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○久々の銀次出動!(2007/10/21-22。2007/10/27記。)


ベランダから月を眺められる位相となって来ました。久々に銀次を温度順応させ、月面撮影をしてみました。
Finepix F31fdでのコリメート法撮影によってC8での月面撮影も1ランクアップした質の画像を得られるようになりましたので
銀次においても、大いに期待するところがありました。

まずは銀次+F31fdでの月面全景です。アイピースはLVZoom8-24mm。流石の超濃密な画像を楽しめます。





近接画像がまた物凄い迫力です(^^)/。





同じ条件での撮影ですが、こちらは少し合焦が甘くなったのか、補正後にクレータの淵がすっきりしないところも探せばあります。
撮影時にF31fdの液晶モニタではコマごとの撮影直後に拡大させての確認もしながらの撮影でしたが......。ちょっと残念です(^^;)。





次はミニボーグ45ED+F31fdです。スカイパトロールIIでの自動追尾+低速シャッターにより小口径の光量不足をカバーできています。
アイピースはLVZoom8-24mm。250mm口径の銀次と比べては遜色があるとも言えますが、この全景は大いに善戦もしています。
あまり善戦すると重くて大きい銀次の立場がなくなりますが、流石に銀次画像と比肩するほどにはならないので、両者それぞれに持ち味
がある、という当然の評価ができます(ちょっと安堵^^)。





次の拡大画像2枚は少し合焦が甘かったようです。先日来、気にかかっているF31fdでの強拡大合成焦点位置でのオートフォーカス検出
仕様の問題がまた出たか、という印象です。これでも撮像時に拡大再生して、合焦感には気を配っていたのですが...。
なので他画像より若干縮小してみました。






その一方、全景画像や次のように更に小さく捉えた月面画像ではオートフォーカス精度は安定しています。ミニボーグ45EDの短焦点を
利用しての「大きな宇宙空間を背景に小さな月面全景」を捉える画像は、焦点距離が長い銀次やC8では後処理で周囲を補完しない限り
無理ですので、持ち味と言えましょう。
どこまでが有効写野でどこからがアイピースの影なのか、という問題は皆無ではないですが(^^)、解像感豊富な「小さな月」像を撮る
には、この機材が最適です。





今までのミニボーグ45EDでのお手軽月面画像より今回は不本意な印象に終わったのは、銀次画像が凄すぎたせいもあるのでしょう。
ですが過去の作例を振り返ると、もっとクラス超越の画像を撮れていたようにも思えます。

なので次の夜、ミニボーグ45ED+F31fdで再度撮影してみました。
ただこの夜は薄雲が絶えず月にからんで、その分の解像度低下は否めません。







拡大画像も前夜よりはましになった印象ながら、以前ほどの驚異の解像感がありません。汎用カメラアダプタのデメリットもあるようで
月ほど大きな対象となると光軸に対してCCD面が完全に垂直をキープするのが、現場調整ではなかなか難しいと感じます。
コリメート法撮影では、まずは眼視状態で合焦操作の追い込みが必要ですから、アイピースとアダプタ、カメラを室内で事前に取り付け
調整する訳に行かず、現場でモニタで拡大再生しながら、取り付けを追い込んで行く必要があるのです。

月面の部分によって合焦感が異なる画像が不本意ながら多数撮れていました。現場でこの点も拡大再生しながら気を付けた上でのことです。
火星のような小さな像について、合焦感が部分によって異なるほどの影響は出ないでしょうが、大きな月面像の場合、それが明白に出て
しまいます。

E5000と違い、ボディに細工をしないと専用アダプタを取り付けられないF31fdですので、ちょっと困っています。
ビニールテープでの固定は万一の落下事故が怖いですし、テープがボディのレタリングを剥がしてしまう懸念もあります。
天体撮影用に1台、ボディの外装改造をしたF31fdを用意したいところでしたが、もうF31fdは市場にありません。(お金も...^^;)

眼視でかなり外れた合焦状態でも、E5000は無理繰りに合成焦点位置に合焦させる「腕力」がありました。まあそれも専用アダプタ
での光軸確保あってのことでしょうが。F31fdはそこまで至らないうちにオートフォーカス検出を「あきらめる」感じがします。
画質自体はF31fdはE5000より良好なので、E5000に戻そうとも思いませんし、ちょっとこの「八方塞がり」感は、撮影で得られる
達成感には程遠いものがありました。



○お休みを戴いての京都散策。時代祭に行って来ました。(2007/10/22。2007/10/27記。)


