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○巨大なビルと小さな月。(2007/11/15。2007/11/20記。)


最近は土曜日の夜に晴れれば惑星撮影をするという感じになってきました。平日は帰宅も遅くなかなかゆとりを持てません。
この夜はまだ残業中でしたが、作業の一区切りをつけて非常階段側の窓から外を見ると、近辺のビルの向こうに小さく月が顔を
出しているのが見えたので、職場フロアに戻りカバンからF31fdを持ってきて写してみました。





F31fdを窓に押しつけるようにして、ハンカチをかぶせるようにして窓に映る室内の反射を消して手持ち撮影しました。
巨大に見える人工物と本当は大きいのに遠くにあるために小さく見える月の対比、人工燈の冷たい色と月の暖色の対比、直線と曲線
の対比、人口密度過密と人口密度ゼロの対比など、いろいろな要素が対照的で良い感じです。
周囲をトリミングした部分拡大も添えてみます。





日常生活でゆとりがなくなると人工構造物の中で味気なく生活に追われている気ばかりがします。
しかしその上にはいつも空があり、周囲には自然があるのです。晴天でなければ天体は見えませんが雲だって立派に自然事象です。
惑星撮影の際は邪魔物扱いの雲ですが、秋らしい気候のせいか最近は雲が美しく、F31fdで朝の通勤中などに撮ることも多くなりました。







○屋上出撃。また雲が。今回の成果はイマイチか。(2007/11/17。2007/11/20記。)


昨夜は門限23時でベランダ使用を許可貰っていたものの、別途の用事に関わったままうっかり設営が遅れ、結局屋上に上がりました。
最近、出撃ができる唯一の機会となった土曜の夜に天気予報と関係なく晴れるのはありがたいです。週1と決めると火星最接近日も
近づいていることもあり、逆に頑張れます。この夜、視直径は13.8秒角。そろそろ最接近時と変わらないほどになって来ました。

設営直後は気温もまだ高く気流も安定していましたが、また直前から雲の横断に逢い、通過を待機した後は、視野までレンズに息が
かかったかのように曇り、かなり条件が悪くなりました。
まずToUCam画像です。5シーケンス連結で6525、6870フレーム処理のもの。それぞれ後処理で若干縮小したものも添えます。
LV8-24mmはf=10mm前後でした。先日最大倍率のつもりがそうでなかったのが心残りだったので、最初から強拡大に調整して
写しましたが、気流条件と合わなかったようで、散漫な印象となりました。NexStar架台の制御上も拡大はこれが限界でした。
(アイピースかCCD上のゴミなどの影を避けて、フラフラカックンな個体の架台でうまく対象を追尾するには、写野の中である程度、
背景の広さにも余裕が必要です。) 








その後に一種保険的な考えで、若干縮小拡大率のシーケンスも撮りました。5シーケンス連結で5578フレームです。
ただ思い切りが悪く拡大率を縮小するのが不足で、これでもまだ散漫ですね。上出と同様に後処理で若干縮小したものも添えます。






気流状態が悪かったせいかRegistax3でスタック処理した際に約4割近くのフレームが良好な状態のものも多数あるのに、ハズレの
フレーム扱いされてしまいます。そのようなフレームは対象の中心判定が外れており、無理にスタックしても像がきれいに重なり
ません。画像が散漫なのも理由の1つにそんなことがあるのでしょうか。データを無駄に捨てないでで済むなら、もう少し画質が改善する
だろうと思うのですが勿体ないです。

この夜はまた先日の状況を録画したものを再生して見ているかのように、屋上に上がった頃に雲が湧き出て、設営完了とともに雲の列が
火星の仰角を連続で邪魔し始めました。結局、撮影開始は設営後2時間もたってからでした。屋上での待機は寒くて厳しいですが、あまり
深夜に屋上や廊下を往来するものではありませんので、ここは我慢することにしました。
ベランダと違い風向きによっては風を遮るものがないので完全装備で上がっても、どんどん身体が冷えていくのが昨夜は分かりました。
そういうのが辛いと思う時もありますよね。趣味でやっているのだから、辛いならやめればいいと周囲は思うのでしょうが。





