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○ミニボーグ45ED+スカイパトロールIIでの土星。(2008/03/15。2008/03/20記。)


先日の屋上星野撮影の際に「平日の帰宅が遅くなったり、週末のちょっとしたゆとりの時間に、惑星撮影でも、このように
ちょっと思い立っての撮影ができると、気楽にこの趣味を続けられて良いだろうな。」と思ったものでした。
星野撮影をしていた裏で、気流安定の好機だったようでしたが、大口径機は温度順応が間に合わなかったのでした。

スカイパトロールIIは軽量小型ながら、しっかりした赤道儀で、EOS20Dでの200mm(35mm銀塩版画角で320mm相当)でも、全く
問題なく、長時間追尾撮影が可能です。惑星撮影はもっと超高倍率での撮影にはなるものの、ToUCamやF31fdのCCDの写野の中に
対象が収まっていれば、多少の位置のふらつきはRegistaxで後処理補正が可能です。星像がピンポイントに留まるほどの追尾
精度は要りません。なので、スカイパトロールIIに軽量の小型屈折望遠鏡を載せて、思い立ったときにすぐに惑星撮影ができる
と良いなあと思う訳です。

小型屈折望遠鏡としては、現時点ではミニボーグ45EDを所有しています。いくら超高精度の光学系といえど、45mm口径は
集光力、強拡大での詳細解像では不足感があるのではないかと考えます。勿論、45mm口径としては、驚くほどの高性能がある
ことは、過去いろいろなシーンで実証済です。しかし代替とまでいかずとも、主力機であるC8や昔のC5での惑星像に比べて
あまりに貧相な画像しか得られないなら、結局、現状ではC8を出動させることになり、温度順応が間に合わない日には、
従来通り、やはりあきらめないといけなくなります。

C8代用ほどのグレードでなくとも、そこそこしっかり住み分けができる画像を得られる必要があると思えば、C5クラスの
画像の仕上がりは欲しいものです。90-100mm口径の屈折なら、それは可能だと考えます。が、搭載重量のことを考えれば、
80mm口径が限界ではないでしょうか。

候補機はいろいろ検討していますが、どうせ即導入に至る資金もありませんし、まあまずはミニボーグ45EDで同じことを
やろうとして何が不足で困るのか、を当面実践で評価して行きたいと思います。さすがに強拡大での光量不足はあるでしょうが、
それ以外に何が不満で45mm口径以上にアップグレードするのか、というところをまずは気長に見極めて行きたいと思います。
一番甲斐のないのは、頑張って上位機を買った、でも45EDでも結構肉薄できた、というパターンですからね(^^)。

この週末は、土曜日に日中、雲1つない気持ちのよい青空と暖かな気温で、流石に出撃するだろう、という感じになりました。
上記の流れから、昨夜ベランダでミニボーグ45EDによる土星撮影をしました。
途中から薄雲がかなりからんで、輝度不足が一層酷くなりましたが、それでも何とかいけるのではないかと思いました。

左がRegistax出力のまま周囲トリミングのみ。右が同じ画像で後処理をしたものです。後処理をしないほうがよかったもの
もありますね。上から順に4シーケンス9445フレーム、4シーケンス9228フレーム、2シーケンス5496フレーム合成です。
アイピースはLV8-24mm+2倍バーローレンズです。ズーム位置は最初が24mm位置、他2つは16mm位置程度で、霞や雲による
減光がなければ、もう少し拡大も可能だった印象です。


 

 

 



予想外の健闘です。ミニボーグ45EDを銀次のファインダーとして購入した2003年には、土星の輪が大きく開いた形で見えて
いました。その時には、カッシニの空隙も最大幅で開いて見える訳で、眼視や手持ちコリメート法撮影、ご常連様の追尾撮影で
確認ができました。45mm口径での撮影で、その確認ができること自体、もの凄いことだったのですが、今年、まさか環の開き具合
がここまで閉じた状態でも、カッシニ空隙が45mm口径で写し込めるとは思いませんでした。