この日は京都の時代祭を見てきました。京都三大祭の最後の祭だそうで、何年か越しに見てみたかったものですから、今年は
職場にお願いをしてお休みを頂きました。
人も多かったですが、参列が展開する場所も広いので、混み合わず見ることができるのでよかったです。





そのうちに参列の進行が遅くなり、一旦確保した場所を離れ、その近くにあった蕎麦屋を探して行きました。
店名は「竹邑庵 太郎敦盛(ちくゆうあん・たろう・あつもり)」と読むようです(難しい^^;)。「あつもり」というのは、 一般的に「熱いもり蕎麦」を意味する洒落から出た用語だと私は理解していますが、それが名物との店です。
道脇に小さな看板がなければ、とても見つけられなかったほどの細い路地を入りましたが、そこにはありませんでした。
路地の最奥に右折すると長屋の路地に出ました。「公道ではないのでお静かに」という看板があるほどの狭い路地なのですが、
一見してその先にも店舗らしい存在は見あたりません。
その路地を進んでいくと、民家列に紛れてその店はありました。...というか全くの住居で開業をされていました。





それでも玄関をあければ店舗らしいフロアが展開されるのだろうと思いましたが、中も全く普通の住宅のまま、靴箱に靴を入れて
玄関を上がり奥の間(下左画像)の手前の6畳ほどの和室に通されました。室内も全く普通の住居のままで大いに当惑させられました(^^;)。
「名代」という文字も入った店名や看板とその店構えのギャップに戸惑ったという感じです。

名物の「あつもり」を頼みました。1斤(1人前)でも1.5斤でも同じ値段(820円)だとのことで、1.5斤をお願いしました。
先に薬味入れとダシと蜂蜜漬けの梅が出てきました。追って蒸籠で熱く蒸された蕎麦が来ました。
「どこに薬味とダシを入れるの?」とその時点で戸惑いました。が、どうやら卵とネギでてんこ盛りのこの薬味入れにダシと蕎麦を
入れて食べるようです。後ろには別のお客さんが居たのですが、振り返って確認するのもどうかと思い、また店員が厨房に下がって
しまったために、確認できないまま食べました。その「普通の住居の6畳の締め切った和室に見知らぬ他の人と居る」状況がとても
落ち着きませんでしたが、暖かい蕎麦は香りも良く、独特なふっくら感があり、食べ応えがありました。お勧めです(^^)。





参列が膠着気味で予定前半だけで1時間以上かかっていたのを見計らって、全部が通り過ぎてから飲食店が混む前に、と先に蕎麦屋
に行った筈が、たかだか30分弱の不在の間に、ほとんど残り全ての参列が過ぎてしまっていて、一番華やかな「平安時代」が行って
しまってました(^^;)。そこでそれから慌てて参列の後を追いかけました。参列が進むスピードはそれほど速くありませんので、
「平安時代」に追いつくことができました。






最後のショットは「清少納言」さんのカツラにトラブルでもあったのか、サポートが入ったところをラッキーにも写せました。
「掲示板のコーナー2」に速報(何の速報だか^^;)を出しましたら、ノボリの縦文字とサポートの制服の横文字、日本古風と現代風、
など対比が面白いと好評を戴きました(^^)。



○急遽の快晴。平日に屋上出撃するも....。(2007/10/25。2007/10/27記。)


今回は最大でも16秒弱の小接近とはいえ、火星の視直径が徐々に大きくなり「掲示板のコーナー2」でもご常連様が驚異の解像感
のある火星像を公開されるようになって来ました。また2007/12初頭の最接近時まで、もう大シュルチス、子午線湾、ヘラス盆地
など「黄金位相」を撮影できるのは、この時期を残して後がない(最接近時にもう一度はあるものの練習台としては最後)ということ
もあり、晴れれば平日でも撮影を強行するつもりで居ました。
この夜はまさにそんな感じで、ベランダでC8を入念に温度順応後、屋上に出撃しました。

しかし、屋上の鍵をあげて屋上に入ろうとした時に、なぜ私もそちらに目を向けたか分からないのですが、山側に隣接するマンション
の人が、室内から私の影を見つけられたらしく、ベランダに飛び出して来られ、こちらをずっと注視されているのが見えました。