撮像開始から約30分、雲がない状況が続きましたが、再び西の空にあった雲の塊から一群の雲が襲いかかるように急速に来ました。
何だかまるでオオカミの横顔にも見えます。ToUCamでの撮影中でしたが、そのままF31fdを片手で掴み、接近と形状変化を撮影して
みました。(右画像の光点が火星。上出および以下も同様。)





危うし火星(と言うより火星は雲の向こうで無関係なので本当に危うしは火星撮影中の私^^;)の瞬間には雲に目鼻ができて、こちらを
あざ笑うような感じに見えました。火星に食いつく直前に、こっちを見る感じに少し顔を下げつつニヤッと笑う感じが意地悪そうです。
その瞬間も左手ではNexStar架台のフラフラカックン状態をコントロールをしながら火星撮像は続行していましたが、気流状態も悪く
甲斐が無さそうだったので、右手でのF31fdでの雲の撮影のほうが何だか面白くなってしまいました(^^)。





幸運なことにそれらの雲は顔を下げた状態のまま、火星の仰角の下をすり抜けるように流れて行きました。なのでToUCamでの撮影は
続行できたのですが、雲のエッジが通過するせいか、それともこの雲の到来とともに急速に気温が下がってきたせいか、モニタ上
の火星は急速に火の玉状態になって行きました。





低速PCのHDD容量が底をつき、まだ雲の縁の上に火星は出続けていましたから、2倍バーローレンズ+LV4mm+F31fdに替えて
強拡大撮影をしましたが、気流条件的には厳しかったようです。眼視ではアイピースに息がかかったかのように白くハレーションを
起こしてさえ居ましたが、コリメート法接続したF31fdのモニタでは縮小表示の効果か、それほど酷くは見えなかったです。
若干縮小したものも添えます。3シーケンス連結で4592フレーム処理です。






オーロラ湾を狙っての出撃でしたが、雲の通過を待機している間にオーロラ湾はかなり欠け際に没して、太陽湖なども見えているよう
です。ToUCam画像ではオーロラ湾から下って北極(最下部)に至る運河状の部分はやけにしっかり濃淡が出ていますね。
北極(または極冠ドーム)は均一な形でないのが両方の画像で確認できます。F31fd画像は色調優先に処理していますので、あえて
色収差などの補正も積極的にしていません。補正をするとオリジナルの美しい本体の色合いがくすんでしまうのです。

結局、画像はしっかり模様が出ているのか、そうでないのかも判断できない奇妙な仕上がりになりました。
でもまあこの夜は雲が面白く、記録もできたのでよかったです。ベランダ設営23時終了では味わっていなかった訳ですから、うっかり
設営時刻を逸しての失敗も、ラッキーなことだったと思うほうが楽しいです(^^)。



○追加処理。何と期待しなかったF31fdの残りのシーケンスから。(2007/11/17。2007/11/20記。)


あまり期待せずF31fdの他のシーケンスも処理してみました。F31fdの小さなモニタでは気流の良し悪しも今ひとつはっきりしません
でしたが、直前の合焦操作時にはあまり良くない状態だったことを確認していました。
が、これは比較的に気流が安定していたようです。3シーケンス連結で5377フレーム処理です。
画像に見かけ上の締まりを与えるための縮小はこの画像には不要でしょう。むしろ周縁部の階調に無理が出ますが、模様の叩き出し
に強調処理したものを添えます。