しかも安定した大型の望遠鏡への同架ではなく、超小型軽量のスカイパトロールIIによる追尾撮影において、です。
三脚の脚をフルに伸ばさないとベランダの手すりの上に鏡筒が出ませんが、ベランダに人工芝が敷いてあることもあって、
私がちょっと姿勢を変えたり、立ち位置を少し変えるだけで、三脚がその振動を拾ってしまいます。しかも、三脚がそのまま
共振するのか、振動時間が何倍の長さにも増幅します。スカイパトロールIIの赤緯、赤経の微動装置を動かすと、その振動で
土星は写野をハエのようにグルグル飛び回りました。が、写野から飛び出して行くことはないので、何とか使えると思いました。

屋上などベランダ以外で使うときには、三脚の脚を短くできますので、振動はもう少し抑えられるでしょう。
耐荷重的には問題はなく、微動装置を触らず、私が振動を起こさない限り、写野内では安定して、土星が追尾できていました。
北極星が見えないベランダで、方位磁石と水準器を頼りに設置した状況なので、長時間経過すると土星は写野をゆっくり
外れて行きますが、その頻度は大きくないです。長年、ベランダで北極星が見えないので、純粋のドイツ式赤道儀を使えない
と思っていたのは、一体何だったのか、という感じがします(^^;)。

3番目の画像には本体縞のムラなどまで写り込んでいる感じもしますが、処理のアヤでしょうか...。
像の大きさはもう少し大きくはできそうです。今回は高倍率でのドイツ式赤道儀の追尾操作にまだ慣れず、拡大倍率をあまり
大きくはできませんでしたが、薄曇でない条件下なら、光量的には拡大率はまだ上げられると思いました。

あまりの善戦に、翌日、機材の記念撮影をしました。こんな超小型軽量機材一式で、ここまでの情報を含んだ土星像を得られる
とは、何だか凄いです(^^)。





ちなみに前頁「銀次の部屋59」においての銀次+F31fdでの土星像に、今回の画像が比肩していても、銀次の面目がない、という
訳ではありません。念のため。眼視では、C8と比べても、圧倒的に銀次の土星像は凄いです。
銀次での眼視による土星 > C8での眼視による土星 > ミニボーグ45EDでの眼視による土星、という感じで、その差も
それぞれに、はっきり差があります。銀次に追尾装置がなく、10000フレーム規模のデータを得ることが大変困難なので、
画像としては、小さく地味なものになってしまうということです。元々ドブソニアンというのは、観望専用の機材です。
でも何だか勿体ないですね。



○翌日、ベランダでC8による土星。威風堂々、流石の成果。(2008/03/16。2008/03/20記。)


比較できるほどなら、却って怖いですが、まあこの「銀次の部屋」記事にとっては「比較がある方が、より面白いか」程度の
意味合いで、翌日、日曜の夜、C8でも土星を撮ってみました。

前夜以上に当夜は薄雲のからみが酷く、大口径の集光力を誇るC8でもってしても、ToUCamのモニタ画面では輝度不足になって
しまい、本来の意味合いとは全然違うミニボーグの善戦ぶりが期待できるかもしれないと撮影中には思いました(^^)。
この日は朝から薄曇で、撮影の機会が来るとは、あまり期待はしていませんでした。気温も少し下がったようで、夜になっても
肉眼で土星を視認するのが時折困難な状況でしたが、とりあえず撮影はしてみました。

でも、流石に大口径+自動追尾のC8です。どう頑張っても小口径機では、到達し得ない立体感のある土星像が得られました。
それぞれ5シーケンス9212、8511フレーム合成、アイピースはLV8-24mmZoom(24mm位置と12mm位置あたり)です。






雲のからみでの輝度の大きな変化や低下、雲そのものが像を変形させることなどの悪条件下のため、強拡大撮影では、像のエッジ
やカッシニの空隙は、かなり軟調ではあるものの、後処理で若干縮小をかけると、以下のように少しはしっかりした仕上がります。





