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○ようやく....。C8でピントの芯が!木星。(2005/02/24早朝。2005/02/25-26記。)


最近天気があまりよくありません。結構寒く、いまいちぴりっとしない撮像成果が続くこともあって、
撮影をするかどうかの判断にも最近は相当の気合いが必要です(^^;)。
実はこの前夜、ジェット気流予想、天候、大赤班の向き、ともに条件が揃っていると思って、撮影を
決行してみましたが、予想に反して眼視でも木星本体はしっかり解像感が出ませんでした。
とりあえず1シーケンスでも撮って今夜はあきらめるかと準備するうちに全天かき曇ってしまいました。
何度この目にあうのでしょうかね(^^;)。

眼視さえ不明瞭だったのは、雲の通過のせいで像が攪乱していたのかもしれません。
眼視で「ああ今日は期待できないな」と思ったらすぐに撤収すればよいものを、やっぱりなかなか決断は
できないです。結局それで2時間弱、無駄になりました(^^;)。

実はJupiter.exeで大赤班の位置を調べる時に日付設定が1日ずれて設定してしまったらしく、前夜は大赤班
はこちら側を向いていませんでした。
逆に言えば、当夜は大赤班が良い時間帯にこちらを向いているということで、また撮影準備をしました。

この夜は前夜の透明度の高い空と大違いで、1等星もかすむほどの薄曇りでした。
どうも後で考えると、それは黄砂だったようです。黄砂に乗ってインフルエンザが中国南部の鶏、豚を一緒に
大規模に飼っている地方から流れてくるという説を私は結構長年信じてまして、その夜の間にそのことに
気づかなかったのは精神衛生上はよかったと思います。
(罹病しなければ、気にしないに越したことはありません。)
気温はかなり暖かく、黄砂が停滞している上空は、却って気流の安定を期待させました。

眼視での状態確認は、期待通り、それほど悪くなかったのでした。細かい高速のびりつきと黄砂による輝度低下
はあり、安定気流の理想状態には程遠いものの、縞の詳細や大赤班、本体に落ちる衛星の影の存在は確認できました。

得た成果は次の通りです。いずれもOptimize処理後、閾値設定でフレームの自動絞り込みをしています。
最初の2枚は同じシーケンスからの後処理で全1543フレーム中、1353フレーム選抜および1091フレーム選抜です。
その次の1枚は1493フレーム全部を使用しています。最後の4、5枚目はHDD残量僅少のためドロップフレームが多発して
全フレーム採用しても1086フレームだったものを全フレームと851フレーム選抜したものです。
NexStar8i、Vixen LV8-24mmZoom(24mm位置)、Registax2.1使用、Wavelet処理はLinear[2:2]です。













今回は2時台の撮影で、木星が既にベランダの屋根に差し掛かりそうになっていて短時間に集中撮影したため、衛星や
大赤班の経時変化(移動)は顕著にはわかりませんね。

今回の仕上がり具合はいかがでしょうか?
ようやく今回、C8でのピントのピーク出しの件、解決しました(^^)/。
当夜は理想の気流には程遠い状態でしたが、しっかりと理想ピント位置とその直前に気流の流れの層にピントが合って
しまう位置の差をToUCamのPCモニタ画面で検出できました。
去年はNexStar5でこれが確認できていたので、ピントの追い込みに苦労は感じなかったのでした。

今年それができないのは「C5ほどC8はピントのピークがはっきりしないからだ」という伝説(?)を信じ込んでいて、どう
焦点ノブや補助装置を微動させてピントのピークを探るか、または悪気流のせいであきらめるか、のどちらかしか考えて
いなかった訳でした。

が、考え落ちがありました(^^;)。
以降はある程度の乱気流下でも眼視でそこそこ見えると思った夜には、ピントのピーク出しはC5を使っていた去年同様に
可能かと思います。

全ては遅い新PCのせいでした。このPCは特にディスクアクセス速度が遅いのか20fps以上での撮像はもうほとんど
全フレームがドロップフレームになりデータとして使えません。
そのため昨シーズンと違い15fpsで撮影していました。そのためにピントの芯が検出できなかったのだ、とは夢にも
思わず、当夜までずっと長い間の期間を費やしてしまったのでした。

当夜、30fpsでの撮像テストを再度実施したのでした。前回の撮像時に2分超の撮像では衛星の影が少し楕円になり、
気流がその間、ずっと安定する訳がない(つまり画像は甘くなる)という反省点分析を受けてのことでした。
30fpsではドロップフレーム多発でデータにならないことも、もう忘れていたというのもあります(^^;)。