きっと隣接するマンション屋上に居る私が挙動不審人物に見えたのでしょう。遮るものもない屋上での想像以上の暴風状態を体験して
いなければ、真冬に着るような大きな防寒コートも季節柄おかしい印象でしょうし、更に大きな布袋に入れたC8を両手で抱え、
周辺機器を入れたカバンと三脚が肩からぶら下がっている「奇妙な体型の人影」を「不審人物」と思わないほうが不思議とも言えます。

うちのマンションの管理人さんには、お願いをして合い鍵をあずからせて戴いているので、その「隣接マンションの目撃者」さんが
うちの管理人さんに電話照会されるならそこで問題解決となりますが、管理人さんの電話番号が近所のマンションまで知れ渡っている
訳ではないと思うと、「覗き魔」犯人のように疑われて警察に通報される事態になるのが怖いと思いました。
「覗いている対象」が地上のものではないと分かって貰っても、合い鍵を特別に使わせて貰っていることに防犯上の見地から運用見直し
指導でもあると困ると思ったのでした。

そのような経過からこの夜はいつもの運用の通り、エレベータ駆動機の入ったマンション名の入った塔を風よけとして、最も風の
影響の少ない場所にC8一式を設営することができませんでした。この夜の月光は異常に明るく、屋上での作業は目立つ感じでした。
そのため隣接マンションから見えない面に設営する選択肢しか残されていなかったのでした。

屋上は想定以上の暴風状態で眼視1000倍の超過剰倍率ではF31fdの写野中に火星が収まりませんでした。また上空気流も予想に
反して酷く、先日以上に写野に霞がかかり、模様検出どころか、どこが合焦状態か把握が難しいほどでした。
やむなく2倍バーローレンズを外し、眼視500倍(これでも過剰倍率です)にして撮影をしましたが、この倍率では2007/09/14
の作例でも分かる通り、単位面積あたりの輝度の高さとF31fdのオート露出制御(ムービー撮影では露出はフルオートです)が
なじまないのか、かなり露出オーバー気味となり、詳細な模様検出が難しいので避けてきたところがありました。

結果はこんなものです。まあ「黄金位相」は撮れてはいます。しかし「掲示板のコーナー2」のご常連様各位の高精細画像と
比べるべくもありません。まるで大昔の銀塩撮影での火星像のようです。がっかりしました。
(画像は周囲カット縮小なし。C8+LV4mm+F31fd。3シーケンス連結で5550フレーム選抜。Wavelet処理はLinear[1:3]。)





まあフレームごと(無作為に一部分を抽出しコマ飛ばしなしに連続6コマを表示)の状態はこんな酷いものでしたから、これでも
上出来なのかもしれませんが...。そもそもこの6コマも周囲カットのみで縮小なしです。最終仕上がり画像に比べて如何に対象が
拡散してしまっているかが理解できます。眼視1000倍での撮影では強風のたびに火星が写野の外に飛び出すほどの荒れようでした。






あまりに甲斐がないので家族が起きている時間帯にベランダで火星を撮影できるようになるまで、火星撮影を中断したい気分です。
ベランダでは屋上ほどの風の影響は受けませんから。
11月も後半になれば22時台に仰角30度をギリギリ超えますので、その頃まで待つべきかとも思います。が、その時点で最接近まで
もう残り2-3週間程度で、もう後は火星はまた地球から離れていくと思えば、そこまでの割り切りは難しい気もしています。
何せ2年後の小接近は更に条件が悪い(最接近時の視直径がもっと小さく、季節も真冬ど真ん中。)のですから....。



○ホームズ彗星。(2007/10/27。2007/10/27記。)


2007/10/24夜に大バーストを起こし、それまで17等星の明るさだったホームズ彗星が2等星の明るさまで増光したそうです。
TVニュースでも報道されたとのことでしたが、火星に悪戦苦闘した夜の現場ではまだその件を知らず、その後は悪天候のため
撮影の機会が無かったのが、ようやくこの夕方、雲が切れて撮影の機会を得ました。

この夜も肝心の空域の雲がなかなか収まらず長い時間、雲がましになるのを待って、ベランダでミニボーグ45ED+EOS20D+
SIGMA18-200mm+スカイパトロールIIで撮影してみました。ISO800で露出は40秒(絞り6.3)です。
屋上出撃は先日ちょっとケチがついており、またどれほど写真映えするものかも分からなかったので、お気軽撮影にしました。

補助線を引いた図でまず位置を解説します。





折角ですから、邪魔な線や文字は消して見ましょう。






さすがにこの拡大撮影率や位置確認に使ったワイドビノ28の倍率では彗星バーストの拡散状態は分からず恒星そのものですが、
周囲の恒星より明るいですね。画像にはゴーストが写り込むほど、近くの月が明るいですが、何とか撮れました。