特に強調処理をした画像は、PCの液晶モニタを眺める上下角度なども変えて(濃淡が若干変わりますね)、じっくり眺めていくと
どんどん詳細が見えてくるような不思議な感じがします。今まで私が火星を撮った中ではもっとも繊細な模様の写りをしている
感じです。濃淡の階調が自然な幅であるために、却って濃淡が奥深い印象がするのでした。太陽湖の構造などは見れば見るほど
しっかり詳細が出ていますよ。(再生側環境でちゃんと再現できているでしょうか....。)
火星本体最下部の南極(または南極ドーム)が緯度に並行でなく、飛び地のように色彩が飛んでいるところが顕著で、これはもう
霧や雲ではなく霜や雪など固体の存在を感じさせますね。......これは何だか凄いですよ(^^)?
この夜は雲にめげながらのToUCam撮影の後に、くどいかと思いつつもF31fdでの撮影を追加しておいて甲斐がありました。



○ベランダ設営で火星撮影。悪気流の割には満足。HPアクセスが11万件に。(2007/11/23。2007/11/25記。)


上出の火星を撮影してから数日、気流状態は悪かったと「掲示板のコーナー2」のご常連各位から情報がありました。先日の私は
かなりラッキーだったのだと認識し直しました。

当夜は祝日で他の用事を一段落できましたのでベランダ設営が可能な時間帯に火星撮影の機会を得ました。
その先日よりは悪い気流でした。線香花火の最後のように急にブルブルと火星が音を立てるかのように縮み上がる瞬間が何度もあり
成果に期待はしなかったのですが、やはり最接近と黄金位相が近いこともあり、その割には絵になったかと安堵しました。

C8+F31fd+LV4mm+2倍バーローでの眼視1000倍強拡大コリメート撮影、5シーケンス連結、9060フレーム処理です。
結局「掲示板のコーナー2」へ速報として公開した画像の時点で5シーケンス連結処理したこともあり、それほど変わり映えしない
かもしれません。子午線湾とそれに至る腕の部分がしっかり確認できます。オーロラ湾端の「モミアゲ」もうっすら見えます。





その後、気流状態は悪くなり、F31fdの小さなモニタ上でも火星像はますますチリチリになって行き、合焦の補正操作が満足にできない
状態となり、ちょうど門限の23時が来ましたので、撮影を切り上げ、機材を撤収しました。





最初の5シーケンスが当夜のベストでした。満月も近く、できれば屋上展開は差し控えたいところですので、収穫はこれでもあったと
考えています。


ホームページ全体のアクセスが11万件を超えました。「銀次の部屋」にアクセス頂く方々のおかげです。
ありがとうございます(^^)。



○紅葉散策。近場の中山寺に。(2007/11/23。2007/11/25記。)


今年は去年のように紅葉シーズンを逃してしまわないように考えていますが、最近、結構充実の毎日で(といえば聞こえはいいですが)
極度の睡眠不足や疲労も結構ありまして、せっかくの3連休中に人混みの中、遠くまで紅葉散策に行く気にはやはり至りません。
まあ普通の週末より休みが長いのだから遠出しても疲れも残らないのに、とかも思うのですが、せっかく家の近くに中山寺があるのだ
からと、この日、改めてEOS20Dと散策してみました。Contax銀塩カメラ時代にはよくテスト撮影で訪れたものです。
わざわざ遙か遠くから観光と参拝に来られる名所でもありますので、たまたま家から手軽に行ける距離だからと軽視することはないです。
(徳島県の高速道路脇で看板をみかけたこともあり、徳島県にも中山寺ってあるのか?とか思ったことがありました。看板に所在表示
があり、それは兵庫県宝塚市にあることを示していました。)

おりしも七五三で寺の境内は人がごった返してました。小さい子を連れた家族を見ると昔を懐かしく思いました。





一歩奥に進み「中山観音公園」に至ると、半ば期待した通り、ほとんど誰もいませんでした。ここは春の梅シーズン以外は忘れ去られた
スポットでもあるのでした。


  



紅葉は数えるほどしかないのですが、写真のマジックで沢山の紅葉に包まれているような印象にレポートするのは容易です(^^)。
まあ最近に比べると気温も高く、日差しもよくEOS20Dの光学ファインダーを通して見る紅葉の赤は、充分遠くの紅葉の名所に行った
のと同じような感激をくれました。