撮影時の色温度調整が少し良くなかったのと、輝度不足などのために色情報が不自然で、後処理で調整したものの、どこか
不自然なところは、値引くとしても、それは調整によって追い込めます。階調が豊かなので、立体感が物凄いですね。

さて、悩ましい問題となりました。完全に同一条件ではなく、それぞれがベストパフォーマンスではないので、これからも
検討の余地はあるのですが、大まかに言って、充分な温度順応時間をかけられれば、C8でこのように巨大で立体感のある
土星を撮れるところを、時間のゆとりがなくて、準備不足でも撮影できるのは良いものの、情報量は豊富である一方、小さく
貧相な見映えの土星に甘んじる、というところをどう考えるか、です。

もう少しミニボーグ45EDとスカイパトロールIIで大きな像を得られるように、機材操作に慣れようとは思います。
好条件の日には、もっと良い成果をミニボーグ45EDで得られるとは思います。が、その条件下ではきっとC8はもっと
圧倒的に凄い像を得られるのではないかと思うと、どうなのか、というところです。

接近時においてさえ視直径が小さい火星では尚更のことです。その一方、木星ではどうでしょう。安定して常に土星の輪の長径
くらいの視直径がある木星の場合は、ミニボーグ45EDで、もう一回り大きい像を得られるように、スカイパトロールIIの操作に
慣れれば、使えるかもしれませんね。


※追記:
 Windows機によっては、C8の強拡大像は雲の果てにあるかのような散逸した印象の画像に見える場合もあるようです。
 強拡大でないほうの画像も、同じ環境で、全く立体的に見えない場合もあることがわかり、驚いています。
 私自身が持っている(自称)「高速PC」で今、このページを見て、椅子から転げ落ちそうになりました(^^;)。
 その場合「C8画像が流石の成果、って、いまいちだし、文意がよくわからん。」と思われたかもしれません....困ったものです(^^;)。
 できれば、きちんと色・階調調整がなされた環境でご覧いただきたいと、毎度ながら思います。



○上空気流予想は理想。出撃するものの....。(2008/03/21。2008/03/26記。)


この夜はジェット気流予想が真っ白無風の理想状態であることを確認していました。それほど早くはない仕事からの帰宅後、
C8一式と屋上に出ました。星の瞬きで上空気流の良し悪しを判断するということを、私はなかなかうまくできません。
この1年の視力悪化より前からそうでした。落ち着きがないのでしょうか(^^;)。

この冬、体験した一番酷い気流でした。日中の気温低下を気にはしていました。気圧配置が予想とは違ってくる懸念はありましたが
まさかここまで酷いとは思いませんでした。
視直径がかなり小さくなった火星像の前を、横殴り濁流のような気流が、絶え間なく流れてました。
あれがジェット気流でないなら、一体何だと言うんでしょうね。
LV8-24mmZoomを最低倍率(24mm位置)にしても合焦ポイントが全く定まりませんでした。1シーケンス撮って、撤収しました。
1956フレーム合成。周囲カットだけで縮小処理はしていません。風の中のライターの火状態だったことを思えば、輪郭だけでも崩れず
に仕上がっただけでも奇跡的かもしれません。





火星はまた風上にあり、かなりの風がありましたが、防風の工夫もできませんでした。その上、月明かりで屋上は明るく、また例の
山側のマンションの人がベランダから設営前の当方を見つけて、首を伸ばして凝視するような、まるで舞台役者のような立ち振る舞い
も見え、落ち着きませんでした。(一体何をしている人なんでしょうか。タバコですかね....。)
月も出ていましたが、もうこうなると撮る気分にもなりません。

