本物である、ということを上記テストは示しているのでありましょう。

数年前、WebCamとRegistaxが惑星撮影の常識「惑星面の詳細を克明に撮影することは、その詳細より大きな直径の地球大気の粒子
の挙動が邪魔をして、無理であることは玄人には説明不要なほど自明のこと」を根底からひっくり返した「VideoAstronomyの大革命」
と同じくらい、この「過去の常識の崩壊」は大きいように私には思えます。
空の暗い場所にこのカメラと三脚だけ持って出かけて15秒固定撮影でどこまでの星野写真が撮れるのでしょうか。
「お気楽に宇宙の神秘に向き合う」の極致と言えるかもしれません。この夜、私は興奮したのか、なかなか寝付けませんでした。
(結局、翌日以降の職務に響きそうでした^^;)

ここで再度、上記の機種比較レポートをご覧下さい。もうこの機種は製造中止になりそうなんですよ。後継機種はきっとこの低ノイズ
一点追求の独自路線を営業戦略の見地から意図的に外れていくのではないか、と上記では書きました。
いかがでしょう?非常に安価になっていることもあり、導入決断をなさるなら早いほうがよろしいかもしれませんですよ(^^)。


※追記:その後(2007/06/19記)


上記の「CCDノイズならその瞬間のCCD上の熱分布次第で、コマごとにランダムな発生をするので位置がここまで完全一致する
ことはないでしょう。星図と照合するまでもなく、それは紛れもなく星が写っているということを意味します。」の記述について
「掲示板のコーナー2」[859]に「オプトマン」さんから「同じ位置だからノイズではないのか」とご指摘を頂きました。
そうかもしれません....(^^;)。実は白の輝点が星であることを他の写真との比較で見切り、そのこと自体はあまり根拠なく
書いてました。すみません(^^;)。ただ比較した資料は著作権の問題もあり、掲載して証明するのに二の足を踏んでいました。

今回の話題は掲載した画像を見て「どれが星でどれがノイズか識別できる方々」つまり、弊HP、掲示板のご常連様へ向けて
「従来のノイズだらけで何が星かわからないほどになるコンデジに比べてかなり良いものが出たよ」という速報を出した次第です。
ノイズがないとは言ってませんし、EOS20Dクラスでも同様の処理で背景に多数のノイズが浮き上がってくるのでした。
今回、kakaku.com(価格.com)での豊富な評価書き込みを参考にさせて頂き、機種選定に満足な結果を得たご恩返しの意味で、
私もkakaku.comに評価を書かせて頂いたのですが、結果的に「どれが星でどれがノイズか識別できる方々」以外の方には、
「どれがノイズでどれが星なのかもう少し分かりやすく示して貰いたい」という印象もお持ちになったようでした。

今後このデジカメを時々惑星撮影の合間などに使っては「なじみのある星座周辺」を写したものを公開して「やはり実際に星が
よく写ってますよねー」という話の流れになれば、もっと一般の方にも分かりやすい印象を頂戴できたのではないかと思います。
その点で正直、kakaku.comさんに書かせて頂いたことはまだこれでもちょっと時期が早かったのかと思ったりしています。
ただ製品がなくなってしまえば、告知の意味も半減しますしねー(^^;)。

そうするうちにkakaku.comの書き込みの続きに「スイミング」さんが雑誌に掲載された同じあたりの星野写真と比較の上、
「赤や緑や青の色ノイズもありますが、白い光点は間違いなく星です。私も並べてみてさらに驚きました。」とのご確認を
下さいました。
F31fdを選ばれたユーザ様からも「やっぱりF31fdを選んでよかった」との感想を頂いていたのが、そのご報告で「ぬか喜び」
にならないと証明でき、安堵した次第です。オプトマンさん、スイミングさん、楽しい論議をありがとうございました。

関連URL(永久のリンク保証はありませんが):

kakaku.comの「口コミ掲示板」の当該部分(特に[6445401] 参照):

http://bbs.kakaku.com/bbs/00500811073/#6442575

おかげさまでこの動きがあった週末(2007/06/16-17)に合計3636件ものHPアクセスを頂きました。
1996年秋に作曲を中心とした趣味のHPを開設し、2003年春に「銀次の部屋」を開設するまで、3200少しでカウンタが止まって
いたことを思い出します。時代やネットアクセスの運用規模が違うとは言え、6年半分のアクセス以上かと思うと、嬉しいやら
「なんだかなー」だったりします。まあ過去は振り返らないでおきましょう(^^;)。現在のアクセス平均においても約1.5ヶ月分の
アクセスを頂いたことになります。驚きました。今回弊HPにいらっしゃった方々、どうぞこれからも宜しくお願い致します(^^)。



○F31fdで木星撮影....雲が....。(2007/06/23分。2007/06/24記。)