30fpsにToUCamの設定変更をして、そのことで暗く淡くなったモニタ画面の輝度・階調調整をしてピント調整を
始めました。あくまでその時点では30fpsでの撮像を目的にその動作をしていました。
これはパラパラ漫画のページめくり速度を上げるのと同じ行為で、当然、いつもの倍速で事態の変化がわかりますし、
加えて電気画像処理の特性として、同一フレームへの信号の蓄積による画面詳細の丸め込みもありません。
そのことでほんの微細なピントのズレ変化が実にはっきりわかったのでした。

さすがに物事に鈍感な私でも「いつもと違って何かやり易い」ということには気づきました。
ピントのピークだと思った瞬間を確認した上で、そのまま合焦ノブを動かしていくと、天体(無限遠)より近い
地球高空大気の小川の流れの表面のような流れにピントがあう瞬間もしっかり分かりました。
15fps設定ではこのピント位置と変化が信号蓄積の丸め込みに全部まとまってしまい分離できなかったのでした。

これがわかるなら「C8はピントの山を掴みにくい」は言い過ぎです。C5ほどでなくても充分、ピークの検出は
できると思いました。原因はC8の合焦感の属性にあるのでなく、15fps撮像のほうに大きなものがあったのだ、と
その時点でようやくはっきり認識ができたのでした。

この逆の例は5fpsくらいまで撮像リフレッシュレートを落としてみると惑星像が微動すると尾をひいて動くほど、
信号が蓄積してしまうことで充分体験していました。が、その逆には気づかなかったのでした。
同じ夜に比較実験だけのためにC5とC8を両方使って差を見ることはしないだろう、と前ページ末尾で書いた私
ですが、やっていたら気づいたのでしょうね。「C5を使っても今年はピークがわからない」と。
(もうNexStar5は手元にありませんので空論ですけど^^;)

当夜得た結論は合焦ポイントを追い込む作業へ要求される慎重度は、昨シーズンに充分慣れたC5とさほど変わらない
という意外な結果でした。考えてみれば実に簡単なことでしたが、C5のほうがピントの山はわかりやすいという一般
定説を疑いもしなかったために、山の検出が難しいことについては仕方がないと思っていた訳でした。

先入観は恐いですね。いろいろな状況証拠も全部思い込みを裏打ちする証明にしかならなかった訳です。
C5でテストしていても「今年は去年より気流が落ち着かない」と思い込んでいたかもしれません。

勿論30fpsでは新PCは撮影できません。やってみましたが全フレームがドロップフレームになりました(泣)。
なので、ピント位置を確定したらまたそれが気流変化で動かないうちに、ToUCam設定を15fpsに戻して輝度・階調
調整をやり直してから撮像する訳です。その間にNexStar8i追尾精度(垂直方向のガタによる影響も含めたもの)と
強拡大撮影環境では、木星が写野に居ないことも多々ありますが(^^;)、めげずにそれをやります。
ドロップフレーム多発覚悟で20fpsでも撮りましたが、15fpsの像のほうが、良い結果を得ています。
(以下は20fpsでの撮像成果。1499全フレーム使用。時系列的には最も早い時刻の撮影。)





「ピント出しは高速レートで、撮像は再度輝度調整の上、PCの最適レートで。」というのが、今回ようやくつかんだ
ノウハウです。「そんなのとっくにやってるよ」って....?じゃあ教えて下さいよー(^^;)。
ってまあ私がそのコツを外していたことも「銀次の部屋」の乱筆乱文では分からないというのは大いにあります。
これだけ分量書いていても、肝心なことが抜け落ちてたりしますね(^^;)。

これからは口径が大きいメリットのほうがデメリットよりはるかに大きくなるでしょう。そのことに期待しています。
眼視である程度見えている夜の打率は上がるでしょう。口径クラス相応の気流への過敏はあるので去年のC5級の
打率にはならないにしても、今までのような「後処理が出るまで当夜の成功不成功は分からない。解決に皆目出口無し。」
という状態ではもうないと思えます。
今回の成果は、理想気流には程遠い黄砂での薄曇りと小川の流れのような気流下での撮像、と思えば、満足です。
過去に撮った完全理想気流下のC5最高値の木星像の70%くらいは出ているのではないでしょうか。このC8を使った木星像
としては間違いなく最高値の木星像だと私自身は思います。

ベスト画像はどれでしょう?案外フレーム数の少ない5枚めか、それと同じシーケンスからの4枚めですかね?
PCの再生環境によって、どれがベストかわからない程度の差しかありませんね。
以降は本当に気流が理想になるまで、この程度の出来を続けていけばよいことになります。この程度の出来が続くなら
「出口無し」を続ける先日来の気の重さもありません。

今シーズンの土星のときは理想気流状態の夜が先にやってきてくれて、全ての問題が解決した気でいたのでした。
まだまだ甘かった訳でした。今度は本当に乱気流対策を含めて技術的に完全に掌握した気がします。