1-2枚目の画像を部分拡大してバースト拡散状態が見えないか階調調整しました。若干は叩き出せているかもしれませんが、周囲の
恒星の周辺部と印象が変わらない感じもしますね(^^;)。光害、月光、雲など条件が悪い上にやはり拡大率の問題もあるのでしょう。





「掲示板のコーナー2」のご常連様各位のご報告では彗星核(コマ)から北側にバーストしたものが展開しているとのことでした。
上掲の画像処理中に確かに写った輝点は均一でなく下方に高輝度の部分があり、その部分が階調反転しかかっているのが気になって
いました。もしかしたらそれが核の部分でバーストしたものが一緒に1つの輝星状に写っているのかも知れないと思い始めました。
最初は核だけが写っていてバースト部分は輝度が低く、今回の機材では写っていないとばかり考えていましたが。

追加で原画像の一部を150%拡大の上、その階調反転しかかっている印象が分かるように階調処理してみました。





如何でしょうか?まあ望遠鏡での拡大撮影に比べると処理に所詮無理があり、画像の美しさという点で比べられるものではない
ですが、まあこれはこれで満足な成果になったかと私自身は思っています。彗星に関してのハードルはいつもとても低いのです(^^;)。

北極星が見えないベランダから適当な極軸調整では星野追尾写真は撮れないと思ってましたが、40-50秒露出程度での広角~標準
程度の画角では使えますねー。固定撮影では若干星像が流れるでしょうから、お気軽といえど追尾撮影の意義はあります。
今回は方位磁石や水準器も使わずの目分量で設置しましたが、設置の精度を上げるともう少し長時間露出も可能かもしれません。

この認識変化も大きな収穫です。そもそもベランダ側の空域は大阪平野の光害の影響が大きいので、それほど長時間露出は元々
考えていません。1分程度の露出に相応する容易な設営で星野撮影ができるとしたら、それは楽しい作業になるかもしれません。



○ホームズ彗星の強拡大像を得るために銀次出動!(2007/10/28。2007/10/28記。)


前夜なぜついでに拡大撮影もやらなかったのか....(^^;)。「掲示板のコーナー2」にはご常連様各位からの素晴らしい拡大撮影
画像が目白押しです。(いつもありがとうございます^^)。
どうやら大きな原因としては、望遠レンズの広角端撮影に対して40秒露出をかけていたので、赤道儀設置も正確にできない
ベランダ設営の状況では望遠端での撮影はとても絵にならないと思い込んでいた、というのがあります。
加えて、昨夜の撮影現場の時点では、自分が写したものが本当に狙う対象か後処理して位置確認しないと自信がなかったと
いうこともあります(^^)。

ところが、望遠レンズの望遠端でも、1-2秒露出の固定撮影で写るなら、話は違いますね(^^)。
その一方、上述の「満足な成果になったかと私自身は思っています。彗星に関してのハードルはいつもとても低い」は真実で
不思議なことにあまり火星撮影のように、ベスト画像を得られない自己嫌悪というものまでは感じません。

さて、拡大撮影で狙う場合、私が持つ機材のうち妥当なところはやはりEOS20D+18-200mmの望遠端撮影でしょうか...。
なぜなら、これは既に前日の撮影前に検討したことですが、EOS20D+18-200mm以外を使った拡大撮影ではF(口径比の明るさ)
ができるだけ明るい光学系が必要とですが、自動追尾できるC8はF10、ミニボーグ45EDはF7.2...そもそもそのF値は直焦点撮影
の場合で、私のようにコリメート撮影しか選択肢がない機材揃えでは難しいのです。(ダストの影がこれ以上目立つようになると
メンテナンスに出さないといけなくなるので、EOS20Dからレンズを外して直焦点撮影で使う予定はありません。)

その一方、固定撮影でも写るとなれば大集光力かつF5の銀次もあります。でもF31fdとのコリメート撮影ではもっと暗い合成F値
となり、1-2秒露出では捉えきれないでしょう。
そんなことを考えながら夕方ベランダに先日に続いて銀次を設営しました。F31fdだとスチル撮影とRegistaxにかけるムービー
撮影の切り替えがスムーズである点にも期待しました。ダメな場合は温度順応不要なミニボーグへアイピースとF31fdを付け替え
するかEOS20D+18-200mmの望遠端撮影にすればよいかと思ったのでした。