FinepixF31fdはVGA(640×480pixels)サイズでの30fpsムービー撮影ができます。これをToUCamの代わりに使って
惑星撮影に使ってみるというのも、この趣味の人間には自然な流れです。静止画がこれだけ高水準であれば、期待できると
いうものです。....と言いつつ、実は「掲示板のコーナー2」でご常連様にそれをお勧めされながら、当初は「ToUCamでの
撮影で満足してますので....」と興味薄だった私でもあります。生来、腰が重すぎる性分でして、一旦会得した技術の世界を
離れて別の世界に行くことにためらう性分なのでした。新しい手法を始めてうまく行ったときには「以前のやり方でやって
いたら、どうなっただろう」とか後ろ髪をひかれる感じを思ってしまう、困った性分とも言えます(^^;)。

ですが、惑星撮影の時にPCやらToUCam関連機材などを望遠鏡一式とともに運搬設営しなくて済むということは、とても
出撃が軽快になる、と思い、また新高速PCにまだバッテリの新規手配の予算目処が立っていないこともあって、F31fdで
ToUCamクラスの画像が得られるなら、それは悪くないなあ、とようやく思い始めました。

ただ今のところカメラ側を三脚孔で固定する形のユニバーサルタイプの望遠鏡接続アダプタを私は持っていません。
それを買って結果がいまいちだった時に、結構厳しい財布事情が更に逼迫するのも哀しい話です。そこでまた私は
二の足を踏んでいました。天候や木星の大赤斑の位相が週末の撮影機会とことごとく合わなかったということも、その
足踏み状態に拍車をかけました。

この日は久々に日中晴れました。そこでテスト的にE5000専用品でコリメート撮影用に使っているUR-E6をF31fdに
ビニールテープで仮止めして、いつものE5000での撮影時と同様に、その上にアイピースアダプタをつけました。
この仮止めシステムでうまく撮影ができたら、その時はユニバーサルタイプの望遠鏡接続アダプタを買ってもよいかなあ
と考えた訳です。


 



この夜は大赤班が見える位相が19:00~20:30あたりかと考えていました。Jupiter.exeの自前補正データがまた実際とズレて
きてまして、表示のほうが約3時間ほど早いように考えていました。
20時前までは晴れていましたが、空もまだ青く、木星の仰角も20度前後でした。20時には温度順応3時間を終え、設営を
始めましたが、急速に雲が木星の周囲に集結し始めました。

「またこのパターンか」と空に悪態をつき、それから1時間弱、雲だらけの空を恨めしそうに眺めていました。
大赤班の位相が終わると考えていた20:30をとっくに過ぎ、まだ木星周辺だけしつこく雲が残っている状況に、そろそろ撤収
しようかと考えていたときに、少し雲間から木星が見えてきました。冬は冷気が部屋に入らないよう、そして今は虫が部屋に
入らないよう(なぜマンションの8階まで蚊などが上がってくるのでしょう。途中階の不衛生な場所で発生しているのです(怒)。)
電池でのNexStar8i駆動を考えていたので、それから自動追尾の初期設定を行い、木星を写野に導入しました。

F31fdのズームを最大にして、接眼鏡LVZoom8-24mmも8mm位置(最大倍率)にしましたが、それでも像はかなり小さく
その分、写野への導入は非常に容易でした。
幸い、事前に懸念した輝度的な不整合はなさそうで、そのまま1分(1800フレーム)の撮影に入りました。
拡大率が低いと結局、解像度の評価はできず、従来撮影してきたToUCamとの比較はできませんので、次のシーケンスでは
バーローレンズを併用しようと思ってましたが、その1シーケンスだけで、また完全にベタ曇りとなりました。

梅雨どきだし1シーケンスでも撮れただけ、ましだと思うのも考え方です。しかし何だかあざとい嫌がらせをされた後のような
気分になったのは何故でしょう(^^;)?「ここからは登録要(有償)です」と大新聞のネットサイトで言われているのにとても
似た気分です。「いまどき風俗でもそんなタチの悪いセコさはないのじゃない?」って感覚です。怒りの矛先は一体どこに(^^;)???

で、結果です。画像が小さいので、比較評価するほどのものではありませんね。でも今後結構いい結果が出るような予感もあります。
WebCamの1フレーム画像とは当然、質は上がっているのです。ビデオで撮影してデータ変換してRegistaxにかける手間を惜しまず
また撮影時にそれだけの荷重をかけられる接続システムがあれば、少ないフレーム数で質のよい惑星画像が得られる傾向があるのと
同じ効果が期待でき、その状態での2000フレーム近い撮影をしても後処理が軽快なのは、なかなかよいのではないかということです。