その1シーケンスから仕上げてみると、輪郭だけでも変形無く写っただけ奇跡のようです。(1956フレーム合成)
先日のC8土星像のデータも整理する間もなく、HDDから全消去しての出撃でしたが、甲斐がなかったです。
こういう時は後がしんどいですね。週末の職務の疲れもあり、どっと疲れました。



○視直径7.4秒での奇跡(^^)。有終の美を飾る火星像。(2008/03/22。2008/03/26記。)


この冬最悪の夜があけ、次の日は再び暖かくなりました。あれほど大ハズレをするなら、上空気流予想はもうあてにしません。
夜まで天気が持てば、昨夜よりは条件がよさそうだと思っていましたが、夕方になるにつれ、薄曇から完全に曇となりました。
夕方前から温度順応していたC8はベランダから引き上げようかと思っていましたが、夕飯終えて空を見るとなんと晴れており、
それから急いで準備をして22時過ぎに屋上に上がりました。

昨夜より気温が高い分、像は安定しているようで、まずは最大倍率から撮影を始めました。気流安定している場合は、倍率が高い
ほうが、合焦ポイントが薄くシビアになる分、合焦を追い込み易いのです。
6シーケンス撮影している間に、だんだん像が荒れてきたので、途中から倍率を下げました。
下げればまた模様がモニタ上で確認できるようだったので、早く倍率を下げればよかったと思いながら、再度合焦の追い込みを
やっているうちに、だんだんどこが合焦位置か分からないほどに気流が荒れだしました。

23時前にもなると仰角が低くなってしまい上昇気流の影響が出たのかもしれません。倍率を下げた途中では北極冠らしき存在が
PC画面のモニタで分かる瞬間があったので、さっさと撮影に入ればよかったです。

時系列で公開します。視直径7.4秒での撮影とは思えないほどの像の大きさと詳細分離ができています。
5シーケンス8982フレーム合成です。LV8-24mmZoomは最高倍率の8mm位置です。





火星像の下の部分に北極冠生成(倒立像なので)または濃密な生成前の雲がはっきり確認できますね。
その白い輝度の高い部分と普通の部分の境界が火星の経度に並行でなく、かなり南(上)にずりあがっている部分があります。
面白いですね。また境界も太く濃厚です。

ほぼ黄金位相の模様詳細がしっかり写っています。階調も滑らかで、非常に美しいと自分で思います。
(毎度ながら、色相・階調を入念に調整したディスプレイでご覧下さることをお願いします。ザラザラで暗めに見えているPCは
調整の余地が大アリだと思いますよ。^^)

倍率を落とした最終4シーケンス7417フレーム合成からの画像は、合焦の追い込みに時間がかかったことを反映して、遅い筈の
火星の自転が随分動いた後になっています。子午線湾への腕も影の部分から、より鮮明に現れており、時間が経過したことが
良い具合に作用した感じです。気流が安定していたら、すぐにHDD満杯まで撮影をしてしまったかと思いますので。





気流が暴れて合焦位置が分からないほどになったので、取得を4シーケンスで中止したのですが、ここまで仕上がりがしっかりする
なら、HDD満杯まで撮影を続行してもよかったです。といっても、もう残り1シーケンス程度の余裕(1GB)しかありませんでしたが。

「銀次の部屋40」に掲載した2005年の火星接近末期、視直径6.7秒の火星像の小さかったこと....。まあ7.4秒のほうが若干大きい訳
ですが、その時に得た満足とは比較にならないほど、今回は大きな満足を得ました。(以下画像は当時の再掲)





撮影終了時にはもしかしたら、今夜が生涯最後の火星撮影になるのかも、と、ちらっと思いました。
次の接近はもっと冬場にかかって気流条件が悪くなり、最大視直径も小さくなるからです。興味もいつまで持続するものかと思うと、
尚更です。ですが、視直径7.4秒でこれだけ撮れるなら、また次の接近(2009年末~2010年明け)も、時折は撮るのでしょうかね(^^)。



○同夜。C8+F31fdでの月面。(2008/03/22。2008/04/04記。)