夕方は晴れていましたが、例によっていよいよ撮影に適した仰角(特に銀次はオチビなので低い仰角では顔がベランダから出ません)
になったところで厚い雲が全天を覆ってしまいました。しかしその直前、一瞬だけ9×50mmファインダーで見たその対象は、
前日の印象とは全く違ってました。前日「掲示板のコーナー2」でご常連様が興奮状態だった理由がようやく私にも実感できた
のでした。異様なほど周囲に広がったバースト....これをワイドビノや望遠レンズでは恒星と同じようにしか見えなかったとは....。

1時間後、ようやく雲が時々切れるようになりました。その間隙を縫ってまず眼視で対象を確認。ファインダーで見た異様さが
大迫力となって見えました。これは確かに大興奮ものでしょう。F31fdは日中のうちにLVZoom8-24mmと一体化しておき、
自分で改造後付けしたアーム関節部を後退させておいたものを戻すことで手早く撮影に入りました。

2等級の対象ならちゃんとF31fdのモニタで確認できるではありませんか....(^^)。もう成功したようなものだと思いました。
スチル撮影は1/2秒露出で再生モニタにしっかり存在を確認できました。F31fdのモードスイッチを切り替えるだけでムービー
撮影もできました。こちらはおおよそ60秒を目処に撮影しました。銀次の鏡筒を指で吊り上げつつF31fdのモニタを見ながら
粗動追尾しました。2003年当時の手持ちビデオでのコリメート撮影を思い出しました。
こうしてF31fdのズーム倍率をいろいろ変えて撮影ができました。

スチル撮影での最小倍率と最大倍率の成果は次の通りです。コマとバースト、周囲の恒星などが写っていますね。
一発撮りでここまで詳細が出るのは、流石に銀次+F31fdと言ってよいかと思います(やったー^^)。






ムービーをRegistaxにかけた結果のほうが詳細が出なかったのは意外でした。ムービーは撮影開始時にピントが固定になりますが
輝度が低いためにその合焦状態がベストでないまま撮影が為されたのかもしれませんね。1437フレーム合成です。





露出1/2秒で2等級の拡散した天体を無追尾撮影でスチル一発撮りできる....。昨夜の「厳密でない赤道儀設営でも40秒程度の星野
撮影が可能」という「発見」以上に私にとっては驚きでした。F31fdの威力もあって今回、銀次は実に良い仕事をしたと思います。
同じローノイズ機のEOS20Dでは重量とミラーショックのために銀次との併用ではブレが出てここまでの画像は得られません。
E5000だとISO800での画質は今回と比較にならないものだったでしょう。銀次の集光力と解像度を活かすのにF31fdでないと
得られないケースというものがあり、今回はまさにそういう状況だったと言えるでしょう。



○ホームズ彗星。(2007/11/03。2007/11/07記。)

ホームズ彗星が先日の急増光の大きく拡散して巨大化しているとのことです。
確かにEOS20D+SIGMA18-200mmで先日と同様の条件で撮影をしましたが、存在がはっきり分かりますね。
先日はその空域で最も明るい恒星の印象で拡散状態は分からなかったですが、今回は明らかに恒星とは
違う印象です。画像は先日、星座線や解説を入れた画像と同様の拡大率で対象周辺が写っていますので
比較してみて下さい。大きさ(存在確認)および位置が変わっていることは分かります。





天候事情と個人的になかなか撮影の機会を得られませんでしたが、この夜はベランダにC8設営の機会を
得ましたので、狙ってみました。
拡散巨大化に伴い輝度は下がっていると考え、先日の銀次+F31fdの組合せ(1秒露出)では露出が足らないかと
考え、拡大撮影には粗い追尾精度であってもNexStar架台を使うのがよいという判断でした。

合焦操作で主鏡自体が動くシュミカセ形式の特徴で主鏡焦点距離は「約」表示が伴うのですが、C8の約2000mmにも
およぶ焦点距離による強拡大を減じるのは容易ではありません。この点、銀次は1250mmですから、過剰拡大には
なりません。幸い手持ちのアイピースのうち、PL40mmを使うと視野に強拡大過ぎない状態で対象を収めることが
できました。

F31fdでの一発撮り(ISO800、3秒露出)でこんな感じです。3秒はF31fdのシャッター速度優先モードでの最長露出時間です。
これで露出が不足の場合は夜景モードにして最長15秒(時間は当然調節可能)までの露出を考えていましたが
その必要はありませんでした。撮影時点においては、夜景モードではISO感度はカメラお任せとなるのでできれば避けたいと
思っていたのです。(後で確認しましたら、実際はISO感度指定できました。)