まあそうは言いながら、今回の壁を乗り越えたことで、また次の壁が見えてぶつかったりするもので、あんまり鬼の首
をとったようなことを言っていると必ず後で大恥をかきますが(^^;)。
ちょうど乱気流の度合いが今回のトライにぴったり程度の乱れ方だっただけかもしれません。継続して同じことが
言えるかどうかを次回以降確認することはとても重要です。



○ご挨拶:HPアクセス40000達成(^^)/ (2005/03/01夜。2005/03/02記。)


先日の木星像に関して別のシーケンスからの画像を掲載します。後処理も何度か試行錯誤してみました。
先日公開分の上2つは、WindowsPC環境によっては妙な輪郭染みが現れてしまっているようでした。意図とあまり
に違う再生環境があるのは困ったものです。今回の仕上がりはどういう再生表示をされるのでしょうか。
iBookやToUCam撮像用新WindowsPCで見る限り、先日の画像より今回の仕上がりのほうが美しく感じます。
衛星の影の木星本体の模様からの分離も今回のほうがより明快です。
少し縮小したものも併載します。細かなニュアンスは丸め込まれますが、模様の面的な階調変化はより美しく見えるか、
と思いました。過去のNexStar5での平均的な木星像とも大きさが近くなり比較も容易です。
全1555フレーム中、Optimize処理後、1174フレームまで絞り込みました。







いかがでしょうか?私の仕上がり意図通りにうまく再生できていたらいいなあ、と思います。
今回の仕上がりのほうが、強調処理と関係なく「ピントに芯が出てきた」と実感できるようになったか、と思います。
階調に関しては、かなりの情報量を持った画像だと思え、ここはさすがに口径なりの写りをしていると思いました。


 ---- ◇ ----   


2005/03/01夜、ホームページアクセスが40000に到達しました。いつもお目通りありがとうございます。

「銀次の部屋」開設の2003年春までには数年の公開でも3200アクセス程度だったのが、公開後2年弱でここまで来て
しまいました。(それ以前の作曲家サイトとしての不出来ぶりも逆にわかってしまう訳ですが^^;)、天体撮影への
七転八倒ぶりを多くの方々に支えて頂いていると思うと、やはりしみじみ来ます。

「掲示板のコーナー」アクセスもいつの間にか50000超えてました。掲示板のカウンタはページの再読込で
カウントアップされてしまうので実数はわからないのですが。
皆様、いつも本当にありがとうございます。



○Windows機の表示偏差には...。(2005/03/08記。)


先日の補正した木星像について「掲示板のコーナー」のご常連様のPC環境では概ねきれいに再現表示されていたようで
よかったです。iBookや現在の新PCで相互に表示させ微調整した甲斐がありました。ところが後日、昔ToUCam撮像用に
使っていたPCで確認するとハイライト部の輝度は飛んでしまって、輪郭には輪染みのような階調反転もあり、がっかりしました。
きっとこのような階調でご覧になっている方も居るのだろうと思うと脱力します。WindowsPCの表示にはもう少し各社統一が
為されないと、現時点では或るWindowsPCでデジカメ画像を調整しても、それが意図通りに別PCで再現される保証はない
ということで、レンズの階調がどうだとかデジカメの解像感がどうだ、と言っても始まらない気がします。
そもそもデジカメやビデオカメラ、プリンタはWindowsRGBとは別の色空間で設定をされている訳でもあります。

昔のToUCam撮像PCで階調が反転しないように再調整してみました。以前の分では「何かよくなかったのかわからない」と
お感じになっていた方々のPCでは、ましになったのではないかと思います。ただ色彩、階調などは意図より汚いままです。
その一方、以前から「美しくなった」とお感じのPC環境(Macintoshを含む)では、少し明るいものの依然美しいままだと
思われます。それでもまだ階調反転したり汚い雪玉のように再生されるPCもあるかもしれませんね。

本当はもっと美しい色彩で豊富な階調の情報量を含む画像なのです。もしPC内にAdobe色空間へのキャリブレーションツール
ソフトウエアが含まれていましたら(恐らくPhotoshop Elementsなどには含まれているでしょう)、ぜひそれを使って
お手持ちのPCの色表示をデジカメやビデオと同一のAdobeRGB色空間または(それを包含して更に幅広い設定の)NTSC
色空間へのキャリブレーションをお勧めします。(「天文ガイド」入選のNexStar5での木星像も「天文ガイド」誌面と
比べて、かなり美しい画像であることを初めてご実感なさるかもしれません。誌面ではまるで今回同様、変な階調と輪郭染みで、
何故入選の対象となったのか分からない印象でした。)











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