前夜、全く撮る気にならなかった月面も、こうなれば気分良く撮ります(^^)。
ただうっかり一旦、NexStar架台の電源を落としてしまったので、再度初期設定から始めるのには迷いましたが、天候を考えると
当夜撮影をしておくのが、労力的にも理想でしたので、設営再開しました。

C8は銀次に比べて焦点距離が長いために、月面全景を撮るには、常用しているLV8-24mmZoomより長い焦点距離のアイピースが
必要です。Vixen PL40mmを持ち出しました。汎用アダプタで寸法が合わない苦労も過去に調整済でした。
しかしこの夜は、C8の副鏡の影が月面像に色濃く落ちて、なかなか構図が決まりませんでした。
これが酷く目立つ時とそうでない時の差は何でしょう。アイピースの見口とF31fdのレンズ先頭の距離を変えてみたり、いろいろ
現場で試行錯誤しましたが、効果はありませんでした。
結局、そのまま撮影してみると、モニタ時と撮影時で絞りや合焦位置が違うのか、かなりその現象が軽減されることが分かり、
そのまま撮影を続けました。多少の濃淡は後処理で調整できると思ったのでした。






仕上がり画像で見る限り、副鏡の影はどうやら問題なさそうです。なぜ問題でなくなったのかはよく分かりません。
その現象がなければ、もっとスムーズに撮影に入れたので、不可解な現象は理由の理解と回避策を考えておきたいものですが、
今のところ、皆目見当もつきません。

F31fdのズームをアップして、合成拡大率を上げると、副鏡の影はモニタ上でも完全に消えていました。
C8らしい暖調の、ゴツゴツと質量感がある拡大像が得られました。






しかし、拡大した月面の狙う構図によっては、全くピントが合わないところもありました。
よく私が三点セットで撮るうちの、残りの1つ、Tycho周辺については、今回、全コマのピントが大きく外れていました。





セットの三点は条件を変えては巡回するように連続で撮っており、合焦操作状態は他のコマと全く同じですが、不可解です。
固定ピント(無限遠)などで撮ればよいのかもしれませんが、E5000時代から通して、AF撮影以上にうまく行った試しが
ないので、今回もトライしませんでした。(というか、F31fdの小さなモニタではピント大ハズレが察知できず、それを知った
のは、自室に戻ってからのことでした。)
全景を撮るのだけをPL40mmで、拡大像はF31fdと相性がよいLV8-24mmZoomを使うのが良いのかもしれません。



○目が悪くなった?以前から気になっている現象について。(2008/04/20。2008/04/29記。)


当夜は短時間ではありますが、久々に落ち着いて月を見れましたので、ベランダでミニボーグ45ED+F31fdで撮影をしました。
遠景、全景までは問題なくお手軽に撮れましたが、拡大撮影が全然ピントが駄目でした。
前回、C8+F31fdでの撮影でも拡大撮影において、一部の特定領域を写したものだけ、合焦がおかしかったことを気にしていましたが、
今回は拡大撮影全コマがダメでした。

当夜はそれをPCで確認して再度、拡大撮影だけを入念にやり直しましたが、結果はやはり同様でした。
画像はかなり縮小率を下げて、ようやく見れるかどうかの合焦感になったもので、これ以上拡大すると、詳細が拡散してしまい
見られたものではありませんでした。







前回はPL40mmとF31fdのカメラレンズの相性の問題かと考え、接眼鏡を常用のLV8-24mmZoomにしましたが、結果は酷くなった
という訳です。これは一体どういうことなんでしょうか...(^^;)。

コリメート撮影はまず眼視状態できちんとピント出しができてから、レンズ付カメラ(デジカメ)を装着しなければなりませんが、
それに失敗しているのかもしれません。

想像以上に最近、目が悪くなっている感じがします。
F31fdの小さいモニタでは全く合焦感がわかりませんでした。
....というか、まずモニタそのものに目のピントが合ってない感じでした(^^;)。