Photoshop5.5/MacS9.2.2で4枚コンポジット(レイヤー合成「比較(明)」25%ずつブレンド)では粒状性もアップして
美しくなりました。別のシーケンスでの画像も同様に処理してみました。






でもやっぱり恒星像が若干流れますね。これは追尾精度の問題もありますが、コンポジット画像で一層目立つことを
考えると経緯台追尾による視野回転の影響もあるのでしょう。(レイヤー合成時に素材の回転合わせまでは今回して
いません。縦横移動での位置合わせだけで合成しています。)

今回フリーソフトYIMGも試してみましたが、経緯台追尾の視野回転までは自動合成が追いつかず、座標を入れての
合成もやってみたものの、上出のPhotoshopでの合成より飛躍的に良好という結果にはなりませんでしたので、
処理は最後まで実施しませんでした。

そのような経緯から、前回の銀次一発撮りでの感激ほどには今回は至りませんでした。
まあまあしっかり強拡大画像を得られて安堵した、というレベルです。毎々そうですが、彗星撮影は火星撮影に比べれば
意気込みやハードルが低いのです(^^;)。

で、その火星撮影のほうは、ベランダ設営の「門限」(ご近所迷惑配慮です)を23時に設定していますので、その直前の
時点でまだ火星の仰角は30度ギリギリでした。上空気流の影響+上昇気流の影響で強拡大1000倍は耐えません。
風で写野から対象が飛び出るほどの大ブレはなかったものの、先日の屋上での火星撮影同様、像の安定は全く得られず、
散々な結果に終わりました。





2シーケンス連結、3729フレーム合成です。模様は見えませんね。極冠あたりの色の変化と欠け際が少なくなったことだけが
わかる程度です。撮影時の状態から多くは期待しませんでしたが、やはりこの結果には大いに落胆しました。
あと2週間もすれば23時門限でも仰角をもう少し大きくとれるようになるでしょうか。

屋上撮影は先日の撮影時に当方のほうが大いに疑心暗鬼状態となってしまいましたので、なかなか一念発起には至りません。

2005年、2003年に比べて視直径が小さいとはいえ、ここまでつまらない展開になるとは、ちょっと想像していませんでした。
今回、奇跡的にホームズ彗星の大バースト増光事件などがあり、撮影の機運にも至りましたが、先日の結果の後、火星だけが撮影対象
だったら、果たしてこの夜、ベランダであっても門限前の悪条件承知で出撃したかどうか.....。
2年後、4年後はもっと視直径や季節条件(乱気流、温度順応の手間と時間、撮影時の快適さを含め)は悪くなる一方です。

火星はこの先、私が持ちうる機材で追跡できる対象から外れて行くのではないか、という懸念もあり、ちょっとこの先の展開は、
熟考が必要だと感じます。そんな気が強くして来ています。
F31fd導入の興奮が一段落した後は、希有の大事件である彗星爆発まで目の当たりにしてさえ、天体撮影に対して、なんだか脳内快感
物質があまり出てこない感じなのでした。



○屋上出撃。仰角充分条件での火星撮影。オリンポス山を検出(^^)。(2007/11/10。 2007/11/17記。)


小接近とはいえ、火星も今回の最接近距離にどんどん近づいて徐々に大きくなって来ています。視直径も13秒角に
至りました。ところが私のほうが最近は平日夜に今まで以上に撮影の機会をとれません。
土曜日の夜に晴れれば、その時には機会を持てるので、その機会を最大限生かすためには、仰角が低い現時点では、
先日のゴタゴタ後の不安が残っていても、屋上で設営展開をするべきかと思っていました。
この夜はまさにそんな感じで出撃しました。

この日は日中も非常に暖かく、夜になっても下り坂の天気予報は外れて安定していました。
仰角を充分確保できる23時半ごろには屋上に向かいましたが、その階段のところで、細い雲の列がちょうど火星の仰角附近だけに
たなびいて来るのが気になりました。何度もその現象で砂をかむ思いをして来ましたので、そこで引き返そうかとも思いましたが
準備万端で玄関を出た時点で私としては、重い腰が上がった状態なのです(それゆえ毎回雲にやられるとも言えますが^^;)。