Jupiter.exeの予想が好都合の方向に失敗して、まだ充分、大赤班が残ってくれていました。見映えに影響しますのでよかったです(^^)。
現在の私の補正データでの表示と実際のズレは3時間でなく2時間半程度なのだ、と認識しました。あ、違った。Jupiter.exe表示が
早すぎる訳ですから、3時間半近く実体より表示が早いという訳でした。
縮小なしのフルサイズ画像です。画像が大きくないこともあって、2つの衛星も拡散せずシャープな輝点として記録できていますね(^^)。
発色といい輪郭の明快さといい、画像の大きさも含めて、NexStar5時代の木星像を思い出します。





ただ撮影データは直接Registax3で処理できませんでした。AVIデータに音声データが含まれるせいなのか、形式がMotionJPEGだから
なのかは分かりません。久々にRADVideoToolsを使って、音声データを除去し無圧縮のAVIデータにコンバートして処理しました。
まあ若干輝度オーバーだったオリジナルのデータを補正できたというメリットもありますが、簡単に後処理できるという点では、
メリットとデメリット両方あるなあ、という印象です。ちなみにオリジナルは69.7MB、無圧縮変換後は1.65GB。約25倍に膨れあがり
ました。そんなレートの圧縮演算がこの小さいカメラ筐体の中で撮影時に行われていると思うと、それもまた驚き&愛着(^^)です。

発色も美しいですね。1フレーム単位での情報量が多いせいなんでしょう。発色の良さをお伝えするためにRegistax3で処理した
RSPファイルを、より良好な発色をすると私が従来考えているRegistax2.1で読み込み、仕上げ処理を行いました。
撮影時のホワイトバランスはオートのままでしたが、その制御の優秀さも見て取れます。まあそれが伝わるかどうかは、再生側の
色相・階調設定次第、というのは毎度毎度の論議なんですが(^^;)。

今回もまた「雲の美人局」状態に成果は1シーケンスでしたので、今後の追試がないとこれからの進め方検討にまでは話は至りません。
ただかなり使えそうという印象があります。どこまで使い倒せるコンデジなんでしょうね。天体撮影用にもう1台買っておくべきかも、
と思い始めました。財布事情はもうキューキューなんですけどね(^^;)。



○重い愚痴になりますが、実のところ....。(2007/06/30記。)


この趣味には家族の理解が全くないので、出撃判断は自分のモチベーションだけでなく、家庭内平和のための状況判断が必要です。
最近の活動低調は職務の疲労以上に、実はこの家庭内の逆風に大きな原因があります。
先日大反響を頂戴した、F31fdでの玄関廊下側での星野撮影でも、雲行きが悪く何度か機会を待つために玄関を(ベランダではなく)
出入りをしたのですが、それが安眠を損ねたということで、それ以後、何度も繰り返して揶揄され、その夜以来、平日に帰宅後再出撃
の外出門限も22時半に設定されました(職場から帰宅していない日も多いと思いますが^^;)。

勿論その夜、家族が寝られなかったということは悪いと反省して、その都度詫び、できた門限には従っている訳です。
玄関出入りだって、無思慮にドアをドタバタした訳でもないのです。マンションの機密性が災いして、あの夜の風向きも悪く、玄関の
ドア開閉のたびに室内外の気圧差からリビングの内ドアが、「ミシッ」と反応していたのを、私はその時から気にはしていました。
それにしては、ちょっと繰り返し揶揄される回数が多過ぎる、とだけ言い、私はふさぎ込んでしまいました。

公金持ち出しとか家計食いつぶしで遊興にふけるような酷い行動でもなく、内容が人に忌避される趣味でもなく、小遣いの範囲で
職場内で自身がより職務遂行しやすくするための「飲みにケーション」(要職ではないですが、最年長者なのでやはりそういう場合、
支払いは持たないといかんだろう、という基準も自分の中にあります)などにも使ったささやかな残りでやる趣味に、なぜそこまで
言われないといかんかなあと思ったりします。

あの撮影の記事でHPアクセスは週末2日で3600を超えたのでした。それが職場でも家庭でも矮小な立場に甘んじている私自身の
存在価値の確認でもある訳で、それを頭から否定されているような感じには、最近かなり辟易しています。そういう父親の姿は
教育上もよくありません。本来、家長として尊敬に足る充分な職務への忍耐ぶりと、堅すぎるほどの生真面目な趣味をやっている筈が、
何故こういうことになるものか...。家事の手伝いもして来なかった訳ではありません。まるで昼から飲んだくれて仕事にも行かない
ダメ亭主への風当たりみたいな扱いですが、私がして来たことは、そんな「人でなし」の振る舞いとは全然違う筈です。

このままではまた活動停止に至ってしまうかもしれません。
長期間に渡っての職務で胃を潰すようなストレスを受け、それを家庭には持ち込まず、職場に一層貢献できるように精進して
それを克服しつつあるのに、今度はそのストレス癒しの筈の趣味への無理解で足下掬われ....何をやってんだかって感じです(T_T)。












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