 

 



次の2枚はちょっと縦横レイアウト処理に困った画像ですので、同じEOS20Dでの撮影ですが6×6版銀塩写真のような画角で(^^;)。
右像は最近立てられた仏塔で、色が鮮やかです。本来の日本の寺院文化は全然枯れた渋さなどなくてこのように豪華絢爛だったそう
ですね。


 



最後に阪急中山駅南口ロータリー内にある、以前から気になっていたラーメン屋に入りました。
「TVチャンピオン優勝者プロデュース」とあります。ちょっと期待したい一方、そのプロデューサーの名前に「氏」がついているのが、
その優勝者が日々の営業には全く関与していないことを感じさせますね(^^;)。夕方ということもあってか店内にお客は誰もいません
でした。平日は22時までの営業だそうで、私は山本駅での最終バスに間に合わない夜だけ、隣の中山駅まで来ますので、この駅に来る
時はいつも店が閉店後ばかりでした。最近バスの接続の関係で早い時間帯にここを通り、そんな店があることを知りました。
店はそこそこの広さですが、厨房も広いスペースがあり、中にスタッフも3人、こぎれいでした。フロア担当はアルバイトの高校生さん
のようでしたが、食券機の案内や、水や荷物置きのカゴ出し、食後のサービス券の出すタイミングなど、しっかりしていて好印象でした。


 



味噌ラーメンを頼みました。お代は650円なり。レンゲが右手に置かれたのは「まずスープをどうぞ」ということか、と思いました。
味は少しあっさり薄い印象です。まさか湯切りが不十分なのかと一瞬思うほどでしたが、麺周囲でスープの濃淡がある訳でないので、
これが意図した濃度なのでしょう。麺も独特で、写真に見えるモヤシと同じような、中太の少し透明感のある直麺でした。





昔、袋入りの高級インスタントラーメンにこんなの感じのがあったな、とか思いながらも(「中華三昧」とか「華味餐庁(かみさんちん。
字忘れてネットを調べたらありました)」とか「マダム楊(ヤン)」とか)悪い印象はなかったです。薄目の味なのでスープも全部
飲める感じでした(確かに飲み干しました)。店内に「印象に残る味」と店主の書があり、扉にも同じ文言がありましたが、それには
残念ながら至ってないかもなあ、とは思いました。
わざわざ食べに行く店ではない感じですが、ご近所の方や中山寺参拝など何かついでがあれば、古くからある寺周辺の飲食店に入って、
工夫がもう30年は為されていない印象の茹で置きの蕎麦やうどん、丼を頂くくらいなら、お試しになっても悪くはないと思いました。

「薄めに作った華味餐庁(スープに浮かぶ黒点といい、一番近いのが古い記憶にあるこれでした)にこの値段か」という見方はある
でしょう。でも茹で置きしたふにゃふにゃの蕎麦でもその位のコストはかかるのです。そういう意味では、この店の最大の弱点は
「そんなのだったら店の前のバスにさっさと乗って家に帰って何かインスタント物でも作るよ」というところかも知れません。
バスの間隔が開いて入る店です。バスを1本送ってまで(都会と違って時間帯によっては結構決断が必要です)入る魅力には至りません
のでこの立地は却ってアダとなるかもしれません。(この節、あくまで私の主観です。味に絶対評価などあり得ませんしね。)



○連夜のベランダ設営で火星を。門限あたりから急速に気流の改善が。(2007/11/24。2007/11/26記。)


3連休の恩恵で連夜の出撃となりますが当夜もベランダ設営で火星を撮れました。連夜、彗星も狙っているのですが、満月近い月の
明るさと設営時刻の出遅れでなかなか機会を得ていません。
前夜と同様、ベランダ設営では有効時間が短いので、F31fdとC8での眼視1000倍強拡大でのコリメート撮影を優先して撮影をしました。
F31fdの小さいモニタでも模様の存在が分かる一方、輪郭の暴れはかなり酷く、成果がどうなるか全く読めませんでした。