C8の温度順応は既に充分、手早く設営を行いました。眼視で確認した状態では、やはり暖かい日中だっただけに、風もなく
上空気流もかなり安定していました。 火星像の周縁部がびりつく程度で輪郭も安定して、思わず息を呑む瞬間もありました。
アイピースに息がかかって曇ったのか、という印象だった前回、前々回の眼視の印象とは全く違いました。

が、設営完了、モニタで輝度調整完了と同時に細長い雲の列に入ってしまいました。
雲間からの撮影となれば、それだけで気圧密度のまちまちな空気の流れが、その安定した上空気流の前を通る訳だと考えると
非常に残念でしたが、それでもまあ前回、前々回に比べるとまだ格段に良好な条件での撮影だと思い直して、雲の切れ目を
待ちました。

この夜はオリンポス山が真正面をこちらに向けている筈でした。木星撮影時にToUCamとF31fdでの比較をしましたが、その際の
印象から、より微細な構造の検出を期待してここはToUCamでの撮影が適していると考えていたのでした。
久々の出動です。実は家を出る前の準備段階でCマウント-ニコンマウントアダプタに被せてある一眼レフボディキャップが
アダプタに無理にねじこんだ状態のまま外れなくなっているトラブルなどもあり、どうにかこじ開けたものの、それがNGだった
だけでこの夜の撮影は断念のところでした。いろいろハードルがありました。が、結果的にあきらめずに良かったです。

間接撮影法ではアイピースのアイエンドからCCDの焦点面までの距離を調整することで拡大率を調整でき、自作アダプタは
それを充分考慮して作ってありますので、F31fdコリメート法撮影の際のようにアイピースを超短焦点にして無理な過剰拡大を
する必要がありません。まずはLV8-24mmZoomの最小ズーム位置(24mm)で撮影しました。眼視では約83倍です。200mm口径の
C8では余裕で有効倍率(200-300倍)内です。
Registax3を使い、2シーケンス連結で2420フレーム選抜処理しました。Wavelet処理はLinear[1:3]です。





像は小さいですが、真正面のオリンポス山あたりにわずかな陰りとして存在が分かります。
(山の位置解説は「銀次の部屋39」の書き込み図参照。2005年の火星はうつむき加減に画像の上(南)を少しこちらに向けてました
 ので、今年の「更に真正面」感が比較実感できます。)

ToUCamの狭い写野に、遊びが大きい(カックン状態の)NexStar8架台で対象を導入するのは、毎回非常に時間がかかりますので
いつも通り、LV8-24mmのズームを利用して、まずは最低倍率での撮影から入ります。

ところがその撮影の直後に火星が完全にその細い雲の列に没してしまいました。その列は西の空の果てまで頑強に続き、隙間が
全くない様子でしたので、20分ほどその状態に改善のきざしが無いのを確認して、継続断念の決断に至りました。





(余談ですが、F31fdをISO800、手持ち1秒露出で夜空の雲が撮れるとは...。デジカメ性能も凄いですが大阪平野の光害の
 凄さも改めて認識できますね。画像は4枚を粗くモザイク合成。周囲の仰角には雲がないのが分かりますでしょうか...^^;。)

PCの電源を落とし、NexStar架台の電源を切って、アイピース、アダプタをカバンに戻した時点で西の空の一部に小さな雲間
ができました。もう撤収決断したので戻る気は全くなかったのですが、それから3分ぐらいで、みるみるその雲間が大きくなり
最後は雲が全く消失してしまいました。

きっと温度の違う気流が上空に入り、雲が流れたというより消失したのでしょう。上空気流の安定状態も変わったのではないか
と思いますが、あまりの突然の快晴に、なかば仕方なく再設営を始めました。その時点でC8とファインダーの調整、温度順応、
架台の水平設置などはそのまま完了している訳です。日を改めるより、意義はあると考えました。

拡大率を上げて撮影しました。(最大倍率のつもりが後で確認するとそうでなかったのが少し残念ですが。)
やはり真正面、狸の腹の上の出べそのような印象で、オリンポス山が見えています(^^)。再設営の甲斐がありました。
5シーケンス連結で7682フレーム処理したものを強調処理の度合いを変えて2枚、更に別の5シーケンス連結で7577フレーム
処理したものを2枚、強調処理を変えて仕上げて見ました。マイルドな処理でもオリンポス山の存在はなんとなく分かります。
強調処理の強いほうは確実にその存在を確認できますね。Wavelet処理はLinear[1:3]です。