お手軽撮影の筈が、やり直しやら、後処理での調整やらで、全然お手軽でなくなってしまいました.....(^^;)。

次の画像は問題のなかった遠景です。この機材ならではの拡大率です。





全景も問題ありません。ほぼ満月なのでクレータは目立たず平板っぽい印象ですが、模様の階調も豊富で、45mm口径での画像として
申し分ない写りだと感じています。





「なんちゃって拡大画像」をこの全景画像から作りました。全景画像の原版からあまり縮小しなければ、相対的に拡大画像と
なります。上記の合焦感を逸失した拡大画像と同じ画像サイズで仕上げてみました。
少々対象の拡大率は低いものの、全景画像の細部はかなり詳細に写っていることが分かります。






マニュアルフォーカス(MF)で無限遠にあわせるよりも、オートフォーカス(AF)に任せるほうが合焦の確率が高い、と
度々「銀次の部屋」に書いて来ました。望遠鏡側のピント出しも、それほど正確でなくとも、カメラ側のAFで合成焦点距離
の合焦面に合わせてくれるようだ、とも書いてきたかと思います。

それらの理解は変わらないのですが、既にAFが追随できない範囲に至るほどの位置を、私の目が悪くなったために「合焦して
いる」と思っているのではないか、ということでした。
そしてそれは合焦範囲が狭くなる高倍率において顕著に出るという感じではないかということです。

遠くを見るときのために作った眼鏡を使えば、F31fdのモニタを見るには却って邪魔ですが、眼視でのピント出しには改善がある
のではないかと考えます。何せこの歳近くまで、眼鏡と無縁の人生でしたので、眼鏡をかけながら接眼鏡を覗くとかには、かなり
不慣れなところがあります。次回は眼鏡でピント出しに改善があるか確認してみます。



○屋上でC8による土星を。火星は....。(2008/04/29。2008/05/03記。)


中国からの公害を含んだ黄砂が年々酷くなっている印象です。春霞だけによる透明度低下とは考えられません。この数日の晴れている
のか曇っているのか分からない気象には閉口してしまいました。晴れた夜でも恒星はおろか惑星も見えない夜が続きました。
当夜は少しその状態がましで、恒星も眼視で確認できましたので、C8一式と屋上にあがり、火星、土星を狙いました。

遅い夕食が災いして、火星の高度は低くなっており、眼視で確認しても、既に火の玉状態でした。
一応撮影してみましたが、まともな像にはなりませんでした。前回の有終の美で止めておくほうがよかったですね(^^;)。
アイピースはLV8-24mmZoomで、24mm位置。更に50%縮小をかけています。2114フレーム1シーケンスからの仕上げです。





火星撮影が徒労に終わった裏で、土星がようやくNexStar架台でも向く仰角に、天頂から降りてきました。
眼視で確認したところ、火星と同じ空にあるのか、と思うほど土星周囲の気流は安定して、ピタッと像が止まっていました。
しかし撮影に入り2シーケンス目あたりから、急速に像が脈動し始め、次第に合焦感まで怪しくなってしまいました。
最初のシーケンスだけを使った画像と4シーケンス合成での画像を以下に掲載します。1492および7656フレーム処理です。






どちらもカッシニの空隙がはっきりしませんね。拡散して形状が変形するほどではないものの、くっきり暗黒に抜けない感じです。
単シーケンスからの画像も複数シーケンス合成での画像も詳細の写り方は変わらないようです。よほど2シーケンス以降の気流状態が
良くなかったかを想像できますね。複数シーケンス合成からの画像の利点は粒状性と階調ぐらいで細部抽出には貢献できていません。
真っ黒に抜けるすっきりしたカッシニ空隙を撮ることは、そんなに困難だったでしょうか。従来より環を見る角度が浅くなっているので
空隙もかなり斜めから見ることになり、細部の分離には不利なものがあることを考えると、この程度でも満足すべきなのでしょうか....。






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