ヘラス盆地や大シュルチスも欠け際に没する前を捉えることができ、ほぼ黄金位相の画像となった一方、先日のベストのような繊細な
描き切りには至りません。全ては気流次第というところがもどかしいですが、仕方がありません。

前夜のデータの初期化をしておくのを忘れていたことを後で気づくのですが、そのためにベランダ門限までまだ30分近くあるのに、
F31fdの容量を使い切ってしまい、折角ですから低速PCとToUCamも持ち出して来ました。
同じ拡大率でのF31fdとToUCamの競合評価を更に重ねてもよかったのですが、所詮はその時の気流次第と分かってもいましたので、
過去に何度かやろうとしてできなかったLV8-24mmの最大倍率(8mm位置)での間接撮影を試みました。

フラフラカックン状態のNexStar架台でのコントロールも骨が折れました。結果的には過剰拡大で像は散逸してしまいました。
が、まあ宿題を片づけたような気分にもなりました。





当夜の気流状態では上出の原画像の50%縮小くらいの像の大きさで丁度良い感じですね。





充分データ取得して、門限の23時も来たので、そろそろ撤収するか、と思った矢先、低速PCのToUCamモニタ画面の火星が急速に安定
し始めました。模様がしっかり見える瞬間が増えました。強拡大撮影を続行する誘惑にも感じましたが、ベストを狙うことを優先に
しました。先日のToUcamでの撮影時の反省もあり、中途半端な拡大率減少ではなく、充分拡大率を下げて更に5シーケンスのToUCam
撮影を追加しました。

それまでに撮影したデータを全部捨てたい気分になった一方、この先気流がまた悪くなるかも知れないと思えば、判断がつきません
でした。この点、F31fdにしても低速PCにしても容量が豊富にあれば、そういう究極の選択のようなものを現場でしなくて済むのですが
残念です。

結局門限を30分ほどオーバーしてしまいました(^^;)。その門限破りの時間帯にToUCamで撮った最終5シーケンスからの画像が当夜の
ベスト仕上がりとなりました。所詮、画像の出来はその時の気流の安定次第、と普段は言うものの、ここまで高精細画像に仕上がれば、
やはり胸が熱くなる感じがします。門限破りの追加撮影の甲斐がありました。





次週末の天気予報は下り坂です。当夜、満月近い明かりがなければ、門限のない屋上展開を昨夜はしておきたかったところでした。



○ホームズ彗星。宇宙のクラゲからオバケに。(2007/11/25。2007/12/01記。)


満月が近い明るさや設営時刻の出遅れなどの事情で、毎夜ベランダ設営ではホームズ彗星を確認できなかったのですが、当夜ようやく
撮影ができました。お手軽にEOS20D+SIGMA18-200mm+スカイパトロールIIの構成でのベランダ出撃です。
ワイドビノ28では位置がわかりませんでした。彗星自体がかなり暗く拡散したことと、当夜が満月で、月光が邪魔になるのが
最高潮となったのが理由として大きいでしょう。「掲示板のコーナー2」にご常連各位様が画像を掲載して下さってましたので、
ペルセウス座α星周辺にあるということは分かりましたから、α星周辺をEOS20Dで狙ってISO800、30秒露出をかけてみると、
ベランダの屋根ギリギリにありました。最初は光の点だったことを考えるとかなり大きく拡散した印象です。





Photoshop5.5を使ってのレイヤー処理で、各枚をダーク減算(光を遮蔽して同時間露出したコマとの「差の絶対値」50%処理)
済みのものを5枚コンポジットしました。汎用ズームレンズは無限遠位置でカッチリとクリックがなく、またズーム焦点距離に
よって、若干無限遠の合焦位置がズレるようだと毎回撮影のたびに感じます。これは約80mm(35mm画角で約135mm相当)での
撮影です。今回も夜景で無限遠の確認をして狙っているのですが、若干星像が甘いですか。
200mmでは何度やっても30秒露出で星像が流れるため(設営がいい加減なせいなのか)10秒で行いました。
星像は止まりましたが、10秒露出なら赤道儀が要らない感じです。星像は80mm時より安定してますね。