もともと余裕のない低速PCのHDD残量がなくなり、続いてF31fd+LV4mm(約1000倍)でのコリメート法撮影も行いました。
こちらは5シーケンス撮影直前に再度雲の列が火星に迫ってきたので、4シーケンスで断念しました。
その4シーケンスを使って、6321フレームを上出のToUCam撮影と同じく、マイルド、強調の2パターン処理しました。
Wavelet処理はLinear[1:3]です。






解像感をできるだけ確保するには、ToUCamが良いみたいです。F31fdでは、特にブルーヘイズや極冠の輝きを
含めた全体の輝きがきれいに出るようです。火星撮影で可能な限り極限まで詳細が写ることを期待したい局面は
今回のオリンポス山検出くらいでしょうか。

私にとって惑星撮影、特に火星についてはそうですが、美人撮影にかなり似ています。
(まあ実際の経験則かどうかはさておき、一般論として^^;)解像感が上がり、シミ、皺が下手に汚く写るよりは、微細な
部分は写らずとも、全体の印象として美しく記録できたら、と願う気持ちそのものが画像に残るのが理想です(^^)。
光学系内の時点で既に過剰拡大となる点で気流の影響をモロに受ける難点はあるものの、F31fdでの火星撮影には、
ToUCam撮影にはない利点がやはりあるという印象でした。

まあF31fdは何故かToUCamほどには写野への対象導入は苦労しませんし、気流や雲行きが安定している時には追加で
撮影する手間はそれほどかかりませんので、2つの絵筆を持っているのが良い、とも言えます。
特に気流がいい時には低速PCの少ないHDD容量だけでToUCamでの撮影を断念するのは物足りないと過去のToUCam撮影
時にはいつも思っていたので、ちょうどいいかもしれません。設営装備が少し大きく重くなる程度で、本来二者択一に
考えることではなかったのでした。(ちなみに高速PCのバッテリ新調は資金難からまだ実現できていません。)

2003年、2005年に続き、今回で3巡めの火星接近となり、やはり技術的水準的なものは流石にこなれたものだと確認でき、
撮影の成果は努力や工夫以上に、その夜の気流状態が全てである、という点を、これからどう考えるかというところは、
良い結果が出ても変わりません。



※【追記:こぼれ話^^;】

「掲示板のコーナー2」でご常連のKENさんから「ToUCam撮影での352×288pixelsモードは、今の視直径が
小さい火星に対して充分な写野面積があり、データの縮小化に伴う後処理の速度向上が見込める」との情報がありました。
(KENさん、いつもありがとうございます^^)。
きっとその情報はQVGAモード撮影に対しての比較か、またはそのモードにしてから光学的に充分な拡大率に調整して
撮影すれば、余白の暗黒部分を切り詰められる効果で、画質は最良のまま、撮影時、後処理時の処理速度向上を
期待できる。」との趣旨だったのでしょう。
ところが私は短絡してVGA撮影の状態からモードだけそのモードに変更してみただけでしたので、写野の縮小に伴い、
単純に火星像が小さくなってしまいました(撮影時に気づきそうなものですが....^^;)。
または誤って別の撮影サイズモードを選んでしまったのかもしれません。現時点ではちょっと確認できていません。





奇しくも最初に撮った最低ズーム倍率での火星像に近い大きさの像となりました。が、こちらは同じ2シーケンスから
の処理(2988フレーム。Wavelet処理はLinear[1:3]。)でもオリンポス山の印象は、はっきり出ている感じもします。

当然です。この2シーケンスも上出のVGA撮影の直後に行い、光学的には同じ状態で山を検出しているのを、CCD記録処理で
無理に像を縮小記録しただけの訳ですから(^^;)。冒頭の小さい画像は光学的に充分な像の大きさまで引き伸ばせていないため、
山の分離にまで至らない、ということです。同じ像の大きさという結果でも内容は大違いでした。
これでは後処理の速度が向上しても甲斐はなかったということだったようです。折角の貴重なノウハウも使う側が短絡しては
検証にもなっていませんでした(お粗末^^;)。


※【さらに追記】

ToUcamでの352×288pixelsモードが640×480pixelsモードからの部分切り出し記録となるのは、WindowsXPでの使用時
だけのようだとのことです。KENさんから追加報告を「掲示板のコーナー2」にいただきました。ありがとうございました。
私が撮像時に使っている低速PCのOSはWindows2000です。それで先日検証出来なかったのでした。 操作ミスでなくてよかったです。








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