レベル調整とかなり強めのトーンカーブ処理をかけてみますと、半透明だった彗星がしっかり実体を見せてくれます。
画像が荒れてCMOSのアラも見えるのは対象が明瞭になるのと良し悪しですが。部分拡大もしてみます。






増光してから尾が見えるかどうかと言われた時期には、こっちに向かって飛ぶオバケのQ太郎のようにも、処理によっては透明感
のあるエチゼンクラゲにも見えたホームズ彗星でしたが、再度オバケっぽくなりました。今度はオバQでなく心霊写真のような
リアルなほうのお化けですが(^^)。



○宝泉院。去年に引き続き訪問。今年はライトアップに期待。(2007/11/28。2007/12/01記。)


京都大原の宝泉院に今年はライトアップ催事を見に行きました。既に終わっていた紅葉風景の名残を「額縁庭園」の中に求めて
2006/12/23に訪れて以来のことです。(「銀次の部屋47」参照。)
ライトアップ期間が思ったより早く、2007/12/03(日)終了と知ったのは、その週初め、つまり数日で期間終了の時期になって
からでした。去年ほどではないですが、今年もそういうゆとりがないのだと再認識しました。
今年は去年より周囲近辺での紅葉の進み具合が遅いように思えたのも、うっかり油断させられました。

この日は会社の残業禁止指定強化日で、大手をふって(^^)、夕方定時に職場を出ることができました。
(残業をすることが当然の習慣になっている職場でなければ、この発想自体、理解されないかも....。)

去年の京阪電車→京都バス→現地のルートより、JRか阪急→京都市地下鉄→京都バスのほうが早く着くようでしたが、職場を
出て早足で飛び乗る予定だった阪急の「通勤急行」が待っているホームと違うところに来ていることが分からず、京都バス待ちの
ロスタイムで、あまり変わらなくなりました。
(ターミナルの柱で何号線が先発かが見えないという、いかにも私らしい状況もありました(爆)。)
ライトアップ催事があるのに現地バスの臨時増発は昼間だけで、夜の時間帯はバスの間隔が30~60分程度あり、その接続を考えての
慌ただしい職場出発でしたが、上記の失態にて6分遅れの「通勤特急」で追ったものの、追いつかず、結局京都市地下鉄終点の
「国際会館」駅で40分のバス待ちとなりました。

さぞ沢山の人がバス待ちをするだろう、帰りは本数のないバスにあぶれてしまった場合、現地から地下鉄まで遠いのにどうするか、
などと考えていましたが、40分待って乗ったバスは大型でしたが乗客は3人でした。「もしかしたら今日は休みとか?」とか
不安に思いましたが、そうではなかったのでした。ちなみに帰りは2人でした。

ライトアップは大原の各院共通の催事ではなく宝泉院だけでした。そのため参道の店舗は閉まっており、明かりも消え、女性1人では
物騒で参道を進めない雰囲気でした。三千院なども集まっているあたりに来ても、足元も怪しいほどの暗がりのままで、ようやく近くに
なって灯篭などが出てきました。去年、1人で日中訪れた時にも不案内を感じた経験がなかったら、暗闇で途方にくれたに違いありません。
時々ガイドの案内で足元を照らされながら戻ってくる人の流れの逆向きに、記憶を探りながら現地に到達しました。
(写真として絵になったものを下記に出しますが、暗くて絵にならないほどのところも参道徒歩10分の中には多くありました。)


 

 



境内に入っても人はまばらでした。土曜の日中に訪れた去年のほうが人は多かったです。
みんな黙々と携帯電話やデジカメで撮影に没頭されてました。惑星撮影の時と言うことが違いますが(^^;)、まずは目で見たいもの
です。惑星撮影と違って気流安定の間に一気に連続データを取得するような必要はないのですから。

期待したような色彩の奔流はなかったです。TVでの紹介や写真ではどうしても派手目な仕上がりとなります。
当日EOS20Dで写した画像も、やはり実際よりかなり見映えのあるものとなってしまいました。
(それは悪いことばかりではないですが、記憶とは違ってしまった戸惑いは大いにあります。)







実際はもっと電球の力が弱いということ以上に、色彩が黄変してしまって、残念ながら紅葉の色彩感もあまり感じられない印象でした。
目が充分慣れると、光の当たっていない部分の闇の深さに幽玄を感じることはできましたが、昼間のように庭園の向こうに比叡の
借景を望むことは当然できず、庭園の広がり感を損う印象は想像以上に大きかったです。
それを違った趣として楽しむのは良いと思いました。

全画像はEOS20D+SIGMA18-200mm、ISO800でのノーストロボ、手持ち撮影です。三脚も一脚も使わずにこれらが撮影できるのは、やはり
素晴らしいことです。F31fdでも撮りました。そもそも道具の大きさや取り回しの容易さなどが全然違う2者なので画質比較に意味は
ありませんが、折角ですから内容重複するものの3画像を掲載します。F31fdの画像もノーストロボの手持ち撮影です。驚異的ですね。


 




去年のようなご年輩の集団が居られない(もうお休みになる時間帯とか?^^)ので、静けさは充分ありました。
若いカップルさんは個人の世界に没入されているので、去年のように大声の会話で静寂を壊されることはなかったです。
周囲は若いカップルか母娘の2人連ればかりでした。(「母」といってもきっと私よりお若いのではないかと思いますが^^;)
普通の人なら(私は違う?)1人では寂しいと感じるかもしれません。

水琴窟の音は部屋の隅の壷の中に仕込んであるエンドレステープの音が庭先の本物の音より勝っていることを、前年の
訪問時にご年輩の方の要らぬ「大声での発見説明」で知ってしまいましたが、それでも趣は損なってはいませんでした。
(勿論、私は今年それを現地で誰にも伝えてません。興ざめですよね。私も知りたくありませんでした^^;)

境内から出ると、ところどころ外灯の近くで紅葉が見られました。多くは闇の中で全体の色彩は分かりませんでした。
ストロボを使って帰路道中何枚か撮影をしたものは、多くは紅葉前の印象でした。(合焦が怪しく公開はしませんが。)


 



21時閉門の後、21時25分発のバスで現地を出発しましたが、自宅に着いたのはもう日付を充分超えていました。
昼食以来、食事のタイミングもありません。その点、結果的にかなりの強行軍でした。知り合いを誘っていたなら、きっとこれが
理由で疎縁になったかも知れないと思えるほど、アトラクション性に薄く、一種修行めいた行動となりました。
ただ私は約70分、誰の空腹と退屈にも気遣わず、そこで充分、趣を堪能できました。

人生、あと何回、この趣を味わえるのでしょう。去年以来、秋になるとそのことを強く意識するようになりました。
私がこの空間に求めるものを共感して貰える人は私の周囲に居ないと思いますので、今回も1人で行って正解でした。

ここは日中が趣深いです。もしかしたら去年の時期と雰囲気がベストだったみたいです。日中は同じ拝観料800円で抹茶とお菓子も
つきました(些細なことですが、雰囲気を味わう道具として悪くありません^^)。
訪れないと、去年同様にTVなどで派手に紹介されているライトアップのことがいつまでも心残りとなったでしょう。
その意味では今回無理目の強行軍でも平日の定時後に訪問してよかったです。私には週末の時間を使うには少し惜しい感じでした。
勿論、お近くの方は訪問に往復時間もかからないでしょうから、判断の背景は変わってくるでしょう。












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